2026年2月27日金曜日

青森県の新築住宅着工 2割減

 


225日の東奥日報によると2025年度の青森県の新設住宅着工戸数は前年度の19.8%減の3454戸になり、1961年以来64年ぶりに4千戸を下回ったことを伝えている。

 

1970年から80年頃は18000戸の新設住宅着工戸数があったことを考えると、およそ1/6になったことを意味し、減少は八年連続で、さらに着工数が減りそうである。そして新聞では、その原因を資材、金利の上昇が影響していると分析している。

 

具体的にいえば、私が家を建てた1995年、青森県の住宅建築費は普通、坪40-50万円くらい、安い工務店で建てれば40坪の家で1600万円くらいだった。80坪の土地付きで2800万円以下で立派な家が建てられた。当時の青森県の平均所得は約299万円であった。そして今は青森県でも住宅建築費は坪100万円以上かかり、建てるとなると家だけで4000万円、土地を入れると5千万円以上となる。この30年で40坪の住宅で1600万円から4千万円、土地は幾分やすくなったとしても総額で3千万円から5千万円になった。そして青森県の平均所得は2024年度が305万円で、1995年度とほとんど変わらない。また人口も1995年度が150万人、2024年度が120万人と30万人も減少している。

 

つまり所得がほとんど変わらないのに、新築の家を建てようとなると80坪の土地付き住宅(40坪)が2800万円から5000万円になったことを意味する。全額、35年で借金するとなると、金利2%2800万円では毎月9.3万円が、5000万円では毎月16.6万円となる。所得300万円、月収25万円のうち借金の返済が17万円、68%となる。共稼ぎしていても厳しい数値である。

 

これを東京で考えると一億円のマンションを購入した場合の月々の返済額は33.2万円であるが、東京の平均所得は644万円で、月収で54万円、返済額は61%となる。返済額の比率は青森県とあまり違わないが、共稼ぎの男女の収入が同じと仮定すると、青森県では25万円×2-17万円(返済)=33万円だが、東京では54万円×2―33万円(返済)=75万円が生活費となる。つまり青森県では家の返済以外の生活費が33万円しかないが、東京では75万円あることを意味する。実際、東京の方が物価は高いが、それでも光熱費、食費などは大きな差がなく、東京以上に経済的に厳しい。青森県で、5000万円の家を建て、返済して生活費に月75万円を残すには、夫婦で92万円の収入、つまり年収で4612=552万円の所得が必要となる。青森県ではこうした高収入の仕事は少ない。

 

10年前であれば、積水ホームなどの大手建築会社より地元の工務店で家を建てる方がよほど安かったので、青森県ではあまり大手メーカーの建物はなかったが、最近では、地元工務店と値段的に競合してきたので、大手メーカの建物が多くなった。なぜこうしたことが起こるのかはわからない。資材が高騰しているのは間違いないが、大手メーカーはスケールメリットと工期の短縮で値段に転化していないのか。

 

新築住宅着工は、建設会社のみならず、電気工事、水道工事、塗装工事、家具の購入、など周辺産業への波及効果が大きく、地域経済に利する。その大きな経済効果が以前の1/6になったことはそれだけ景気も悪化することを意味する。以前であれば、普通の仕事を真面目にしていれば、60坪くらいの一戸建て住宅は何とか購入できたが、今や夫婦共稼ぎでもかなり厳しい状況であり、それが婚姻件数の減少、出生数の減少につながり、さらに県人口の減少につながっている。

 

周囲を見回しても、空き家や駐車場ばかりとなり、若い人は東京などの都会に就職し、地元には年配の世代ばかりが残る。スーモなどで中古住宅の物件を見ても500万円以下の物件がかなり多い。おそらく子供が東京などの都会に住み、亡くなった親の家を処分しようとしているのだろう。これがなかなか売れず、結局は建物の解体費、固定資産税がかかり、負の遺産となっていく。こうした物件が徐々に増えており、解体費が売却費より高い場合は、相続者は遺産放棄して国の所有となるが、確か売れない場合は、相続放棄しても国に負担金を払わないといけなかったと思う。実際、青森県の郡部ではこうした土地が増えている。


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