2011年1月9日日曜日

明治2年弘前地図のデジタル化




















 昨年の11月から明治2年地図をデジタル化しようと、友人のいる「やまと印刷会社」に依頼していましたが、先日ようやく完成しました。

 最初、別の友人の写真屋さんに依頼しましたが、機器がないのでできないと言われました。そこで自分で写真をとり、それを合わせて一枚の地図にしようとしましたが、収差の関係で、うまく合わせることができません。しかたなく今度はやまと印刷に依頼しましたが、最初はここでも大きすぎてやはり無理と言われました。何とか、できないかと自分で工夫して、スキャナーの蓋をはずして、部分ごとにスキャンして張り合わせるアイデアを思いつきました。自宅にあるA4版のスキャナーで試したところ、できそうなので、それでやってくれと頼んだところ、小さなスキャナーで張り合わせるのは難しく、県外のA1スキャナーをもっている印刷会社に外注してやってもらえることになりました。保険付き宅急便で送付したところ、外注先でもやはり難しいと言われ、結局はやまと印刷で工夫して写真撮影でデジタル化してもらいました。デジタル化にご協力いただいたやまと印刷の皆様には感謝いたします。

 上がってきたDVDをすぐに見ようとしたところ、カーソルが回るだけで、なかなか見れません。強制終了してデーター量をみると、何とデータで1.3GBあります。容量が重すぎて操作が著しく悪い状態です。拡大表示するにも数分かかります。ただ鮮明度は思った以上によく、全体像から強拡大すると一軒、一軒の名前がはっきりと見ることができます。表示にはこれで十分です。ただこれではあまりにも操作性が悪すぎます。今の画像解像度は350dpiくらいですが、100dpiくらいまで解像度を下げると、操作性はいいものの、今度は画像がひどすぎます。解像度を下げるといっても200dpiくらいが限度で、これをJpegに圧縮して何とか数十MBになりました。操作性もよく、強拡大して何とか見れる状態です。これでいこうかと思います。

 並行して文章の方も書いていますが、これまでのブログの記事をまとめながら、400字原稿用紙に換算して100枚くらい書きましたが、本にしようと思うとまとめるのが難しいものです。今のところの予定では、印刷会社で作成した上記地図データーと自分で撮った近撮影の図を、すべてCDに入れ、付録の形で本に入れようと思っています。それに弘前で生まれた人物を中心とした文章と図を載せようと考えています。A5版で70ページくらいになると思いますが、これから出版会社に当たり見積もりをするつもりです。

 またせっかくデジタル化したのであれば、地図も印刷したいとも思っています。2,3mmの小さな字をはっきり見えるようにするためには、インクジェットよりはオフセット印刷の方がいいでしょうし、また大きさもA0あるいはB0の大きさの印刷が必要です。オフセット印刷の場合は、数十枚印刷するのも数百枚印刷するのも費用的にはそんなに違いはなく、多く印刷するほど単価は安くなります。それでもこの大きさで、地図を印刷するのは、かなり高くつきます。

 本にするにしても、地図印刷するにしても、今は見積もり待ちですが、かなり費用がかかると思います。それでも、これは地図をもらった時点での義務ですので、本の出版だけでも何とか実現したいと思います。本屋で売るのも面倒なので、自費出版で300部くらい刷り、関係者や図書館に送りたいと考えています。電子出版という手もあるようですが、本の好きな私としてはやはり書籍の形で残したい。

 学会雑誌に関しては、編集を担当していましたので、大体解っていますが、こういった一般書を出すのは始めてなので、いったいどうしたらよいか、いくらくらいかかるか不安です。

 また地図の記載の中には、現代の感覚からすれば不適切な表現がありますが、これを画像処理して修正するのか、そのまま出すのか、悩んでいます。色々な人の意見を聞いていますが、純粋に資料として出すなら、また不特定多数に情報を流すのでなければ、資料はそのままの形で出したらどうだと意見が多いようです。逆に変な修正を加えると資料的な価値がなくなるとも言われました。確かにこういった本を、手に入れようと思うひとは一部の研究者あるいは弘前の歴史に興味をもつ人であり、悪用はないと考えます。それ故、あまり深く考えず、無修正で出した方がよいかもしれません。もう少し検討したいと思います。

 今年の夏ころまでに発刊したいと考えています。地元の紀伊国屋書店で扱ってくれれば、少数はそこで売ってもらいますが、それ以外は寄贈と予約者のみに販売する予定です。具体的な見積もりと出版が決まりましたら、このブログでお知らせして予約を受けたいと考えています。それに合わせて印刷数の増減を決めたいと思います。
ちなみにブログに載せた画像は画像解像度を1/1000くらいにしたものです。現在、古地図をデジタル化することが、活発におこなわれています。元々地図はかなり大きなものが多く、広げる場所もなかったり、その際の破損も危惧されます。そのため図書館、博物館、大学では、所蔵している古地図をデジタル化して供覧できるようにすると同時に、Google earthなどと連動させたり、GPSと連動させたりして、町おこしなどにも使われているようです。例えば250年前の北京の古地図、この原画は13m×14mの大きなものですが、研究者によってGoogle earthと連動して見れるようになっています.
(http://dsr.nii.ac.jp/beijing-maps/)

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