2008年10月24日金曜日

津軽の愛すべきもつけ・じょっぱり 2









 前回、近所のお店を紹介して、よくこんな商売でやっているなあとと言いましたが、今月の家庭画報ショピングサロンに近所のものが紹介され、驚きました。家庭画報というと都会のセレブなミセスが読む、ハイソな雑誌で、それに掲載される商品は厳選されたものです。かって日本臨床矯正歯科医会でも啓蒙広告を出そうと、広報会社と相談したところ、家庭画報は掲載の審査がきびしく、美容整形などの広告は一切出さない方針で、こういった雑誌に出した方がよいという結論となり、何度か掲載していただきました。

 今回掲載されたのは、岡野建具のヒバでできたりんごの脚立です。家から20mくらいのところにある作業場は毎日通るところですが、いつも一人の老人が脚立を作っています。作業所は、こんなこと言うと失礼ですが、微妙に傾いており、いつも地震の度に心配になりますが、平常通り、作業が毎日続けられています。木の乾燥、切り出し、取り付け、仕上げまで丁寧な作業が続きます。とはいえ、今時アルミの脚立が主流で、リンゴ農家でも木製の脚立を使うとこは少ないと思ってましたが、こういう風に全国に販路を伸ばしているようです。なかなかしぶとく商売をしています。

 同じようにうちの3軒隣の宮本工芸も以前、家庭画報で紹介されたことがありました。近所で2軒のお店が家庭画報で紹介されたことになります。宮本工芸も外観からすれば、それほどきれいでなく、また商品も結構高いので、弘前でこれを買うひとはしれていると思っていましたが、都会では結構売れるのかもしれません。

 岡野建具の横には「じょっぱり鋸や」というリンゴ用の鋸の販売、修理をおこなっている店もありますし、和徳町にはブリキ缶に入った津軽飴を売っている店もあります。この津軽飴というのは麦芽の水飴で、はちみつのようなものと考えてもらえばいいのですが、ようするにただの水飴です。昔、紙芝居の時のもらったあの飴です。またねぶたの時に使う津軽笛を生産、販売しているところもあります。

 また市内のあちこちには、ガラスの陳列ケースに入り、100グラムいくらで売るせんべい屋も多くあります。この津軽せんべいというのも、おいしいもので、特にピーナツが入ったものはお気に入りです。

 大阪、東京などの都会っでも昭和40年ころまではこういったお店も多くあったと思いますが、スーパーの発達により今は完全に消滅しています、ただ津軽のは、いまだにしつこいというか、もつけというのか、強情というのか、がんばって商売しているところがたくさんあります。逆に今では、かえって若い人に注目されて雑誌にも取り上げられ、販路も日本中になっているのかもしれません。

 中央から離れているせいか、ここ津軽にはまだまだ古いものが残っていますが、経営者は高齢化しており、このままではいずれ消滅します。新幹線開通の機に、観光客用のマップや、あるいは市の観光課などが雑誌やテレビの取材用の案内をするのもいいのかもしれません。日本臨床矯正歯科医会の広報の仕事を見ていると、いかにマスコミの中に入り、それを上手に利用することが必要と思われます。担当者が、マスコミ関係者を呼び、昼食会をしたり、情報の提供を求められたりした場合は誠実に対応し、きちんとした資料を渡す、これまでマスコミで取り上げられた実績をファイルにしていつも出せるようにする、こちらから積極的に材料を提供するなど、広報活動の活性化が必要です。できれば広報関係に長く従事したプロを市の職員として雇うのもいい方法です。マスコミは意外に保守的で狭い、社会です。

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