2011年10月17日月曜日

ある日どこかで


 子供の頃から、どうもタイムトラベルものの惹かれます。時空を超え、過去に行けたらという思いが強いのでしょうか。テレビでは、昔NHKで「タイムトンネル」という番組があり、夢中になって見ました。結構金のかかった番組でしたが、その後あまり再放送がなかったようです。今見ても十分に見応えのある番組と思うのですが。

 小説では、何と言ってもジャック・フィニーの「ふりだしに戻る」、ロバート・ハインライン「夏の扉」が傑作だし、日本では広瀬正の「マイナス・ゼロ」などの一連のタイムトラベルものも面白い作品です。

 映画でも、「時をかける少女」、「バックツフューチャー」ほか多くの作品がありますが、傑作は「ある日どこかで」でしょう。何度も再放送があり、皆さんも一度は見たことがあると思いますが、これは隠れた名作です。アメリカでは今でもファンクラブがあるほどで、私も少なくとも4回は見ています。どうも深夜12時ころから再放送されることが多く、途中で寝てしまって、最近、5回目ですが、久しぶりに最後まで見ました。作品については、Wikipediaでくわしく説明されていますが、ラフマニノフの曲といい、ジョン・バリーのテーマ曲といい、本当に切ない気持ちになります。時間の壁はいくら愛している恋人でも越えられないもので、この映画を見ると最後まで見てまた最初に戻るとより理解が深まります、深夜放送ではこれはできませんので、是非録画してみるかレンタルでみてほしいと思います。これほど有名な作品ですので、ネタばらししてもいいかと思いますが、主人公は最後に死んでしまいますが、これを始めからまた見ると、老婆のいう「come back to me」の言葉が本当に切ない言葉となってきます。そしてエンドレスの物語となります。

 過去の女性を愛する。主人公のクリストファー・リーヴのように写真を見て愛することはできないでしょうが、年配の女性を見て、若かりし頃に出会ったならば恋したと思うようなひとは多くいます。どうもこの映画は男性には受けが良いのですが、女性にはそれほど受けがよくなく、そういった意味では案外男性の方がロマンティストなのかもしれません。

 ついでに思い出しましたが、これもタイムトラベルものを言っていいのかわかりませんが、小学校6年生のころに読んだイギリスの児童文学の「トムは真夜中庭で」は本当に美しい物語で、特に凍った革をスケートで下るシーンは印象的で、よく覚えています。岩波少年文庫で今でも販売していますので、タイムトラベルものが好きなひとは一読を勧めます。

 もし5分だけ、過去の好きな場所に行けたら、どこに行きたいですか。私の場合は、ひとつは1960年の冬の自宅近くの三角公園のバス停。昔、ここで小学校の同級生のKさんと卒業以来、偶然に会って、一言のみ挨拶しました。後日、彼女は私の全く知らないうちに腎臓の病気で亡くなりましたが、もう少し、せめて5分間のみでも話せたらと思います。もう一つは、1973年7時10分の阪急塚口駅神戸方面のホーム。ここには毎朝、甲南女子の背の高い中学一年生がいましたが、当時は高校2年生と中学一年生と歳が離れていたため、結局一言も話さないまま卒業しました。もし5分あれば、名前と住所くらいは教えてもらえたかもしれません。どういう訳が今でも当時の愛らしいセーラ服は思い出しますが、顔のイメージは薄れてきています。名前くらいわかればフェースブックなどで探すこともできるかもしれませんが。

1 件のコメント:

kuma さんのコメント...

ある日どこかで・・・・大好きです。フレームが美しい。音楽が美しい。奥行きに翻弄される。とても良い作品だと思ってます。
で、タイムマシンははまりました。レアなプラモを作りましたが、ちょっと透明な大きなわっかから小さなわっかまで並ぶだけで、以外と残念な代物でした。