2025年2月2日日曜日

買取業社の査定


 

           大橋歩さんの原画 ピンクハウス 査定0円

   

1940年代のイラン、セネのキリム 査定 5千円


最近は断捨離のために、コレクションの一部を処分しようと思っている。そのため、検索でヒットした無料買取に写真を送って評価してもらっているが、これが厳しい。

 

大橋歩さんの原画を数年前にヤフーオークションで購入した。無料で鑑定ということで写真を添えて送ると、すぐに算定結果が送られてきた。「掲載されている本も一緒なら2千円、本がなければ引き取れません」ということだった。掲載している本、「すべてが好き 大橋歩のファッション・イラストレーション集」(文化出版、1990)の古書購入価格が2000円なので、算定額はゼロ円ということでお断りした。この本の後書きで、大橋さん自身が“用ずみ原画再登場”のタイトルで、原画は基本的に売らず、出版社とのやり取りの中でなくなるものがあることを嘆いている。この絵は、この本に載っていたことから1990年以降に流出したものだと思うが、あまり大橋歩さんの原画が世間に出回らないであろうと購入した。若者にも人気のあるイラストレターで、メルカリで小さな版画が12500円、54300円で、またドーロイングコラージュが40000円、で売れている。好きな人であれば、4、5万円では売れるかと思い、見積もりをしてもらい、その10%、5千円くらいで引き取ってくれるかと思っていただけに、評価額〇円はショックだった。同様に趣味で集めていた1940-1950年代のイランのキリムも無料鑑定に出してみた。どちらも5千円という査定であった。いずれも購入費は20万円くらいしたので、多分、日本の絨毯業社がイランの店舗に行って、これが2、3万円なら仕入れるだろう。

 

古書店、骨董店の感覚で言えば、できるだけ購入価格を抑えて高く売りたい。なかなか売れないものだけに、売値の10%以下で買いたいのはよくわかるが、流石にゼロ円ということは売れないと判断されたことになる。友人に言うと、メルカリに出品すれば、もっと高く売れると言われたが、面倒なので好きな人にプレゼントした方がマシなくらいである。

 

二年前に、1976年に購入したロレックスのオイスターパーオペチュアルを5社同時に鑑定というサイトがあり、写真を送った。これもすぐに返事が来て、最初のサイトが20万円、最高は40万円で算定され、驚いたことがあった。1976年に購入したときに価格が10万円だったので2、4倍に上昇したことになる。おそらく引き取りして店頭に出すとすぐに売れるので、引き取り価格が高いのだろう。また店により20万円から40万円という価格差もびっくりした。おそらくは、実際に一番高い店に時計を送り、実際に見てもらった上で、算定してもらうと、いろんなクレームがあり、かなり値段が下がるのだろう。

 

知り合いの中古家具屋さんに行っていろんな話をするが、このオーナーは直接にヨーロッパに仕入れに行って、購入して、コンテナの一部を借りて日本に輸送する。例えば、北欧の陶器を日本で5万円で売りたいと思っても、そんなに売れる商品でなく、数年売れないこともある。そうすると仕入れ値は5千円、多くても1万円以下でなくてはいけないが、デンマークに行っても、蚤の市、あるいは問屋のようなところに行っても、そこの店はデンマークの人から引越しなどで不要な商品を買って、それに利益を載せて売る。ここでもそれほど売れる商品でないので、仕入れ値の5から10倍の価格で売ることになる。つまり元の仕入れ値が500円のものをデンマークの問屋は5000円で、日本人のバイヤーに売り、それを日本で5万円で売るということになる。つまり仕入れ値の100倍で売ることになるが、実際にこうした商品はかなり少ない。その点、古書店は直接、本の持ち込む人から一冊50100円で買って5001000円で売れるので、仕入れは容易である。逆に難しいのは、古着屋で、これもアメリカなどでじっくり買い付けを行えば、仕入れ値の利益を載せても安く売ることができ、安ければ客が買ってくれるということになるが、間に問屋を入れるようになると、これも小売値が高くなり、売れなくなる。

 

趣味で購入したものは、一生、持ち続けるか、誰かにあげた方がよほど良い。