パンーパパンパン、パーパパパパンという中国の行進曲、軍歌について随分前から気になっていた。20歳の時、1976年に中国に行ったときに、すでにこの曲を知っていたので、その前、文化大革命中にどこかで聞いて知った曲だと思う。その後も中国人に会うたびにこの曲を口ずさみ、何と言う曲か聞いてみるが、大抵は「人民解放軍」の歌、あるいはよく聞いたことがあるが、知らないという意見が多かった。最近の若い留学生になると、すでに知らないという学生が多い。若いひとにとっては、すでに相当古い曲なのであろう。
中国の解放軍の最も有名な行進曲は「中国人民解放軍進行曲」で、元は八路軍進行曲といい1939年に作られた。その後、1988年に鄧小平の肝いりで人民解放軍の正式軍歌となった。解放軍のパレードでは大抵この曲が流される。まあいい曲ではあるが、それほど中国ぽくないのが気に入らない。
そこで今回はyoutubeをかたっぱしから聞いて調べた。そしてついにわかった。この曲は、「三大紀律八項注意」といい、解放軍の軍規を覚えやすいように曲にしたものである。内容は毛沢東が八路軍の軍規として決めた。
1
一切行動聴指揮(一切、指揮に従って行動せよ);
2
不拿群衆一針一線(民衆の物は針1本、糸1筋も盗るな);
3
一切繳獲要帰公(獲得したものはすべて中央に提出せよ)。
八項注意:
1
説話和気(話し方は丁寧に);
2
買売公平(売買はごまかしなく);
3
借東西要還(借りたものは返せ);
4
損壊東西要賠償(壊したものは弁償しろ);
5
不打人罵人(人を罵るな);
6
不損壊荘稼(民衆の家や畑を荒らすな);
7
不調戯婦女(婦女をからかうな);
不虐待俘虜(捕虜を虐待するな)。
で1935年に曲となった。作曲者はわからない。文革時代に盛んに流された曲なので、わたし自身よく知っていたのであろう。今でも人気はあるようだが、人民軍進行曲ほどは正式には使われていないが、私としてはこの曲が中国のベスト軍歌と考える。「三大紀律」と答えた中国人はいなかったことから、内容はあまり知られていない曲なのだろう。今では軍人にも汚職が多いようなので、人民解放軍の正式行進曲もこの三大紀律に変えればいいのに。ちなみにドイツ、アメリカ、イギリスには優れた軍歌はあるし、トルコにも「Ceddin Deden」といういかにもトルコの軍歌があり、軍歌による御国柄がよくわかる。日本では「君が代行進曲」が一番好きだ。君が代といえば、堅苦しいが、この行進曲となるとウキウキする。特に途中から変調し「来たれや来れや」になるあたりがいい。軍艦行進曲も変調し、一種の日本の軍歌の特徴である。サッカーの試合などは国歌の君が代が少し地味なので、この行進曲の方を試合中に歌った方がよい。お隣、韓国、ここの軍歌はひどい。どこかで聞いたような曲で、日本の軍歌のパクリ、歌謡曲風である。また北朝鮮の最も有名な行進曲「遊撃隊行進曲」は日本の「ハイカラ節」を流用したものである。
中国の国歌は義勇軍行進曲、スペイン国歌は国王行進曲、トルコ国歌は独立行進曲を、行進曲が国歌となった例も多い。覚えやすく、勇ましいからであろう。
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