2009年10月5日月曜日

世界の傑作機




 本屋で文林堂から出ている世界の傑作機「ドルニエDo335 プファイル」を購入しました。こういった空想兵器に類する試作機もなかなか捨てがたいもので、つい買ってしまいます。とくにドイツ機は、さすがジャーマン魂というか、射出座席など凝った作りをしていて、こんなものをよくつくったなあとつくづく感心します。写真をみると、単座の戦闘機としてはとてつもなくでかく、F-86セイバーなどの戦後のジェット戦闘機よりも大きく、最新のF-16に匹敵する大きさです。日本人ではこんなでかい機体を発想することさえできないし、ましてエンジン2機を串刺しにする機体はあることはあるのですが、実際に作ってしまうことなど到底不可能です。

 文林堂との付き合いは長く、小学校の高学年から中学生ころから、航空ファンを毎月買っていました。今と違い、読者のプラモデルの作品が誌上で紹介され、プラモデルの作り方も載せられていました。当時は今と違いモデル雑誌はほとんどなく、航空ファンが唯一の存在でした。そのころはプラモデルと混じり、ソリッドモデルの作品も載せられ、その完成度の高さには驚き、一度朴の木で挑戦した記憶があります。

 親が歯医者をしていたため、手先の器用さを習得できるプラモデルは奨励され、ほしいというと買ってもらうことができました。実にうれしいことでした。といってもそれほど高いものは買うことはできず、主としてレベル社の1/72シリーズの第二次大戦機やタミヤの1/100のジェット機シリーズなどの100円から200円くらいのものをよく作りました。たまには大枚をはたき、モノグラムの1/48やレベルの1/32も作りましたが。作り出すと、次第に塗装に興味がわき、その資料として買い始めたのが「世界の傑作機」シリーズです。当初はこの雑誌も灰色の表紙に飛行機の図面を書いた、あっさりしたものでしたが、次第にカラー化され、今では相当な部分カラーで表現しています。このシーリズの白眉は、折り込みのイラストで、多くのものが野原茂さんによって描かれていました。その緻密な表現と色づかいは、本当にすばらしく、間違いなく野原さんは本邦屈指の航空機イラストレーターでしょう。

 本屋でこの雑誌、とくに日本の軍用機を見かけると、ほとんど購入していますが、最初のころはその名の通り、世界の傑作機を紹介していましたが、今のシリーズになるとこれが傑作機かと疑うようなものも扱われるようになっています。飛行機ファンにとっては、かえってこの方が購買意欲をそそられます。アラドAR234ブリッツ、コンベアB-36ピースメイカー、さらにはブラックバーンバッカニアや、ロシアの機il-2シュツルモヴィック、ポリカルポフ1−16などしぶいところをついてきます。もはや模型製作の参考書というよりは、航空機マニアの路線になっているようです。内容も、当初は開発経緯や実戦記事などが中心でしたが、最近ではメカ中心になり(試作機では実戦もないわけですが)、私のような長年の航空ファンもチンプンカンプンの高度なオタク内容になってきています。

 すでに40年以上、途中中断期もありましたが、ほぼ2か月ごとに発刊され、今のシリーズで135巻、これまでも何度も違うシリーズが出たと思いますので、一体全体、全部で何冊だしたか見当もつきません。文林堂は主として航空機を扱った雑誌を発行している会社ですが、さどかし航空機オタクが集まっているのでしょう。鉄道ブームで、鉄道オタクはよくテレビに登場しますが、存外飛行機オタクは見かけません。といっても世界中で最も多いのは車オタクと飛行機オタクで、この雑誌も海外でも販売されています。ここまでくれば、未知の領域、第一次大戦機に突入してほしいものです。それこそ傑作機と呼べる機体がまだ残っています。また DVD付きとは言いませんが、文林堂ホームページに雑誌を買った人のみログインでき、そこで動画や音を楽しめたらと思います。どうでしょうか、文林堂さん。実物のエンジン音だけでも聞いてみたいのですが。

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