2025年4月2日水曜日

どこで矯正治療をしたらいいのか

 





今年いっぱいで閉院するために、新規患者は2年前から、小児患者は4年前からとっておらず、今は通院中の患者のみを見ている。さすがに新規患者をとらないでいると、患者数は次第に減ってきており、昨年の12月からは従来の木曜日に加えて水曜日も休みにしている。以前は1日に15-20人、土曜日は30-40人くらい見ていたが、最近では一日10人程度で、土曜日も少なくなってきている。早く終わる時は5時頃には閉めている。また日によっては、数名しかいないときもあり、収入も急激に減少している。

 

矯正歯科の開業というのは、最初から患者数、収入が多いわけではなく、当院でも最初の1年目の年間新規患者数は100名程度で、そのうち治療に入るのは60名くらいであった。この60人が1ヶ月から2ヶ月おきに来院したとすると、1日の患者数は1から3人くらいになる。暇でしょうがなかった。その後、年間で200人前後の新規患者、100-120人くらいが実際に治療するようになると、次第に患者は溜まっていき、1日の患者数が20名程度になる。一方、10年くらいすると、治療終了患者も多くなり、治療開始患者数と終了患者数が同じになってくる。

 

3、4年前のコロナ期は、矯正歯科ではバブルで、うちでも年間250名、治療開始者も150人以上が2年間続いた。それもほとんどが成人患者だったので、この時は大変だった。平日も30人近く、土曜日は40人を越え、またほとんどの治療はマルチブラケット装置によるものだったので、息つぐ暇もないくらい忙しかった。これほど多いと普通は先生が全ての治療行為をせずに、衛生士の任せるのであるが、私のところはワイヤーの交換、ベンディング、ブラケットの装着、撤去まで全て一人でし、さらに保定装置も含めて全ての矯正装置の技工もした。その頃の患者も最近ではようやく治療を終了し、ここ半年は毎週、4−6人くらいの保定装置を作っていた。診療の合間や診療後に保定装置を作り、朝早くに来て、研磨するという毎日で、これはしばらくは続くであろう。

 

1年前からはホームページも閉鎖したが、それでも週に4、5件の新規患者からの予約電話がある。申し訳ないが、全て断っている。逆に、私の診療所のことや料金についてはネット上では出ないのに、よく調べてきて電話するものだと感心する。普通、歯並びが気になる、矯正治療を受けたいとなると、まずネットで“弘前 矯正歯科 人気”などで検索するだろう。そしてその検索結果から医院のホームページを見て、院長のこと、診療室のこと、さらに料金などを見て、新規患者の予約を入れる。そして実際に来院して、院長からおおまかな治療方針や、料金の説明を受け、よければ次回、検査をして治療に入る。

 

暇なので、実際の患者の身になって、病院を決めようと、コンピューターで探してみると、これがまあ難しい。まずネット検索で上位のところは、必ずしも治療実績の多いところではないこともある。例えば、大阪、東京など大都市では、ほぼ宣伝費に費用を払っているあまり勧めたく歯科医院が並ぶ。矯正歯科で有名な優れた先生のところのホームページは検索の3ページくらいでようやく名前が出る始末である。普通に調べると、まずここが候補にあがることはない。そうかといって口コミサイトも、必ずしも正確でないことも多い。私の診療所もGoogleも口コミでは散々なことが書かれている。まあ嘘が書かれてはいないにしろ、電話応対の対応だけで、星1つはないだろうと思う。ラーメン屋に電話して、店にも寄らず、食べもしないで、電話応対だけでその店の評価を1にするのはおかしい。

 

結局は、これだけ情報が溢れていても、実際に治療を受けようと思うのは、知人や友人からの口コミで、案外、アナログな手法で情報収集している場合が多い。個人的には、かかりつけの歯科医がいて、その先生が信頼おけるなら、その先生に相談して、いい矯正歯科医院を紹介してもらうのが良い。子供の早期治療なら一般歯科のところ治療してもらうのもいいかもしれないが、マルチブラケット装置を使った本格的矯正治療は、やはり矯正歯科専門医で診てもらった方が良い。できれば院長の経歴を見て、大学病院で矯正歯科の専門教育を受けているか、認定医、専門医の資格を持つかを調べてほしい。今時は周囲に矯正治療をしていたという人はたくさんおり、矯正治療をしたいとあちこちで話題にすれば、おすすめの歯科医院を紹介してもらえるだろう。




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