2021年10月20日水曜日

六甲学院 音楽の本田先生の名曲イントロ試験

カンカン奏曲 タータラタララー



タータタン タ タタタタター 11分過ぎ


              左卜伝 やめてけれ 5分過ぎ


 六甲学院の音楽の本田周司先生は、数ある先生のうちでも、とりわけ変わった先生で、生徒には絶大な人気があった。音楽才能の豊かな先生で、六甲学院の第二校歌に位置付けられる六甲学院賛歌など30曲近い歌を収めた歌集があるが、そのほとんどを本田先生が作曲した。また吹奏楽部の顧問として神戸市、兵庫県でも多くの賞を獲得し、さらに六甲学院創立五十年を記念して長崎で処刑された日本二十六聖人をテーマとした「交響的序曲 長崎への道 第三番」という五十分もの大作を作った。本田先生の影響で音楽の道に進んだ卒業生も多い。

 

 記憶では、高校生になっても本田先生に音楽を習ったと思っていたが、どうやら間違いで音楽は中学3年生までであった。その中学3年生の時に行なったのが、名曲イントロ試験である。授業内容はだいぶ忘れたが、数回の授業で、本田先生が選曲した30 曲ほどの名作曲の一部を一曲、30秒から1分ほどテープで流し、その作曲者名と曲名を覚えさせた。そして後日、その中から20問ほど聞かせて答える試験である。今なら後で、You-tubeで調べれば、簡単に覚えられるが、当時はそうしたものもなく、曲のポイントをノートに記入して覚えていく。スコアーでも書ければ、楽であろうが、そうした才能もなく、例えば、「セルビアの理髪師 序曲」は、当時、流行っていた左卜伝の「老人と子供のボルカ」から“やめてけれ、やめてけれ”と覚えたし、ビゼーの「カルメン 間奏曲」は、“カンカン奏曲、タータララララー”と覚えた。またハイドンの「トランペット協奏曲」に至っては“タータタン タ タタタタター”という暗号のようなもので記載され、家に帰って見ても全くわからない。当時、ソニーレコードからクラシック名曲100選という名曲のさわりだけをまとめたレコードがあり、購入したものの、本田先生の選曲にはあまり有名でない曲もあり、こうしたレコードに入っていない。

 

 それでも何とか覚えて、本番の試験はかなりいい成績であったと思う。その後、何かの折に、この時に覚えた曲が脳裏によぎり、なかなか忘れない。大学に入って、一時、音大の女学生と付き合ったことがあるが、曲を覚えているために、全くクラシックを聴いたことがない私でも話が通じたし、弘前に来ても流れている音楽を聴いて題名を当てたことから弘前交響楽団のメンバーから感心されたこともある。

 

 今回、こうしたこうもあり、32期のフェイスブックで本田先生の名曲イントロ試験にでた曲を同級生に聞いたところ、いっぱい出てきた。他の同級生も50年以上経つのに未だに覚えているのだろう。一応、未確定のものも含めて下に挙げてみる。

 

 

1.     シャブリエ 「狂詩曲 スペイン」

2.     プロコフィエス 交響曲「キージェ中尉」

3.     ロッシーニ  歌劇「セビリアの理髪師」序曲

4.     ビゼー 「カルメン」間奏曲

5。 ハイドン 「トランペット協奏曲」

6.     コダーイ 組曲「ハーリ・ヤーノシュ」II, 音楽時計

7.     ドボルザーク 交響曲「新世界」

8.     サラサーテ 「チゴネルワイゼン」

9.     スメタナ  「わが祖国  モルドワ」

10.モーツアルト 歌劇「フィガロの結婚」序曲

11.バッハ 「G線上のアリア」?

12.チャイコフスキー 「1812年」序曲?

13.シューベルト ピアノ五重奏「ます」?

 

 手元にある中学1年、2年、3年の通知簿を見てみると、3学期の音楽の成績は99点、100点、100点と信じられない点数がついていて、おそらく本田先生のこと、全生徒に99から100点をつけたのだろう。優れた教育とは、生徒の記憶に残る教育であり、こうして50年経っても今だに忘れていない試験は、優れた教育であり、本田先生は優れた教師なのだろう。

 

これ以外にも本田先生の名曲イントロ試験の曲があると思うので、是非、お教えください。


 

2021年10月14日木曜日

一千回のおやすみを

 



 最近はネットフリックスのドラマを見ることが多い。その中でも最近、一番気に入っているのは台湾ドラマ「一千回のおやすみを」という番組で、エピソード20回のうち、まだ半分くらいしか見てないが、続きが待ち遠しい。

 

 私は昔から台湾が好きで、コロナ禍が終了すれば真っ先に行きたい国である。友人も多く、鹿児島大学歯学部矯正歯科講座にいた時の同級生が苗栗市におり、大学院生で当時親しかった先生は台北市に、そしてアメリカ、シンシナティー美術館の友人も、今はアメリカ国籍だが、元は台北市出身で、故宮博物館に勤めていた。また現在、土曜日に研修に来てもらっている先生は台中市の出身である。

 

 最初、候孝賢監督の「非情城市」から台湾映画のとりこになり、彼の監督作品を全て見たし、そのほかにもDVDされ、日本でレンタルできるほとんどの台湾映画は見た。一昨年に、青森から台湾へ直行ツアーがあったので、家内と一緒に参加し、台北市に住む先生に案内されいろんなところに行ったが、どこもいい思い出になった。ただ残念なことに、苗栗市に住む友人はちょうど娘さんがアメリカの歯科大学を留学し、その卒業式のために渡米していて、会えなかった。今度は是非とも会いたい友人である。

 

 こうした少し台湾フリークの私の目にとまったのが「一千回のおやすみを」である。まず映像が本当に綺麗で、画質のあまり良くない回線で見ているが、それでも風景画像は息をのむほど美しい。4k画像で見れば、すごい映像であろう。番組は台湾各地の隠れた名所を電車で訪れ、亡くなった駅長が叶えたかった望みを娘が叶えるというものであるが、その合間に綺麗な風景がドローンなどを使って映される。

 

 内容について、あまり詳しくは言えないが、韓国ドラマのようなドロドロしたものではなく、悪い人間は登場しない。父と子、夫婦、友人、姉妹、兄弟の葛藤を丁寧に描き、それを美しい言葉で解決していき、ドラマの流れとしては日本の小説家、宮本輝の小説を彷彿させる。亡父の手帳と地図を手掛かりに、彼の望みを推測して、叶えていく過程で、娘は成長し、旅行を通じてある男性に次第に惹かれていく、このへんの感じは、なかなか宮本輝の作品でもうまく描かれないが、こうしたドラマの方が向いている。ネットフリックのドラマはテレビと異なり、かなり映画に近いもので、内容、画像を2時間の枠に囚われすに撮影したもので、カットカットが長く、テレビ、映画的には無駄なシーンも多いが、本作品ではこうした自然描写の長いシーンが美しく、画像の悪くても立体的に見えるのがすごい。

 

 ただ設定として、主人公の父は十分—幸福駅の間の小さな駅の駅長をしているが、それにしては一家はおしゃれな家に住んでおり、近くに日本料理店や音楽大学などもあり、一家はどうも台北市に住んでいるようである。そうなると毎日、ここまで通勤しているのかという疑問を生む。ただ家から駅舎に歩いて行くようなシーンもあり、どうも設定が理解できない。

 

 それほど、アップダウンのある内容でなく、面白さを期待する向きには少し退屈なドラマかもしれないが、是非とも台湾好きの人には見て欲しい内容である。これを見れば台湾は日本以上に山国だということがよくわかる。


ps:「自転車泥棒」(呉明益、文春文庫)という台湾作家の小説を読んだ、。古い商業用の自転車が主役の面白い小説で、日本ではほとんど見かけなくなった荷台に30kg以上のものを積み、ブレーキワイヤーも鉄製のものを使ったマニアックな自転車が登場する、そう言えば、「一千回のおやすみを」にもそうした古い商業用自転車が登場する。日本でもロードバイクを中心に、イタリア、フランスのビンテージ自転車マニアがいるが、少数で、さらに日本の商業用自転車を収集し、整備している人はもっと少ないだろう。


2021年10月11日月曜日

文在寅の韓国


 

 隣国の韓国を見ていると、本気で北朝鮮と合併しようとしているとしか見えず、怖い。流石に韓国でも北朝鮮の悲惨な状況は熟知していると思うが、そんな北朝鮮に逆らえない、あるいは媚びを売る大統領に、通常であればかなり反対すべきなのだが、文大統領を支える反日左翼シンパはますます北朝鮮よりになっている。在韓米軍を撤収させ、本気で北朝鮮との高麗連邦国家を目指している。20世紀は社会主義、共産主義の時代であったが、1991年のソビエト崩壊を境に、ほぼ共産主義、社会主義の幻想はなくなり、21世紀になるともはや共産主義は過去のものとなっている。ヨーロッパの共産党はほぼ消滅し、日本でも年配の方以外に共産党のシンパは減少しているし、中国、ベトナムなどももはや資本主義と呼んで良い。純粋な共産主義の形態を、ただ極めて皇帝的な独裁主義であるが、維持しているのは北朝鮮だけである。

 

 北朝鮮に住む国民は飢餓に苦しみ、人権も世界でもっとも軽視している国であり、内容は最悪の独裁国家である。通常ならこうした国は排除すべき国であり、まともな感覚からすれば、ましてや同じ民族からすれば、一刻も早く北朝鮮の国民を救おうと考えるはずである。ところが文大統領を支えるシンパはこうした北朝鮮を絶賛している。異常としか思えない。

 

 日本でも一部の社会主義者が、自民党政権に反対し、共産国家を夢見ている。彼らの幻想は、全国民が平等で、幸せな国にするというもので、そのモデルは、スターリン時代のソ連、毛沢東時代の中国、キューバ、北朝鮮である。私は今の日本の生活を捨てて、こんな国に行きたいとは思わない。ただ社会主義者はこうした国を目指している。日本で言えば、日本共産党と旧社会党残党の最終目標は、日本を中国の衛星国にすることである。日本のマスコミ、ことに新聞社にはこうした思想を持つ人は多くはないが、驚くことに韓国では大統領から政府、マスコミ、そして大統領を支持する国民がこうした思想を持っている。

 

 こうした韓国の状況の中で、軍事的に恐ろしいことがある。韓国における、原子力潜水艦の開発とSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)の成功である。どちらも北朝鮮を対象としたものでもないし、中国を対象にしたものではない。というのは韓国にとって北朝鮮、中国は隣国であり、何も潜水艦からミサイルを発射する必要はないし、核兵器でないミサイルを水中から発射しても何の意味もない。また原潜のメリットは、海に潜ったまま、敵に隠れてミサイルを発射する秘匿性であり、北朝鮮と陸続き、近傍にある中国に対してこうした装備は全く必要なく、アメリカなど、さらに離れた国と敵対する場合に有効となる。それゆえアメリカは韓国の原潜製造に断固反対し、その保持は認めないはずだが、ただ北朝鮮と一緒になると、この国はプライドだけが高いので、核兵器と原潜を作るであろう。また近年。韓国では宇宙開発に積極的に乗り出し、液体燃料ロケット「ヌリ」や、固形燃料ロケットの開発を行っている。これは将来的にはICBMにつながるものであり、その情報、部品がいつ何時に北朝鮮に渡る可能性がある。

 

 中国としては、核兵器を韓国から中国に向けられるのは怖いが、その矛先を日本、アメリカに向けることは大賛成で、もともと中国の属国であった朝鮮は、北朝鮮と韓国が統一しても、同じような傾向を示すであろう。つまり統一朝鮮はICBM, SLBM、核兵器を持ち、中国の属国となって日本、アメリカに対立する前線となろう。

 

2021年10月8日金曜日

矯正用プライヤーの滅菌、消毒

 

プライヤーラック、こうしたラックを患者ごとに替えているところもある

プライヤーラック

午前中の準備、治療内容により基本セットを用意する

マルチブラケット装置撤去用の基本セット(+プラケット撤去鉗子)

マルチブラケット用の基本セット



 コロナ禍により、政府から各種の補助金が出たので、私の診療室でも色々と滅菌、消毒関係の工事を行なった。開業当初の滅菌、消毒室は不十分な点があったための、この機会に全て改装し、新しくした。また手洗いの水栓もオートのものに変えた。他にも細々なことも改善し、まずますのものとなった。

 

 もともと鹿児島大学歯学部附属病院歯科矯正科では、伊藤学而教授が矯正治療における滅菌、消毒に関心があり、私が入局した時ですら、その前にいた東北大学歯学部附属病院、歯科矯正科よりかなり進んでいた。まずプライヤーについて、東北大学病院ではプラスティックのラックに20種類くらいのプライヤーを立て、使用した後はアルコール綿で拭いて。次の患者さんに使った。こうしたやり方は多くの大学病院、あるいは矯正専門医でも普通であった。ところが鹿児島大学附属病院では、まず基本セットとして、アルミトレーにミラー、探針、バードピークプライヤー、ホープライヤー、エンドカッターとブラケットオープナーという構成であった。ブラケットオープナーというのは、今ではよく見られるセルフライゲーションブラケットの最初のもの、エッジロックというブラケットのシャッターを開くものである。これらが1セットとなり、当日使用するセット、例えば、50セット必要なら、前日にそれを用意して、中央滅菌室で滅菌してもらい、外来に持ってきてもらう。

 

 ほとんど全ての治療はこの3本のプライヤーと行う、ワイヤーをベンディングし、結紮線で縛り、エンドーを切り、曲げる。ワイヤーにループを曲げるとなると、曲げるループによって、様々なプライヤーがあるが、それらの使用は禁止され、バードピークプライヤーのみで曲げる。また結紮する場合もタイングプライヤー、リガチャープライヤーを使えば簡単であるが、全てホープライヤーを使って結紮する。最初は先輩の魔法のような結紮手技に感嘆するが、慣れれば全く問題ない。さらに基本的にはスタンダードではなく、ストレートワイヤーテクニックなので、あまりトルクを入れることもない、どうしても必要な場合のも、袋ごとに滅菌しているツイードプライヤーなどを使う。ただワイヤーやゴムについては、患者ごとに替えるディスポ製品なので、これらは滅菌していない。先生によってはガス滅菌でこれも滅菌している先生もいるが、環境汚染のことからガス滅菌は勧められない。

 

 プライヤー類を全て滅菌するためには、一種類のプライヤーをかなり多く揃える必要がある。当院での基本セットは、ミラーと探針、片方にスケーラー、片方にミニプッシャーがついたインスルメント、舌の落ちたワイヤー、結紮線を取るためのピンセット、そして4本のプライヤー、バードピーク、ホー、エンドカッター、ピンカッターの計8本の器具となる。この基本セットを、それぞれ20セットくらい用意しているが、プライヤーだけで80本、さらによく使うヤングプライヤー、ツイードプライヤーは10本、バンド撤去プライヤー、プッシャー、ブラケットリムバーはそれぞれ5本、一個ずつ滅菌パックに入れてオートクレーブにかけて準備し、必要な場合は袋から出して使用する。これをプラスティックのカラートレーに紙を敷いて、その上の並べ、例えば午前中に8人のマルチブラケットの患者がくれば、8つのセットを用意する。また経過観察患者の場合はミラーと探針、保定装置の患者では、ミラーと探針、そしてヤングのプライヤのセットとなる。バンディングの場合はミラー、探針、プッシャー、バンド撤去プライヤーとなる。こうしたセットはその日の予約簿をみて朝に用意して準備しておく。土曜日など、患者の多いときは、短時間タイプのオートクレーブで足りない分の基本セットを準備しておく。

 

 当院ではマルチブラケット治療用の基本セットはこれ以上、小さくできないが、鹿児島大学矯正科の場合は、セルフライゲーションブラケットを使うことで、ピンカッターと結紮線を折り曲げるミニプッシャーが必要なく、ピンセットもなくせば、プライヤーはバードピーク、エンドカッター、ホープライヤーの3本、その他の器具はミラー、探針、オープナー3つの計6本と2本、削減できる。022のスライディングメカニズムであれば、ワイヤーのループを曲げることも少なく、エンドカッターとホープライヤーの2本で済むかもしれない。アメリカにような1日に100人も200人も患者が来る場合、こうしたプライヤーの種類を減らすことは大きなコスト減となる。

 

 ただこうしたプライヤーを患者ごとに交換するシステムは、出身大学のシステムに関係する場合が多く、欧米のクリニックや大学を見ても、円形、透明のラックの多くのプライヤーを入れて、使ったものをアルコールや他の消毒剤で拭いただけで再びラックに戻すシステムを取っているところがある。以前、秋田に転医した患者さんから、転医先の診療所で、プライヤーの使い回しがあり、汚いので他のところに紹介してほしいという電話があり、案外、こうしたことも患者は見ているようで、患者ごとにプライヤーを替える方向性になってほしいものである。

 


2021年10月4日月曜日

電動アシスト自転車

 



 ここ数年、ヤマハが開発した電動アシスト自転車が、E-bikeとして欧米から逆輸入されるような形で、世界的に人気が出ている。ヤマハが世界で最初の電動アシスト自転車を販売したのが1993年で、小さなモーターとバッテリーで、坂道などで自転車を漕ぐのを手助けする自転車であった。その後、普通の自転車に比べて高かったこともあり、日本で主としては体力の落ちた中高年に売れた。通常のいわゆるママチャリのデザインで、若者向けのものではない。

 

 2000年を過ぎる頃から、地球温暖化が騒がれるようになり、脱炭素化の一環としてヨーロッパでは、自転車による移動が見直されるようになり、街中への自動車の進入禁止が行われるようになり、それに伴い、自転車道の整備、鉄道への自転車の持ち込みなどを行われるようになってきた。こうした動きに、若者は敏感に反応し、それまで職場に自動車で通っていたのを自転車で通うようになり、一時は廃れていた自転車が徐々に人気が出てきた。

 

 日本でもこうしたヨーロッパでの、自転車人気がブルータスなどのお洒落雑誌で紹介されるようになり、折り畳み自転車やロードバイクに人気が出たのがここ十年くらいで、弘前でもレーシングウエアーをきたサイクリストがロードバイクで走っている光景が普通に見られるようになってきた。新たな自転車ブームである。この流れは一向に収まる気配はなく、自転車フレームも、クロモリからアルミ、そしてチタンやカーボンに向かい、今またクロモリも見直されている。また20年前は荒れ地を走るマウンテンバイクの人気が高かったが、ここ十年は軽くて早いロードバイクあるいはクロスバイク、そして折りたたみ自転車も人気が高い。

 

 こうした流れの中で、一つの事件が起こった。ある自転車レースで、電動アシスト自転車を用いた、メカニカルドーピング事件が起こった。外観からはほとんど分からないほど、小型、軽量化されたのである。元々はヤハマが開発したシステムであるが、特許が切れたのか、ドイツのボッシュなどが小型で優れたモーターを開発し、こうした機械を用いた若者向けの電動アシスト自転車が販売されるようになった。ここ数年のことである。最近ではバッテリーの小型化からフレーム内にバッテリーを挿入し、予備バッテリーをボトルホルダーにつけるようになっている。日本では上限のスピードが25kmにリミットがかかっているが、外国ではそうしたリミットがなかったり、さらに高い速度となり、そのスピード感も若者に人気があった。

 

 さらにこのコロナ禍で、気分転換のために外で自転車に乗るという人が増え、その流れの中で電動アシスト自転車の人気が出てきた。アメリカのキャノンデール、トレック、スペシャライズド、台湾のジャイアントなどが、かっこいいE-bikeを販売しているが、発明者のヤマハが完全にこうした時代の流れに乗り遅れ、部品メーカーのシマノのモーターもパッとしない。

 

 私もこの歳になると自転車で坂道を登るのはかなりきつく、できればE-bikeが欲しいと近くの自転車に行ったが、びっくりするほど値段が高い。とりわけかっこいいスペシャライズドのe-bikeは人気があるのか、最近まで38万円くらいのものが、今年は45万円と7万円くらい値上げしている。本体だけなら10から15万円くらいの自転車だが、それにモーターとバッテリーをつけて3倍くらいの値段で売っている。ピナレロやビアンキのロードバイクでも45万円くらいのものとなると、カーボンフレーム、シマノの高級パーツで組んだ自転車が買える。また45万円あれば、125ccのオートバイが買え、例えば、ヤマハの3輪車、トリシティ12542万円なので安い。流石に、電動アシスト自転車が125ccバイクより高いのはどうかと思う。

 

このところ、e-bikeは売れるためか、欧米の会社がかなり強気の値段をつけている。そうした目から見ると、国産のヤマハのYPJTC33万円くらい、また台湾のGiantEscape R X30万円くらいで、いずれもかなり高いし、重量もあるが、それでもお得感がある。

2021年10月3日日曜日

高校生の一人旅の勧め



 若い頃はよく一人旅に出た。最初の一人旅は、高校二年生の時で、当時の家庭教師から、一人旅に行ってこいと言われ、夏休みの終わり、8月末に沖永良部島に行った。学校が始まるので、この時期に旅行は無理だと言っても、どうして学校を休んではいけないのか説明しろと言われると、大した理由も思いつかず、母親もどういう訳かこの無茶苦茶な家庭教師の提案に乗り、行ってこいと勧める。こうなると意地で「だったら行ってやる」と、それも「離島に行ってやる」と言ってしまった。当時の離島と言うと本土復帰になった沖縄、そして与論島が若者に人気があった。そこでポートタワーのある神戸港に行き、船便を調べていると、沖永良部島という不思議な島に行く船便があり、42時間かかるという。与論島もいいが、この際は全く知らないところもよかろうと、急遽、沖永良部島に行くことにした。一番安い二等船室の切符を買い、船に乗るとしばらくは揺れもそれほどなかったが、外海に出るとすぐに揺れだし、それこそ42時間、ほとんど食べずに寝ていた。それでも幾分気分の良い時は、同室の3名の大学生と一緒にいろんなことを喋った。向こうも高校生のひとり旅に興味があったのか、同じ民宿に泊まろうと勧められ、そのまま3日間ほど一緒に行動した。レンタカーに乗って、島のあちこちをまわったが、地元の高校三年生の女子と親しくなり、穴場の海水浴場で一緒に泳いだりした。帰りはそのまま神戸に帰るのはもったいないので、奄美大島で船から降り、一泊することにした。旅館の人が、高校生の一人旅、それも夏休みが終わっての宿泊を怪しみ、自殺するのではないかと何度も部屋も見にきたりした。旅館近くで、盆踊りをしており、これは面白かった。


 その次は、大学一年生の時に、兄がいた信州の塩尻に一人で行き、ここを起点に松本、上高地に行った。たまたま親父が購入していた古い「旅」という雑誌に信州、聖高原というところがいいと書いていたので、電車で姥捨というところまでいき、そこからバスで聖高原に行った。ところが、記事とは全く違い、そこは全くの別荘地で何もないところであった。どうやら読んでいた「旅」が十数年前のもので、様変わりしていたのである。それでもあちこち見て、帰ろうとすると帰りのバスの最終便がすでに出ていた。すでに夕暮れ、トボトボと道を歩いていると、車が来る。この時は、テレビで見た指を立てヒッチハイクの真似事をしてみると、地元の若者が乗る車が止まってくれ、姥捨駅まで送ってくれた。


 その後は、インド、中国、山陰、などあちこち、一人旅行したし、大学卒業後は仕事がらみで全国、ほとんどの県に一人で行ったが、高校生の最初に行った一人旅ほど、楽しくて、記憶に残る旅はない。一人旅の醍醐味は、全く知らない世界に入っていく恐怖とそれを乗り越える達成感で、始めての旅行では、船便の切符を買うのも初めてだし、旅館を探し、泊まるのも初めて、見知らぬ人に喋るのも初めてと、全ての経験が初物づくしとなる。それまではこうしたことは親や周囲の人がやってくれ、自分では何もしていない。ただこうしたことも2度目、3度目となると慣れてしまい、それほど負担に感じられなり、その分あまり記憶に残らなくなってしまう。


 「可愛い子には旅をさせよ」とはよく言ったもので、昔は国鉄の周遊券なるものがあった。ワイド周遊券では北海道に20日間は、急行、特急電車に乗らなければ、どこにも行けた。最悪の場合は、駅で寝泊まりすれば、食事代以外にはお金がかからない安い旅行ができた。高校の頃もこうした周遊券とユースホステルを利用した一人旅も流行っていた。今の若者はどうだろうか。高校の頃のひとり旅は、人間を成長させると思うので、親も多少は費用を出して、子供に旅をさせたら良い。

 

 


 

2021年10月2日土曜日

youtube で動画をアップする先生


 暇なのでyoutubeで公開されている歯科矯正関係の動画をよく見ています。大きな特徴があるので説明します。

 

1.     矯正専門医が登場することが少ない

 矯正治療を紹介する多くの動画、ことにインビザラインを紹介する先生は、いわゆる矯正専門医ではありません。多くは一般歯科治療もする一般歯科医です。もちろん矯正歯科専門医でないと矯正治療をしてはダメだと言うことはありません。ただ動画で説明する内容に関しては、矯正歯科専門医からすれば少し問題があるのは事実です。実際、知人のベテランの矯正歯科医で、you-tubeに動画を挙げている先生はいません。矯正歯科専門医の多くは、大学の矯正科の医局で、多くの文献を読み、研究を行い、先輩から指導されて矯正治療を学びます。少なくとも日本矯正歯科学会の認定医を持っていますので、七年以上はこうした指導機関で学んだことになります。

 普通に考えれば、精神科の医局、病院で専門教育を受けていない、学会にも入っていない内科医が、動画でうつ病、統合失調症の説明をしているようなものです。それもこの薬、この体操をすれば治るといったエビデンスのない内容です。

 

2.     矯正治療をした患者さんの動画では最後まで終了しない

 矯正治療始めましたとyou-tubeに動画を載せたり、ブログに掲載したりする患者さんがいますが、どういうわけか途中で更新が終わっている場合があります。おそらく治療内容に問題があったり、他の人から指摘があったのでやめたのでしょう。歯科医側からの紹介はうまくいった症例を出せばいいのですが、患者側からの動画は、必ずしもうまくいくわけではありません。中にはうまく治療が成功したと報告しているものもありますが、おそらく模型、レントゲンを用いた評価では、いくつかの問題点が見つかると思います。インビザラインの症例では、セファロ写真や模型も取らないところが多いので、治療前後の評価もできません。ことに口腔写真からの評価は非常に難しく、一見、小臼歯、大臼歯部が横からの写真では綺麗にかんでいるように見えても、舌側から模型を見れば舌側咬頭が全くかんでない症例があります。これは失敗症例です。

 

3.     動画の多くは広告、あるいは院長が目立ちたい

 あたり前のことですが、こうした治療法を紹介する動画を作る目的は集客です。動画を見て、自分の診療所に来てもらいために動画を作っています。実際の治療は、地味なもので、成人の矯正で言えば、小臼歯の抜歯ケースが多く、唇側、舌側にブラケットをつけて約2年間の治療を要します。その間、月に一回の通院が必要で、治療後も保定が必要です。また舌側矯正に関しては、唇側矯正より難しく、先生による力量の差があります。また症例による両者の得意不得意は多少ありますが、全ての症例が適用となります。一方、インビザラインについてはかなり適用が広がってとはいえ、まだまだこの治療法では治らない症例があります。また小児を対象とした床矯正治療は、この装置だけで理想的な咬合を得ることは難しいと思います。

 なぜ矯正治療を紹介する動画の多くが広告かと言うと、日本でもトップクラスの矯正歯科医は、患者が多くで捌き切れないのが現実で、実際に患者制限をしているところもあります。また年齢のため、あまり多くの患者を見たくないと言う先生もいますし、先生によっては医院のホームページも作っていない先生もいます。Youtubeに動画をあげる必要が全くないし、場合によっては学会で動画内容をチェックされ、認定医、指導医の資格剥奪となります。予約の取れないレストランが広告しないのと同じですし、黙っていても売れるロレックスが宣伝しないのも同じです。

 

 患者さんによっては、こうしたyou-tubeでしっかりと知識を溜め込んで、来院され、細かく質問する方がいます。特に厄介なのは、不正咬合あるいはかみ合わせと顎関節症の関係を強調する歯科医の動画です。こうしたことをいう歯科医は、ほぼデタラメの歯科医で、言うだけです。実際に重症な顎関節症患者が来れば、矯正治療も含めて色々な治療をして、莫大な治療費を請求しますが、治らなくても全く責任を持ちません。同様に昔は小児の床矯正、今は成人のインビザライン治療が、You-tubeなどの動画やホームページで宣伝され、それにつられて治療したがうまくいかなかった患者が増えています。ぜひ、you-tubeで動画をみて治療したくなっても、その医院のホームページを見て、ドクターの経歴を見てください。大学の矯正学講座に在籍していない、認定医の資格を持っていない先生は注意です。そもそも経験も技術もある矯正専門医を差し置いて、若い先生がこうした動画を流すこと自体、傲慢な行為で、ある意味、変な自信過剰、鈍感な人なのでしょう。普通の先生であれば、恥ずかしくて動画をアップできないでしょうし、また何かあれば、例えば、正中を合わす、かみ合わせが重要だと動画で言えば、それを達成できなければ、嘘をいったことになり、のちにクレームとなります。途中で動画をやめても、患者はその動画をコピーしており、後で訴訟になった時はどうするのでしょうか。おそらくこうした動画をアップする先生は、視聴回数が増えると有名になったように思い、それによるリスクについては何も考えていないのでしょう。

 

現在、インビザラインのようなマウスピース型の矯正治療を行なった患者は急速に増えており、ある報告では矯正治療経験者の29%を占めているといいます。1/3近くの患者さんがマウスピース矯正をしていることになります。日本臨床矯正歯科医会の「矯正歯科何でも相談」のクレームを見ても、年々相談件数が増え、その中でもマウスピース型装置によるクレームが急速に増えています。こうした現状から、本ブログでも再三、マウスピース型矯正装置による治療の問題点を何度も書いてきました。本当に気をつけてください。