2026年11月1日日曜日

岩木健康増進プロジェクトのすごさ 桜田一洋教授の生物力学理論との関連


弘前市の岩木地区(旧岩木町)では平成17年(2005年)から大規模な健康診査が行われている。今年で21年目となる。年々参加する企業が増え、検査項目も増えていき、今では3000項目、1000人を対象にした世界でも屈指の規模の研究となっている。


当初、こうした大規模な健診は、短命県返上の一環としてやっているものと考えていた。全国的に青森県はガンの罹患率、死亡率が高く、脳疾患、心臓疾患なども多く、男女とも日本ではずっと平均寿命が最下位の県である。こうした青森県の問題を追求して、少しでも平均寿命を長くしようとする政策の一環とばかり思っていた。


ところが最近ではこうした思惑とは完全に離れて、人類の今後の医療を大きく変える革命的な研究拠点になっていることがわかった。私も鹿児島大学にいた時は、高校、中学、小学校などに出向き、いろんな研究をしたが、例えば、咬合力と握力の2項目を測ることで、両者に有意の相関があるか、さらに説明する数式を導くような研究である。集団の傾向を調べる方法としては、これが研究の主流であり、岩木地区の健康診査もこうした流れの研究とばかり思っていた。ところが、今はAIの時代であり、これだけのビッグデーターをAIで解析させて何かの研究をするという発想である。


そのポイントは桜田一洋教授の生物力学理論というもので、体の反応の個体差の大きい人間では今後、どんな病気になるか、病気になった時に一番適した治療法、それを早期に防ぐにはいつ頃にどんなことをするのか、こうしとがわかれば、医療における革命的な変革となる。ただ単純なAI解析だけでは、多くの集団的な傾向を調べた論文の寄せ集めで、その解答には多くのハルシネーションという嘘が入り、医療行為として使うことができない。これを物理学的理論とAIの融合で、数式として表したのが、桜田教授の理論である。かなり嘘くさい、詐欺まがいの理論のように聞こえるが、ノーベル賞級の研究であり、日本政府も国家的な予算を与えて、研究を進めている。その理論の実証と実用化のための、実際の研究場が、この岩木地区の健康診査なのである。


まず1000名という数で3000項目、一人当たりの検診時間は4時間30分(3-8時間)という凄まじい規模の研究で、この検診が今年で21年間、膨大な情報量である。これを全てAIに吸収させて、桜田理論に不具合がないか、理論のほつれがないか検証しているのである。こうした理論が実証されていくと、大幅な医療費の削減、予防医療につながるので、日本政府もバックアップしている。


さらにマイナンバーカードは、今や健康保険証に変わってきたが、将来的にはこのカードに血液検査、レントゲン検査結果、投薬歴など情報が入るようになるし、医療機関の保険請求情報は完全に支払い基金に入っている。現在、多くの医療カルテは電算化されているので、これを政府に入れるのは個人情報の点で問題があると思うが、日本人全体の医療データーを日本政府が一元化することも可能となる。現在、1000名の岩木地区の健康診査で桜田理論が実証化すれば、今度は国立大学病院と手をくみ、医療履歴とその結果を突き詰めていくと、より精度の高いモデルができ、それが医療に応用される日も近い。例えば、がんの治療では遺伝子検査によりがん治療薬の選択をすることがあるが、AIによるより個別な治療法を選択できるようになる。さらにいうとちょっとした血液データ、レントゲン所見の変化で転移などがわかれば早期の治療ですむ場合もあろう。さらに飛躍した考えを言えば、1億2千万人の経年的な医療データを政府が持つことができれば、AIと桜田理論と組み合わせて、日本は世界の医療研究のトップになるし、このデータ活用に対して世界の製薬メーカから莫大な使用料を得ることもできよう。


短命県返上から始まった研究が、今では世界最先端の研究拠点となっており、その成果と実証は、全人類に多大な貢献をすることが期待されている。逆にこの理論の実証化が、今後の桜田一洋先生のノーベル賞につながる。桜田先生はヒトIPS細胞研究ではタッチの差で山中伸弥教授に負けたが、重要な研究に関与しており、その後、研究対象を変え、全く違う分野のAIを医療研究と結びつけた。世界に誇れる天才である。2019年にはこの調査に対して日本オープンイノベーション大賞(内閣総理大臣賞)を取っている。将来的には、人間ドックの結果も個人個人に合わせた精度の高い診断となり、病気が発症するまでの予防法、発症してからのオーダーメイド治療、それによる医療費の軽減、など医療を抜本的な変える可能性を持つ。