昨年の12月に歯科医院を閉院したが、今年の1月末までにテナントの契約が切れるので、備品などを撤去しなくてはいけない。うちの場合、3階建ビルの2階と3階を借りていて、2階は主として倉庫、3階が診療室となっている。エレベーターはない。
まず2階には30年分の患者資料があるので、閉院の半年前から家内と衛生士が手分けして、分別をしていった。矯正用カルテには患者情報があるので、これは取り出して、シュレッダーにかける。レントゲンやスライド写真は機密情報、個人情報扱いで、これを少しずつ専用業者にもっていって処分してもらう。さらに模型は頑丈な袋に入れて医療廃棄物として処分する。30年分の資料となると、相当な分量で、かなり時間、費用がかかった。また領収書、保険診療カルテなども5年間は保管義務があるので、箱に詰めたが相当分量があり、とてもマンションにはもってこれず、大家さんに頼んで、ビル横の倉庫に預かってもらうことにした。
A-decの2台のユニットとプランメカのセファロは東京の歯科機械屋さんがタダで引きとってくれたので助かったが、シロナのユニットは地元の歯科機材屋さんに処分してもらうことにした。分解、撤去は、EMSのエアーフローをあげる条件で、無料にしてもらったが、それでも処分は別の業者に頼み、費用はかかる。またろう着器、技工用電気エンジン、オートクレーブ、乾熱滅菌器など、矯正用ワイヤー、プライヤー、ブラケットも含めてりんご箱20個くらいの主として矯正用品ついては、今年の6月に函館で、矯正専門で開業する先生が引き取るということで、地元の歯科材料屋から送った。さらに家具などの備品は知り合いの中古家具屋さん、家内の親戚、保育園に、その他はゴミ廃棄業者に持っていってもらい廃棄した。矯正歯科の場合、患者資料が多く、カルテ、模型、レントゲンなど30年分となると、3000症例以上となり、相当な量となる。私の診療所は3階だが、2階は資料置き場として借り、カルテ用のファイル棚が20くらい、模型用の置き棚が20くらいある。ほぼ3階の30坪くらいが患者資料の置き場となっていた。
通常、テナントの場合、原状回復を大家から求められ、友人に聞くと400万円かかったと言う。ただ私の診療所の大家さんからは基本的には原状回復しなくても言われていたが、レントゲン室だけは撤去を求められたので、これを壊して撤去した。これが大変で、何しろ周囲と上下に鉛を入れているので、骨組みも含めて何しろ重い。エレベーターがないので、これを一階まで運ぶのは大変である。鉛の回収はかなり厳しく、石膏などがついていると持っていってくれないので、綺麗にして一畳くらい大きさの鉛板を巻いて一階にもっていく。おそらく数十キロはあり、全部で500キロ以上あるだろう。これを支える枠組みも重く、撤去はほぼ2日かかった。
他には、コンピューターはリネットに渡せがいいが、光ネットのヤフー、ドコモの機器はいちいち指定業者に宅急便で送らないとダメで面倒である。また生命保険の解約、有料音楽配信の中止、学会の脱会などのいろんな細かい処理が必要となる。
多くのものは、入会は簡単だが、なかなかやめにくくなっている。開業も大変であるが、閉院も費用をかけずにしようと思うとこれはこれで大変であった。幸い多くの方のご協力で、閉院にかかる費用はテナントの敷金の返金で全て賄うことができた。友人からは30年もテナントで開業するなら自分の診療所を建てればよかったとよく言われる。確かに30年の家賃の総額で言えば、そうなるかもしれないが、自分の診療所であれば、ここから解体、売買という流れになる。歯科医院は汎用性がなく、まず撤去しないと売れない。この解体費用が相当かかる上に、東京、大阪などの都市部を除くと地方の土地価格は30年前の半分から1/3になるため、これらの収支も考えておく必要がある。たとえば地方では、30年前に200坪の土地で1億円で歯科医院を開業しても、解体撤去費に数百万円、地方のさらに郊外となると土地価格が2000万円くらいにしかならない、あるいは売れないこともある。
とにかく全て終了してホッとしている。







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