最近は、大阪の実家に帰省するために、一泊付きの旅行パックを利用している。というのは、こういったパックで行くと、ほぼホテル代が浮くことになるからである。上の娘が京都にいたときは、京都のハイアットリージェンシー、大阪ではリッツカールトン、神戸ではメリケンパークホテルなど、普段高くて泊まれないようなホテルに泊まった。去年は変わったところで、六甲山ホテルに行ってきた。古いホテルで設備は今ひとつであったが、昭和初期ころのホテルの貫禄は十分に体験できたし、六甲山自体標高が高く、涼しかった。近くにオルゴール博物館、植物園や色々な観光施設があり、次女とあちこちに行って、本当に楽しかった。夕食は定番の野外ジンギスカンを選んだが、これはあまりにありきたりで、もう少し量は少なくてもきちんとした夕食にすべきだった。インターネットが全く使えず、これも仕事から完全に離れる点ではいいのかも。割合、60歳以上の年配の夫婦の宿泊客が多く、阪神近郊では穴場かもしれない。
今年は、どこにしようかと考え、最初は一度宝塚ホテルもいいかと思ったが、新婚の時に使ったポートピアホテルに泊まり、近くのイケアを見ようということになった。ポートライナーで市民広場前にて下車。ここは何度か行ったことがあるが、それにしても降りる人の数が半端ではない。家内が近くのひとに聞くと、衣料メーカーのワールドのセールが国際会議場であるとのことであった。会員になると、入場可能となる。この関係者限定のバーゲンは昔から神戸では有名で、それこそ関係者のコネがないと入場券がもらえないものであったが、今はもう少し門戸を広げたのであろう。70、80%オフだから、みんな袋一杯の買い物をしている。来年は、ワールドに関係者がいるのでチケットもらって行こう。
ポートピアホテルは、26年前に行った時と、ほとんど同じであった。あの六本木プリンスホテルのような、バブル時代のホテルの成れの果てという感じで、50過ぎの趣味の悪い熟女という雰囲気であった。中国人の観光客が非常に多く、朝食の乱雑さは、そういった宿泊者構成にも関係しているのであろう。最近、東京のどこのホテルも中国人が多く、それはそれでいいのであるが、ポートピアホテルでは、盗まれないようにロッカーのハンガーは取り外せないようになっていた。朝食も食べられないくらい持ってきて、ゆで卵や、パンなどは持って帰る。中国人の団体を泊めるかどうかで、確実にホテルの雰囲気が変わるので、これが一流か二流ホテルかの違いかもしれない。さすがにリッツカールトンでは明らかに中国人とわかる客は少なかった。
神戸で食事というと、最近よく行くのは中華街の民生広東料理、ここはいつも込んでいるが、何を頼んでも安心しておいしいし、それほど高くなくて、好きな店だ。何より庶民的な感じがすばらしい。今回は、次女にどこかいい店がないかと探してもらって行ったのが、阪急西宮北口近く「レギューム Les Legumes」という野菜をメインにしたお店である。西宮北口駅下の方の医療関係の診療所や予備校が入ったビルの10Fで、最初、6時に予約しようとしたが、いっぱいで7時半の予約となった。予約なしでははいれないであろう。本格的な店というよりは少しカジュアル系のお店で、若いカップルにはいい感じの店であった。青森県の新鮮な野菜に慣れた私にも、新鮮でうまい野菜であった。ただ趣旨はわかるが、この野菜はどこの産で、どういったものといった説明はうるさく感じる。食べてみてうまかったので、どこのものかと聞くのはわかるが、味に箔をつけるようで、最近のこういった傾向はあまり気に食わない。
弘前にも情熱大陸に出た笹森さんがやっているイタリア料理「オステリア・エノテカ・ダ・サスィーノ」という店がある。ここの素材はほとんど、オーナーシェフの笹森さん自らが作っているが、そういった説明はない。素材をそのまま使うことはなく、何らかの手を加えてよりおいしくしている。笹森さんの店のディナーが4000円、6000円、8000円と考えると、レギュームのディナーの4725円はそれほど安くはない。というよりは20、30席の小さなレストランでオーナ自らが給仕するサスィーノが安いのかもしれない。
人間の舌はやっかいなもので、おいしいものを食べてしまうと、ついそれと比較してしまう。昨年、三重県津の友人を訪れた時、津ミートカシワギという肉屋さんの二階で最高級の松坂牛を吐きそうになるくらい食べた。これ以降、肉の味の上限はかなり上がってしまった。同様に田舎では、どこも野菜くらいは自分のところで作るため、友人や親類からしょっちゅう野菜をもらう。新鮮だけでは、野菜はうまいとは言わない。
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