前に私がシンシナティ美術館に寄贈した40点の日本画(掛け軸)のカタログのことをこのブログで述べた。その後、今年の10月8日までシンシナティー美術館のConversations Galleryと言う場所で展示されている。なかなか好評とのことである。
https://www.cincinnatiartmuseum.org/art/exhibitions/special-features/gifts-from-japan/
私のコレクションは、日本ではほぼ無名の人の作品ばかりで、一番多いのが土屋嶺雪、大正から昭和にかけて神戸、姫路などで活躍した日本画家で、橋本関雪に近いモチーフを描いたことと、ほぼ展覧会に作品を出品しなかったことで全く無名のままに終わった。これまで唯一、国内で行われた展覧会は2016年1月11日に加古川市立松風ギャラリー、「播州ゆかりの日本画家3人展 福田眉仙・森月城・土屋嶺雪」で取り上げられたくらいである。館長のAさんにも今回のことを報告すると大変喜んでくれた。ほとんど忘れられた画家が海外のそれもアメリカでも最も古いシンシナティ美術館で展示してくれたことは土屋嶺雪の名誉であるばかりか、その子孫にも嬉しいことである。
また香川芳園については、幕末から明治にかけて活躍した人物で、菊池芳文の最初の師匠で有名な画家で、当時は滋野芳園と名乗っていた。大英博物館、アルバート美術館、シンシナティ美術館にこれまで西山芳園の作とされていた作品について、ホウメイ博士の研究から西山ではなく、芳園平吉輝と言うことになった。ただこうした名前はおかしいし、もちろん美術史でもそんな名前はいない。そこで香川芳園=芳園平吉輝ではないかと言うことで調査し、実際に集めたのが2点と以前の寄贈した4点がある。今後の調査が期待される。
田中蘭谷は千葉県生まれの日本画家で、この人も絵は上手いのだが、ほとんど評価されず、都留市博物館で平成12年に「企画展 田中蘭谷展」が開催されただけである。ほとんど無名の画家であるが、動物画はうまい。前川文嶺、望月玉泉は江戸期に活躍した大阪画壇の画家であるが、今はほとんど評価されていない。立脇泰山、山元春汀は昭和に活躍した画家で、当時は非常に人気のある画家で、今でも山元春汀から改名した山元桜月の富士山の絵は人気がある。一方、近藤翠石は森琴石の弟子で大阪を中心に活躍した画家だが、今は完全に忘れられた画家であり、三浦文治は東京美術学校では期待された人物であったが、新潟で美術教師になったので、同級生の東山魁夷、橋本明治というビッグネームの陰に隠れた。才能は彼らには負けていない。
以上のように、私が寄贈したコレクションは無名の作家が多く、日本国内で、そもそも寄贈を受け入れる美術館はないし、個人コレクションの展覧会も開催されない。
今回の展覧会のカタログは、当初、美術館の経費で作ってくれたものと思っていたが、アメリカの美術館には、公的資金は10-20%しか投入されず、今回のカタログの制作費も、B女史の寄付によった。B女史は、夫婦で、日米協会で積極的な活動をし、何名もの日本人を預かったり、日本文化の普及に努力してくれている。今回の素晴らしいカタログも彼女のおかげで、大変感謝する。ありがとうございます。
今年の10月10日から、上野の森美術館で「シンシナティ美術館展」が開催される。ゴッホ、モネ、セザンヌなど日本で未上陸の作品が見られるので是非いってみたい。またもうすぐ、東京都美術館で「大英博物館日本美術コレクション百花繚乱」が開催される。もし芳園の作品が出品されているならこれも見たい展覧会である。前回に懲りてネット予約の上に行くことにしよう。
インスタでの現地の様子
https://www.instagram.com/p/DaSodB6EaHG/?img_index=12
ちょうど草間彌生展が同時に行われていて、現代日本絵画と比較で見ている






