仕事もやめ、引退生活をしている。人からは暇でしょうと言われるが、本人はそれなりに忙しい。やっていることは、漫画を読み、本を読み、映画を見、テレビを見、絵を描き、プラモデルを作り、ブログをして、散歩をしている。これだけじゃ暇なので、以前、ふるさと納税で買った電子サックスを吹いているが、ドレミから先、シャープ、フラットキーが覚えられない。ハーモニカは、マンション生活で近隣の迷惑になるかもしれないので、吹けない。ネットオークションもマンションの収納が少なく、むしろさらに断捨離をしないといけないくらいで、買うと確実に家内に叱られる。靴、服もできるだけ減らしたいので、新しいものは買いにくい。アマゾンの注文がずいぶん減った。最近、アマゾンで購入したものでいえば、ロマン・ユゴーの“Angel Wings”、”戦闘機の描き方 翼と機体“、これらは飛行機の絵を勉強するために購入した。他には筆やハセガワのフュギアなどで、さらにヤフーオークションでの落札はほとんどない。
つらつら考えると、今やっていることの多くは子供の頃にしていたことで、歳をとって昔のことをしているだけである。漫画については、小学校の低学年頃から少年マガジンを高校三年生までずっと読んでいたし、その前は近所の貸本屋で借りていたほどで、その歴史は長い。本も小学生の頃からずっと読んでおり、今でも年間百冊は読んでいる。テレビはもちろん、映画も子供の頃から東宝の怪獣ものは全て見たし、プラモデルも小学生の頃から熱中した。今は戦闘機、爆撃機のイラストを描いているが、これも小学生の頃に描いていたものである。他に小学校のときに何をしていたかというと、銀玉鉄砲、これは今のサバイバルゲームに通じ、ちょっと興味はあるがしていない。ビー玉、べったんなどの遊びは、単純な遊びというよりはギャンブルに近い。ビー玉、べったん遊びは、自分の持っている多数のビー玉、べったんをかけて勝負をする、負けるといっぺんに持っていかれるような遊びで、ギャンブル性は高い。また古面(フルメン)と言って古い時代劇スターなどが描かれたべったんは価値が高く、売っているべったん、これは厚い画用紙に印刷しているものを自分で切るのだが、古面一枚で100枚以上の価値があり、いわゆるコレクションの類となっている。こうした古面は大切に保管するだけでなく、勝負にも実際に使われ、強いものは価値も上がる。私の場合は、親も忙しく、好きにやらせてもらったおかげで、小学校の頃から航空ファンやその別冊世界の傑作機も買ったし、零戦はやと、オオカミ少年ケーンのソノシートも持っていた。またスロットカーというコントローラで速度調整をしてレースをするものもあったが、兄と一緒に購入したスロットカーを持って三和商店街のサーキット場によく行ったが、これはさすがにラジコンカーの趣味にはならなかった。自宅の屋根がベランダで、そこでは屈折望遠鏡でよく天体観察をしていて、中学生の頃は月刊天文ガイドもよく買っていたので、今でもその頃の知識はある。またラジオ製作にも興味があり、最初は子供の科学から初歩のラジオに進み、ゲルマニウラジオから五球スーパーまでいこうとし、通信教育では無線、ハムの免許を取ろうとしたが、送られてきた教本の多さに途中でギブアップして、そのままである。切手も親父が好きだったので、近くの郵便局に新しい記念切手が発行されると並んで買ったくらいで、今でのその頃の切手帖があり、東京オリンピックの切手がいっぱいある。ローラスケートをしたのは小学生の3年生の時からで、中学生になると、大阪にあったラサ国際スケート場で滑った。最初はフィギュア、そしてホッケー、最後はロングという長距離用のスケート靴を履いて外周を回っていた。野球は近所の軟式野球チームに入り、セカンドをしていたし、水泳学校にも一時通っていた。他にはそろばん、絵画、習字も習っていた。姉と兄は、ピアノを習っていたが、私は音楽関係の習い事はしておらず、いまだに音楽は苦手である。
いやいろんなことをしている。漫画、テレビ、本、プラモデル、天体観測、ビー玉、べったん、銀玉鉄砲、スロットカー、無線ハム、ローラスケート、スケート、切手、野球、そろばん、水泳、絵、習字、中学になるとサッカー(大学卒業まで)、映画、レコード、大学生になると雑誌ポパイに感化されて自転車、ファッション、旅行に興味を持ち、ロードレーサを買って上から下まで自転車野郎になって仙台から松島までよく行った。ファッションはヘビーディティーという今のアウトドアファッションが好きだった。旅行は日本国内だけでなく、インド、中国にも行ったが、いい思い出となっている。歯科医になってから始めたのは、ブログ、それに関連する郷土史、本の出版など、ビンテージの北欧陶器、コーカサスのラグ、イランのキリム、名作家具、そして日本画の収集と研究などがある。
親が子供の趣味に寛大でやりたいといえば、すぐにやらせてくれたので、広く、薄く、いろんなことを知っていおり、引退してもそうしたものを楽しむことができて感謝している。家内からは少し“イッテイル人”と言われているが、趣味の多さとそれを追求しようとする気持ちはそうかもしれない。のめり込む体質があるようで、香川芳園の研究をしていて、ロシア、中国、イタリア、アメリカの研究者と何度も長文の英語でのメールやり取りをしていると、趣味を超えているなあとふと思う。
ただ引退生活をしていて、羨ましいのは音楽活動をしている友人で、この年齢になってもバンドを組んでライブ活動をしている。子供の頃、若い頃に親がピアノやギターを習わしてくれたらと残念である。音楽は習得するためには、才能だけでなく、集中的な練習が必要で、バンド演奏をするために覚えるといった外部からのプレッシャも必要かもしれない。娘二人にピアノを習わせたが、全く役に立たなかった。
いろんなことをしているが、それまで仕事で8時間働いていたと同じような内容を趣味でカバーするのは難しく、結局は暇つぶしということに尽きる。













