スイスのUSMハラーのキャビネットがオシャレで、近年、人気がある。私のところでもマンションに引っ越したときにリビングに置くキャビネットが必要となった。北欧の古いキャビネットか、このUSMハラーのキャビネットのどちらにしようかと悩んでいたが、将来、娘が欲しがるものをということでベージュ色のUSMのキャビネットを購入した。
実は、このキャビネットは韓ドラでもよく登場するが、少しだけ違和感があるので、調べてみるとMarket Bという会社のものである。この会社がパクって、正確にいうとデザインの意匠権は消失しているのでリプロダクト品として、価格も本物の1/5から1/6の価格で売っている。若者には人気がある。この会社は、他にも意匠権の切れた名作家具のリプロダクト品を作っている会社だが、年商45億円くらいの中規模会社で、こうした戦略で世界進出を図ろうとしている。
韓国、あるいは中国には、いわゆるパクリ企業が非常に多い。古くは、サムソンは日本の家電を、ヒョンデは各国の自動車をパクリ、お菓子にいたっては日本で売れているお菓子のコピーばかりになっていた。農作物も自分で開発するのをやめてイチゴやブドウなどは日本で開発したものを栽培して売る。さらには日本で流行ると、すぐにそれに追随するようで、パン屋、コーヒショップ、美容院、コンビニも日本風になった。極め付けはサムソンが製薬メーカーに進出しようとしているが、はなから費用のかかる新薬開発を諦め、ジェネリック薬の生産に特化するようだ。さらに将来の輸出産業として軍事品を挙げているが、潜水艦はドイツのもののパクリで、それを韓国製として輸出しようとしている。
なぜこうなるかというと、韓国は成果、実績主義で、結果が出ないとすぐにクビになる。そのため新しいものを開発するよりは、日本ですでに売れているものを改良して売ろうという発想になる。ある韓国の菓子会社の製品開発会議では、日本のお菓子をずらって並べて、どの菓子を真似して売ろうかと検討するようだ。隣国が日本だったのが良かったのか悪かったのかわからないが、常に日本を真似するようになり、そしてその呪縛から逃げられなくなった。新しいことをするよりは日本を真似した方が、失敗が少ないからだ。
それでは日本はどうかというと、最初は韓国、中国同様にパクリばかりしていた。自動車、カメラ、おもちゃ、なんでも真似していたが、そうなると欧米からパクリ商品と言われて安くても輸出ができず、売れなくなった。その後、日本のオリジナリでないと欧米では売れないとわかり、世界最初の物を開発、発明して売っていった。オリジナルを作らないと売れない状況であった。一方、韓国、中国は、日本という先行国があるため、自分で開発するより真似た方が、経営効率がよく売れた。その成功体験がパクリ社会となった。
家具の話に戻そう。日本では宮崎椅子製作所のような小さな家具メーカーでも例えば、カイクリスチャンセンの椅子を復刻製作する場合でも、きちんと契約し、デザイン料を払って製作する、あるいは天童木工のようにブルーノ・マットソンにデザインして製作するという正式なやり方を行う。いずれも本家から高い製作技術を認められたことも関係する。こうして製作したものはきちんとした復刻版として高い値段でも売れる。パクるよりきちんと契約して製作するというのは日本、あるいは欧米のやり方で、これが日本の信頼に繋がる。
こうしたパクリ文化は、一時的に収入は上がるが、企業としてのブランド化は難しい。中国、韓国とも、いまだにソニー、ニコン、ホンダ、キャノンなどに匹敵するブランドはなく、スニーカーという狭い分野でもオニツカタイガーに匹敵する世界的ブランドは中国、韓国にはない。結局、常に欧米を中心に見てきた日本は、世界一、世界初を目指して、ブランド化に成功したが、日本というパクリやすい国が隣国にあるため、韓国、中国ともその呪縛に逃れられず、ブランド化、高価値高価格分野に進出できていない。せめて世界一のタフな時計、カシオを目指して欲しい。個人的には韓国のアウトドアメーカー、ヘリノックスと、この会社を支えるDACはすでにブランドになっている。




