2017年6月20日火曜日

ブラタモリ弘前 サムライがつくった弘前の宝とは


 ブラタモリ弘前が78日(土曜日)の午後730分から815分に放送されることが決まった。この番組は昔から好きな番組で、タモリさんの軽妙な語りと豊富な知識が随所に見られ、独特な雰囲気があり、面白い。この番組が元で、全国で街歩きが流行したと思うし、地図好き、地学好きの若者が多くなった。それもあって、NHKの放送としては、初めて地理学会と地学学会の二つの学会から、その貢献を讃えられ、表彰を受けている。


 実は、4月末ころにNHKのディレクターが突如、うちの診療所に来た。いつもはガラガラだが、この日はめずらしく患者が多く、NHKの方はアポなしで急に来たことを謝っていたが、患者を待たせて、少し話しを聞くことにした。何でも弘前を題材としてブラタモリを製作したいということであった。以前からブログで「ブラタモリ in 弘前」といった妄想で適当な番組をでっち上げていたので、番組取材途中にうちの看板を見て、突如、来院したものと思われる。その日は、少数ながら在庫がある拙書「新編明治二年弘前絵図」や付録の絵図を渡した。

 その1週間後に会議で、企画が通り、5月末に撮影になることが決まったとの報告を受けた。その間、タモリさんからの質問に答えるためか、広い範囲の質問がメールできた。ある程度は、手元の資料でもわかるが、何度か図書館に行って調べた。内容については、番組放送と重複するかもしれないので、ここでは述べないが、かなり専門的なものであった。何度か、撮影内容、箇所について質問したが、最後まで秘密のようで教えてくれなかった。そのため、内容については、私も番組を見るまで全くわからない。

 5月末の撮影については、その後、情報が入ってきて、一部の撮影はうちの近所でも行われていて、話を聞いていた家内がチェックしていたようだが、近所に住む人は誰も知らなかったようだし、他の撮影地も同様であった。そのため、実際に撮影を見たひとは非常に少ない。後日、ディレクターから番組に協力してくれたということでブラタモリの缶バッジとタオル、水筒を貰った。フアンである私にとってはうれしい記念品である。

 番組日程も決まったので、番宣のために活動しようと、NHKにポスターはないかと尋ねたところ、製作部局ではとくにポスターは作っていないようである。これまでの撮影地の多くでは独自のポスターがあり、どうも支局で作っているようなのでNHK青森に問い合わせているが、回答はなく、おそらく作っていないのであろう。また函館では放送に合わせて市電に宣伝ポスターを貼って走らせたり、市内あちこちにポスターをはり、函館市全体で盛り上げたし、最近では名古屋市が名古屋タワーのネオンで宣伝した。いずれも観光目的のために市が協力した。普通考えれば、45分番組とはいえ、視聴率のランキングに入る人気番組であれば、宣伝効果が大きく、それに便乗して観光を盛り上げようと考えるのは正常である。そこで弘前市の観光政策課に問い合わせると、番組自体は知っているが、それを観光課で宣伝する計画はないとのことであった(コンベンション協会は担当者が不在)。NHKの広報に掛け合えば、ポスターの版権は利用できるし、安い印刷屋でコピーすれば数万円で、200-300部はコピーできる。町中にコピーをはるだけで、しばらくの間は観光宣伝になる。数億円に相当する広告効果を数万円で得ることができる。そのため、このブラタモリに関しては、多くの自治体観光課の職員が是非、うちの町を撮影してくれとNHKに陳情すると聞くが(http://tool.crap.jp/onepoint/?p=1614)、弘前市では、こうしたチャンスをみすみす逃すことになる。おそらくはトップ、観光政策課へ情報が入るのが遅く対応できなかったのであろうが、メイン案内人が市職員であり、横の繋がりがあれば、少なくとも5月の連休明けには情報が入っている。時間は十分にあった。

 10年程前に、歌手の森山直太朗が弘前城の中で「さくら」を歌いたいと弘前市に言ったところ「歌手ふぜいが弘前城で歌うことは許可できない」と断ったという話を聞いた。その後、今度は弘前城で森山直太朗に歌ってもらおうとの企画が弘前市の方であって、オファーしたところ、当然のごとく断られた話を思い出す。他に同じようなことがたくさんあるが、チャンスをうまく利用できない自治体である。

 せめて弘前駅の観光案内所に、ポスターを貼ってもらおうと、暇だったのでNHKHPから写真を借りて、手作りのポスターを製作した。もらったブラタモリタオルを寄贈して、それと一緒に飾ってもらおうと思っていたが、家内に相談すると、弘前市役所、NHK青森も関心ないのだから、あんたがそんなことする必要はないと言われた。なるほどそうである。多くの方が見て下さることを期待する。

*6/24
その後、弘前コンベンション協会の方々が、NHKと交渉し、ブラタモリ広報ツールの使用許可を得た。そして弘前コンベンションあるいはNHK青森放送局のHPでも、番組予告が載るようになった。ご確認ください。田代町の撮影部分の写真が新たに載っている。今後、コンベンション協会では、弘前市内でさまざまな番組宣伝活動を行うようである。番組放送まで、あとちょうど2週間。弘前コンベンション協会の迅速な対応で、ようやくブラトモリ弘前の機運が盛り上がりそうである。ありがたいことである。これで街歩きの先進市である京都、長崎、函館にも、うちにもようやくブラタモリが来ましたと胸を張って言えるし、それに合わせてこうした活動をしたと説明できるだろう。
**6/29
弘前コンベンション協会では、協会内のコピー機で300枚のポスターを作成した。お疲れさんです。市内でも何カ所にすでに貼っており、今後、順次、あちこちに貼るのだろう。大型ポスターは弘前観光館には説明つきで、市役所には他のポスターと一緒に貼っていた。市役所には”近代建築ツーリズムネットワーク”の大きなポスター数枚がメインにところに貼られいたが、ブラタモリの扱いは低い。前回放送のあった名古屋市では市が独自ポスターを製作し、名古屋タワーに番宣のPRがなされ、次回の大宮市では、ここもまた独自ポスターを1000枚以上印刷し、超大型ポスターが大宮駅に飾っている。弘前市は観光都市として発展したいと言う割には、情けない。弘前市関係のHPでは、弘前市シティプロモションサイトにも載っていなし、7/1発行の広報ひろさきにもブラタモリのことはない。

6 件のコメント:

弘前タワー さんのコメント...

初めてご挨拶を致します。地理好きの弘前タワーと申します。ご著書『明治二年弘前絵図-人物と景色を探して-』や「明治二年十月現在図」を参考に、幕末の弘前城下町の範囲を地形図に表すなど、弘前の地理を楽しんでおります。

さて、先程こちらのブログ記事を拝読しまして、大変驚いております。去る4月20日頃、今年の夏にでも『ブラタモリ』のロケが弘前で行われるのではないかと、予感がしました。5月29日頃にはその予感は強まり、胸騒ぎがしたのでした。5月31日と6月1日にロケが行われたことを知って、妙に納得したものでした。6月1日の夕方、黒門前からインサート撮りをしていたようだとの話は人から聞きましたが、事前にロケに関する情報を得ていたわけではなく、ただ根拠がない予感でした。私の場合、このような予感はままあります。

余談が長くなりましたが、昨日市内の大手書店に立ち寄ったのですが、「ブラタモリ」弘前編を記念した特設コーナーは、現在のところ特に設けていないようで、少々ガッカリしました。すでに番組公式HPでアナウンスされておりますので、期待をしていたのですが…。

弘前には歴史的視点からウンチクを語る方は多いですが、地理的視点(歴史地理や都市地理)から弘前を読み解く方は少ないと感じております。それ故でしょうか、市内の史跡や観光地にある展望図には、大変残念なことに間違いが認められます。弘前の地理力を向上させたいとの願いをもっております。今回の「ブラタモリ」弘前編放送を記念して、関係各所は大々的にキャンペーンを行ってもよいぐらいなのですが、妙に冷めた空気を感じています。これも私に言わせれば、地理力が低いのかもしれません。残念なことですが、そう思えてなりません。

Twitterで禅林街や南溜池などの話を綴っております。宜しければ、どうぞ見てやって頂けましたら幸いです。長々と失礼致しました。

Twitter:
https://twitter.com/HirosakiTWR

広瀬寿秀 さんのコメント...

コメントありがとうございます。番組内容については、わかりませんので、今回のブラタモリ弘前でどの程度、地理的視点から弘前を読み解いているかわかりません。ただ得意の坂や地層的な考察はあると思いますので、ご期待ください。
せっかくのチャンスですので、もう少し弘前市の方も活用すればいいのですが、どうも下手な様です。さらに街歩きの切り口も単に歴史的な視点だけでなく、地理的、地学的な視点もあるので、そうした方面からの観光誘致も可能でしょう。
弘前は町としていろんな点で、おもしろいところですので、こうした番組をきっかけに全国の人々から関心をもたれれば、うれしいことです。

弘前タワー さんのコメント...

お返事を頂きまして、どうもありがとうございます。

先生のおっしゃるとおりだと、私も思います。せっかくの好機なのですから、市は部課の垣根を越えて、シティプロモーションに活用して欲しいものです。

「ブラタモリ」で、地形の境目に注目するのが好きです。弘前の旧城下町地区で、今日の都心部に近い所では、西川岸町から田代町にかけての坂(トーオー楽器前)が良いかもしれません。地形区分では弘前台地の末端から土淵川谷底平野(氾濫原)の境目を歩くことができます。そこから階段で蓬莱広場へ上り、「中三の建物は縄文土器の…」などと説明をしたり。そして、埞町とも呼ばれた土手町の紹介と、その地名由来を陰影彩断図を使って説明を。土手町から元寺町方面へと進み、いよいよ弘前城跡へ。

空想が尽きません(笑)。弘前の高低差が上手く紹介されればいいなと思います。来月の放送が楽しみです!

広瀬寿秀 さんのコメント...

かなりいい所ついています。詳しくはコメントで公開できませんので、下記アドレスにメールください。

hiroseorth@yahoo.co.jp

kuma さんのコメント...

いいなぁ、と本気で思います。県南はないだろうなこの先も(笑)まずは、すごいすごい。

広瀬寿秀 さんのコメント...

コメントありがとうございます。ただ折角の機会をどう活用するか、ここが津軽人の弱いところ、下手なところです。
なにしろネギが高く売れると、次の年は一斉にネギを植え、値がが下がるという土地柄ですので。