2018年1月2日火曜日

無国籍の韓国製品


A&Fの一万円福袋

 つい最近まで韓国製というと、日本製にはかなわないが、中国製よりはマシかという存在で、ことに日本人からすれば、ヒュンダイの車やLGのテレビを買おうというのは一般的ではなかった。仮に買うとしてもよほど値段が安くなければ、買おうとは思わない。

 今回、エーアンドエフの1万円の福袋を買った。袋の中には、Tergのデイパック、Helinoxのミニチェアー、Kid Kanteenの哺乳瓶、Bcozzyの旅行用枕など計34000円ほどのものが入っていた。Helinoxはキャンプ用のチェアーで有名な会社で、そこで作っているバッグがTergというブランドになる。このバッグは、いろんな部分、例えば、ジッパー構造やベルクロによるマルチリンクシステム、デザインなど若者向けの仕様となっており、人気も高い。値段は18000円くらいはするのでそれほど安くはなく、値段の割には類似のバッグに比べて良いということで売れている。

 ところがHelinoxというのはどこの国のメーカーかというと、何と韓国製なのである。商品タグからデザインなどすべて、ヨーロッパぽい無国籍なものになっており、ネットで調べてようやく韓国製ということが判明した。店頭で購入するお客さんは全くわからないだろう。車もそうであるが、どうも韓国製というと売り上げが落ちると思うのか、何となく日本製、あるいは欧米製の呈を装う。あれだけ愛国的な国にも関わらず、どうも韓国ブランドに自信がないようである。

 うちの娘はアパレルメーカー(繊維商社)に勤務しており、多くのメーカーの服を企画、生産しているが、今最も参考にしているのは、欧米ではなく、韓国だという。韓国でどんなものがはやっているか、現地で調査して、そのテイストをコピーして日本で売るというのだ。生産は中国の工場でおこなうが、年に何度も韓国にはファッション傾向を調べるためだけに行くという。さらによく行く中国でも、地方は別にして、上海などは東京に比べてもよほど垢抜けしており、昔の銀座で買い物をするお上りさんといった雰囲気はなく、上海人からすれば、東京も田舎に見えるかもしれないという。

 中国、韓国とも、もう少しで例えば、ソニー、ニコン、キャノンなどの国際的な有名なブランドが次々と現れてくるのだろう。定価で買う人がいるのがブランドであり、折りたたみのチェアーではHelinoxはそれに近い存在となっている。何か一つでも圧倒的なものがあり、そのシェアを確保できれば、ブランドになれる。かってソニーはトランジスタラジオに始まり、ウオークマンなどのヒットがあり、一時はかなり落ち込んだが、最近ではイメージセンサーではほぼ独占し、またデジタルカメラも人気がある。アジアのブランドと言えば、ほとんど日本のものであったが、韓国のサムスンに始まり、それにせまる勢いのあるのが中国のファーウエイだが、どちらもまだまだ生産国を全面には押し出せずにいる。ただ一部の韓国のファッションブランドはすでに日本でも若者を中心に認知度は高く、最初に言ったようにバイヤーなども注目していることから、今後、大きなブランドメーカーになる可能性がある。

今回のA & Fの福袋の製品でも、Terg とHelinoxは韓国、Klean Kanteenはアメリカ、Bcoozyはイスラエルと多国籍に渡っており、もはやどこの製品という概念が消失していくのかもしれない。デイパックは中国の学生さんに、哺乳瓶は生まれたばかりの赤ちゃんがいる甥っ子に、チェアは使おうかと思ったが、ミニサイズでさすがに大人が使うには小さく、これも小さな子供がいる別の甥っ子にあげることにする。
 

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