紀伊国屋書店弘前店も今年で開店30周年になるようです。それを記念した事業をやろうということになり、私の方に「新編明治二年弘前絵図」を題材とした講演会をしてほしいという依頼がきました。
私が弘前に来たのは、1994年ですから、今年で19年となります。その数年前から弘前にはちょこちょこ来ていますが、そういえば当時から土手町には、今泉書店と紀伊国屋書店があり、ここは文化の高い街だなあと思った記憶があります。修学旅行で弘前に来たのが、40年前ですから、その時はなかったようです。
大阪人にとって、紀伊国屋書店はそれほど馴染みなく、最初に阪急梅田駅そばにできた梅田店ができた時にはその規模の大きさには驚いたものです。それまでは大阪の大型本屋といえば東梅田の旭屋書店で、学生時代はここに行くことが多かったのですが、ワンフロアーでこれほど大規模な店は初めてでした。東京に行く時は紀伊国屋書店の新宿本店、最近はタカシマヤ近くの新宿南店を訪れるのが楽しみですが、どちらかというと今でも東京の本屋というイメージが強い感じがします。30年前というと、紀伊国屋書店は東北でも分店はほとんどなかったと思います。それだけ、どうして県庁所在地の青森市ではなく、地方の小都市、弘前に紀伊国屋書店があるのか不思議に思っていました。これは、紀伊国屋の社長と今の弘前店が入っているビルのオーナーがロータリクラブを通じて交流があり、弘前大学もあるのだから、是非出店してほしいということで弘前店ができたようです。いずれにしても私にとっては、診療所から歩いて5分の距離のところに紀伊国屋書店があるのは、大変うれしいことだし、便利です。ここ10年以上、週に3回は通っています。
その紀伊国屋書店弘前店から、おめでたい話の依頼が来たので、これは断るわけにはいけません。「ハイ」とは返答しましたが、私でいいのかという思いが、じわじわと湧いてきます。昨年11月に東北大学の13期の同窓会に招かれ講演した原稿がありますので、それを基にと簡単に考えていましたが、よく考えれば、わざわざ聞きにくる方は、すでに拙書を読んだ方です。かなり厳しい質問もくるかもしれませんし、本に書いていないこともしゃべらなくてはいけない、とか色々と悩みます。
日時は、平成25年9月29日(日曜日)の午後からで、会場は弘前店の上のパークホテルでやることなりました。ただ会場のキャパの関係で、50名制限ということで、予約制にするようです。これはありがたく、このくらいの人数の方が緊張せずに楽です。弘前店のカウンターで受付をしているようです。
これからまだ日数がありますので、もう少し検討いてみたいと思いますが、「明治6年弘前地引絵図」についても、すべての人名も打ち込み、町別の戸数、間口、奥行き、面積などの集計も終了しましたので、その結果も少し話せるかもしれません。この絵図ではっきりわかったことは、明治初年、おそらく幕末期の弘前と今の弘前市は基本的にはほとんど変わらないということです。道が同じ、道幅も同じ、町名も同じ、さらに敷地もそれほど変わりません。確かにビルができ、大きな道もできましたが、近所の道を見ると江戸時代と同じ場所、大きさで、目をつぶり、平屋の木造の古い家をそこにイメージすることは、それほど難しくはありません。そこには江戸の町並みが現れます。これはすごいことです。グーグル眼鏡のようなもので、江戸時代の町並みを完全に再現した像を作ることは可能でしょう。町を歩くと、そこにはグーグル眼鏡を通じて、江戸の弘前の町が再現されます。将来は、こんなバーチャルな試みが可能になるかもしれません。
最近、吉永小百合さんのCMで有名な、懐かしいジャニス・イアン”At seventeen"の57歳(私と同じ歳)の時の歌です。
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