ヤフーオークションを利用するようになった20年くらいになる。オークションの仕組みを簡単に説明すると、出品者が商品をオークションに出し、欲しいと思う人が期日以内に値段を提示し、一番高く値段をつけた人が落札する。落札した人は商品を受け取り、問題がなければ出品者を評価し、出品者も落札者を評価する。落札過程、誰が何時に、いくら値段をつけたかは随時、わかるようになっている。もちろんアカウント名なので、誰だがわからないが。ただこの評価数でどれくらいヤフーオークションで買っているかがわかる。この評価については同じ出品者で買った場合、何度落札しても一度の評価しかなく、私の場合、評価数は80だが、実際にオークションで買ったものはこれ以上となる。
評価数は個人で80というはまあまあ個人としては多いと思うが、実際の入札履歴を見ると入札者の評価が1000以上のものが多くある。個人の評価で1000以上はまずあり得ず、これらのほとんどは中国、あるいは海外のオークション代理購入会社である。日本最大のオークションサイトのヤフーオークションと中国の代理購入店がネットでつながっており、中国の代理購入店のネット上で、タイムラグなしでヤフーオークションが見られるようになっている。そして中国のユーザーがそれを見て落札する。落札した商品は、ネット上では日本にある代理購入店が落札したことになるので、ここに商品は送られ、内容を確認してから出品者に入金される。入札者は全く問題のない取引ができる。そして代理購入店は到着した商品を中国の落札者に送る。
入札者にすれば、日本人であろうと、中国人であろうと高く買ってくれれば、いいわけで
法にも全く触れない。一方、中国人にすれば、戦乱の多い中国ではもはや古い掛け軸や陶器などは日中戦争、文化大革命などで破壊され、残っておらず、日本がこうした古いものが残っている国として人気が高い。
ヤフーオークションで人気なのは、まず掛け軸、骨董では中国画と中国陶器の人気が高い。この分野の入札者を見てみると入札者の半分上が評価1000を超える中国の代理購入業者が競っている。他には宝石ではサンゴや翡翠、また最近の茶ブームでお茶関係も人気が高い。また古着屋、古いスニーカの人気が高い。日本と同じように古着屋も中国には多くあり、1970-80年代のものの人気が高いが、そうした時代のものは中国には一切存在しない。意外なのは戦前の中国関係の研究本で、学者にとって、古い中国関係の書物は中国にはない。
現在、ヤフーオークションで扱う商品のうち、20-30%を中国人が買っているで、特に中国画、書の掛け軸に限定するとほぼ100%、中国人が買う。ここで誰が買うかというと、最も多いのは骨董屋といってもよいバイヤーで、日本のヤフーオークションで落札したものに値段を上げて顧客に売る。また一部であるが、個人的なコレクターもいる。最近では、ヤフオクで落札するよりは、古物商として一般人からの買取りや、業者間オークションで買う中国人も出てきたり、古くから古物商をしている日本人が中国企業の代理で業者間オークションに参加しているケースも多い。
つまり、ヤフーオークションは、日本の古物商が一般からただ同然で買い取ったものを出品し、日本のコレクターと中国人代理店が落札している。中国人代理店は落札した商品に手数料を載せて、中国人の古物商、コレクターに売るという流れになっている。日本では和室、床間の消失に伴い、掛け軸、陶器など多くの骨董品がただ同然で、古物商に引き取られ、とりわけすごいものはきちんとしたオークションや老舗骨董店に、それ以外はヤフーオークションを通じて中国に輸出されることになる。
問題は、100年以上前のものを海外に輸出する場合、文化庁の輸出審査を受けなくてはいけない。昨年、アメリカのシンシナテイ美術館に絵を寄贈した時の写真も含めた詳細な書類を用意し、さらに審査日数も二週間以上かかった。税関申告もきちんとした書類が必要で、ヤマト運送の美術専門部門が扱ったが、かなり費用がかかったに違いない。
100年前というと昭和二年、つい最近のもので、1万円くらいで落札される掛け軸の多くは100年以上経っている。特に中国人の好きな中国画、陶器は例え偽物であっても百年あ経過していると見てよい。ところがこんなことをしていたのでは、費用もかさみ、何より中国の落札者に商品を送るのが1ヶ月以上かかることになる。そのため、ヤフーオークションで購入した商品のほとんどは日用品、雑貨、インテリア扱いで送られる。ただこれは日本人でもフランスで古い版画や絵を購入し、日本に持ち帰ろうとすれば許可書が必要でるが、きちんとしている人はほとんどいないし、実際、フランスの蚤の市で買った100年前のレースのハンカチが文化財の流出といった大袈裟な問題にはならない。
日本は、アジアでも最も物持ちのいい国で、古いものがこれほどコンデションのいい状態で残っている国はなく、ヤフーオークションやメルカリで日本の古いものがどんどん海外に輸出されている
| 今、行われているオークションで元代の山水画の途中経過 全て中国の代理購入会社 |







