2015年12月9日水曜日

小中学校の「ひろさき学」 図書館史料のデジタル化 東奥日報より






今朝の地元新聞、東奥日報には、うれしい記事が二つあった。

1.    小中学校に「ひろさき学」
弘前教育委員会は8日、小中学校の総合的な学習の時間などを活用し、児童・生徒に地元の伝統文化や歴史を学ばせる「ひろさき学」(仮称)を創設することを明らかにした。弘前市教育委員会ではこれまで各分野で活躍した市出身の人物を紹介する「弘前人物誌」の発行や、文化遺産を知ってもらうために出張授業などに取り組んできた。ひろさき学では、これまでの取り組みを発展させる形で、新たにテキストを作成。児童・生徒版「ひろさき検定」の実施をはじめ、地域住民を講師に招くなどして郷土への理解を深めてもらう。佐々木教育長は「義務教育9年間を通して、弘前の歴史を系統的に学ぶ機会を確保したい。(児童・生徒には)学んだことを生かして、伝統芸能の継承や商品開発など自分たちができることを主体的に考えてもらいたい」と狙いを語った。

子供達に将来、東京、外国に行っても、生まれ故郷の弘前について、誇りをもって語れるようにすることは非常に重要なことであり、そのためには文科省の教育科目とは別の地元に根ざした教育をすることは全面的に賛成する。つい東京に比べて、外国に比べて、いかに青森県、弘前市が遅れているかと言いたくなるのはわかるが、そうではない。優れた点もあるし、劣った点もあり、決して卑下するものではない。「弘前人物志」がいつのまにか、「弘前人物誌」となったが、肝心な点は「志」であり、そこを十分の理解して、子供達に接してほしい。

2. デジタル化着手 市立弘前図書館 史料5万点活用狙う
  弘前市教育委員会は8日、市立弘前図書館が所有する史料5万点について、来年度からデジタル化を本格的に進める方針を明らかにした。インターネットなどを通じて積極的に史料を公開、小中学校の教育や市内外の研究者に活用してもらい。これまでデジタル化されたのは(史料)の1割に満たず、情報発信などの観点から早急な整備を求められていたという。柴田弘毅館長補佐は本紙取材に「優先順位を配慮しながらデジタル化を進める方針。遠方の研究者にも活用してほしい」と話していた。


 市立弘前図書館には、津軽家文書など貴重な郷土関係図書が数多くある。こうした貴重図書は、一部の研究者を除いてわたしのようなアマチュア研究者には気楽に見ることができなかった。また代数調など先祖が弘前出身の人々には重要な書類では、逆に書類自体の破損が危惧された。オリジナルの図書、書類は重要ではあるが、大部分の研究者、子孫にすれば、デジタルデーターで十分で、全く問題はない。実際、1割についてデジタル化されているといってもそれは、国文学の図書で、そうした団体が自主的に写真を撮ってデジタル化しているだけで、郷土資料についてほとんどデジタル化されていない。あまり対応が遅いので、今年の春ころに、エプソンの本を見開きのまま読み取れるオーバーヘッドスキャナー「Scan Snap SV600」を図書館に寄贈しようと訪れ、趣意書とカタログを置いてきたが、当時、図書館の指定業者管理制度でもめており、人員の配置など検討事項が多く、できないとの返事であった。今回、ようやくデジタル化が決まったことで安心した。古文書などは、上記のようなスキャナーやもう少し上の機種を買えば、後は人力でデジタル化できるし、市民から募集してボランティアでデジタル化作業に参加する人を募ってもよい。古文書に興味があり、ある程度コンピューターにも精通する人であれば、問題ない。ただ予算的には一番厳しく、デジタル化がまっさきに必要なのは地図、絵図類である。大型の書類で何度も折り畳むうちに、折り目が破折するため絵図、地図はできるだけ開け閉めしたくない。さらに詳細に見るためには拡大できることが必要なため、絵図、地図が最もデジタル化が望まれる。ただ大型の書類なので、それをそのままスキャンする大型器材は東京にしかない、コピー代も高い。ここは地元の印刷屋と契約して写真で分割撮影し、結合するやり方(明治二年弘前絵図、明治初期地籍図もこの方法をとったが、うまくいった)の方が、大型スキャナーを使う方法よりははるかに安くなる。税金を使うのであれば、できるだけ安くすることを検討すべきである。図書館の所有する数十枚の絵図については、すべてこの方法でデジタル化は可能と思われるので、古文書(特に急がれるのは代数調や分限帳など、先祖調べに必要なもの)のデジタル化と並行して絵図のデジタル化を進めてほしいものである。ノウハウはすでに確立していて、問題はない。

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