2008年3月15日土曜日
史上最高のゴールキーパ
史上最高のGKと言えば、ソ連のレフ・ヤシン選手が挙げられよう。現代では審判のユニフォームと混同するため禁止されているが、ヤシンといえば全身黒のユニフォームである。異常に長い手足とその守備範囲の広さから、ヤシンからゴールを奪うことは名誉なことと言われるほど、長年に渡り、ソビエトの代表ゴールキーパーをつとめた。現在でもワールドカップの最優秀GKに与えられる賞は「ヤシン賞」と呼ばれる。私がサッカーをしていた1968年ころにはすでに引退していたが、その頃から伝説のGKとなっていた。ヤシンのすごいところは横にくるボールを横っ飛びで捕るセービングという技術と、横からの高い球をキャッチ、パンチングするなどゴール前を離れて広い範囲を守る近代ゴールキーパーを完成させた点である。それまでのGKといえばゴールに張り付き、また女子サッカーのGKのようなしょぼいセービングであった。ヤシン以降今のGKができた。
イギリスのゴードン・バンクスもイングランド最高のゴールキーパーとして、今でも人気がある。名前の通り、イングランド銀行とあだ名されるほど、鉄壁の守備を誇った。とくにメキシコワールドカップのペレのヘディングを防いだセービングはすごかった。当時ワールドカップといってもNHKで何試合か放送するだけだった。この試合はたまたま放送され、中学生だった私にとって、このシーンで一気にバンクスのファンになった。その後交通事故で右目を失明するというニュースを聞いて本当に悲しかった。
通常のシュートはある程度軸足の方向で球筋を読めるが、ヘディングは全く球筋が読めず、本当に0.何秒という瞬発力が要求される。極端に言えば、ゴール前のヘディングシュートは正面以外防ぐことはできない。このペレのシュートは地面に叩き付ける最高のものであるが、これをバンクスはゴールから掻きだしている。ヘディングの瞬間に右足をふんばり、セービング動作に入らないと間に合わない。右からのクロスボールに対してペレがあそこの角度にヘディングするという予想がなければ無理だろう。
ゴールキーパーの理想像としてヤシンやバンクスのように大きく、手足が長く、がっちりした安定型というイメージは、ヨーロッパのチームや監督にはいまだに根強い。それ故、日本代表の川口のような小柄なGKはどうしてもイメージにそぐわないのだろう。川口のイギリス行きはその点でもきつかっただろう。
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