2025年6月5日木曜日

不動産Gメン滝島

 


最近は、YouTubeでよく「不動産Gメン滝島」というチャンネルをよく見ている。ワンルームマンションのリスクや、不動産売買のからくりなどがわかり勉強になる。テレビ、漫画で有名な「正直不動産」は、どちらかというと不動産屋の取引の闇を描いたものであるが、このチャンネルは不動産を売買するにあたり必要な基礎的な知識を知ることができる。

 

私たちの世代は、あの狂乱のバブルを体験したため、土地、不動産は財産、資産だという感覚が非常に強いが、このチャンネルの滝島さんは断定する。「一戸建て、マンションは買うな。なぜなら投資物件、資産にならないからで、できれば賃貸に住むのを勧める」と言っている。よく賃貸で毎月払う家賃を払うくらいなら、一戸建て、マンションを買った方が最終的には資産になるという。これは嘘だと滝島さんはいう。

 

一億円の一戸建ての住宅を買ったとしよう。まず東京のケースでは6000万円が土地代、4000万円が建築費となる。6000万円で30坪の土地だと、坪200万円、板橋、練馬区くらいとなる。そこに坪120万円の30坪の住宅を建てると、1億円くらいとなる。金利1.5%で35年の住宅ローンを組むと、月々31万円の返済となる。35年後、返済が終了して、売却を考えると、建物の価値はゼロ、土地代のみの評価となる。それまでの支払った金額は住宅ローンが1.3億円、固定資産、都市税などは変わってくるが、それでも初年度は年間140万円、35年では3000万円くらいはかかろう。さらに火災保険料も総額で500万円、また修繕費もかかるので、全部合わせると1.8億円くらいとなる。現在、坪200万円、30坪の土地、6000万円が、35年間で1.8億円になるかということである。30年前の東京都の土地公示価格は50万円/mm2、今は49万円/mm2とほとんど変化していない。ということは東京でさえ、35年後の地価が3倍になる可能性は少ないといえよう。もし地価が変わらない場合、一億円の一戸建て住宅を売った場合、1億2千万円のマイナスとなる。賃貸で29万円の物件を35年間住むのと同じとなる。板橋区で4LDK90m2のマンションが借りられる。将来起こり得る地震のことを考えると必ずしも賃貸も悪くない。

 

これは東京のケースで、地方ではさらに状況はひどい。坪10万円、100坪に40坪の住宅を4000万円、計5000万円で一戸建てを建てたとしよう。東京と同じように計算すると月の支払いは15.3万円、税金、火災保険、修繕費などを加えると35年間、総額で7000万円以上の支払いとなる。これを35年後に売ると、仮に土地価格が変わらないとすると1000万円、6000万円以上の損失となる。弘前の場合で言えば、新築のマンション、90m2の賃貸料が12万円くらいなので、こちらの方がはるかに安い。新築するより確実に賃貸の方が安くつく。

 

「不動産Gメン滝島」で強く強調しているのは、投資不動産はかなりリスクがあり、ワンルームマンション投資は100%失敗するし、その他のアパート投資もリスクが多いとしている。さらに東京はまだ投資した土地価格(キャピタルゲイン)が上昇する可能性があるが、地方では人口減少でそうした可能性は少なく、地方の不動産投資は必ず失敗すると指摘している。

 

バブルの頃、土地神話の感触がまだ残っている我々世代は、土地は資産という考えが染み付いているが、人口減少、東京への一極集中化という現実を考えると、住宅、マンション購入についてもよく検討すべきであろう。家賃を一生払い続けるなら、家を買った方が良いという考えはもはや過去のものであるようだ。また欧米のように中古住宅、マンションもこれから主流になる可能性もある。


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