2011年2月15日火曜日
ベンガルこども新聞
知人のTさんのブログから引用
「
「ベンガルこども新聞」は、子供が記事を書き、学校のポストに投函、現地で取りまとめ東京に送信、東京では在日バングラデッシュの子供が日本の子供や技能者の取材を行い、編集を行いPDFファイルにして現地に送信、印刷、学校などに無料配布。現地でも絵を描いたり、取材をしたり、印刷の手伝いをする、すべて子供たちである。つまり、知ることを平準化せず、情報を金に換えないことでもある。それは「知って教えず、師あって学ばず、学んで行なわず」という現代が陥っている学びの心を取り戻すことでもあります。
予算は毎号3万円、筆者の仲間と毎月一万円づつ。それで1000部を作っているが、5万円で5000部を計画している。ページはあの夕刊フジの大きさで16ページ。もちろんカラーで写真付だ。
あのころ多くのベンガル青年が日本に滞在していた。その職種は土木、IT、機械工、飲食などだが、印刷工として精細な印刷技法をマスターした若者がいた。
その若者が意志を持って始めた新聞発行作業だ。
「こども新聞発行の社会的背景と目的 」
世界子ども白書(2008) の教育指標によれば、バングラデシュの初等教育純就学率(2000-2006 以下同様)は男93%、女96%であるのに対し、中等教育純就学率では男 44%、女45%となり、中等教育になるとその数値は約半数に激減します。このことから、バングラデシュのこどもたちは、義務教育を受ける機会が十分に与えられていなことがわかります。特に農村部では図書館が少なく、インターネットやテレビもあまり普及していないことから、こどもが学ぶべき情報量が絶対的に不足し、都市部と農村部の情報格差がますます拡大しています。
数年前まではバングラデシュ政府がキショルバングラという子ども新聞を発行していました。この新聞は教科書以外の情報源としてこどもたちに大変な人気があり、長年、こどもの精神的な成長に貢献してきました。しかし、近年、政治的な問題により廃刊に追い込まれ、現在のところ、それに代替するメディアがありません。こどもに必要かつ役立つ情報を提供し、母国語で正しい書き方を覚えるようなこどもの精神的な成長に貢献できるメディア、子どもが各自の能力を自由に発表できるメディア、こどもが夢をかなえる架け橋になるメディア、こどもと一緒に大人も楽しみ成長できるメディア、それがキショロチットロです。
ベンガルこども新聞サポート編集長
プロビール・シャカー
」
写真のようなきれいな新聞が発行されているのは、うれしい。
バングラデシュというと思い出すのは、ロータリークラブでお世話した米山奨学生 ミトラ・ビジョン・クマールさんで、彼は母国のヒ素中毒を解決すべく、弘前大学で水問題の研究をし、現在は大成建設に勤務している。バングデシュという国は、水には恵まれていそうだが、かっては汚れた水を飲むため、コレラ、赤痢などによる乳幼児の死亡率が高かった。そこで海外からの援助で多数の井戸が作られたが、今度は土中のヒ素により汚染が健康被害をおこしている。現在、約8000万人のヒ素中毒者がいるという。善意の悲劇と呼ばれている。さらに深い井戸が必要とのことで弘前ロータリーでも寄付を募り、クマールさんの計らいで2つの井戸を完成された。ただ抜本的な解決にはいたらず、脱ヒ素の浄化装置が必要で、クマールくんも大成建設で研究している。
彼のような国の悲劇を解決しようとがんばっている若者を支援している八戸のロータリー会員もすばらしいし、就職の斡旋をした大島前自民党幹事長、受け入れて、その方面の研究に取り組ませている大成建設もすばらしい。日本の環境技術をもっと生かすべきだし、日本政府も本気で取り組む課題であろう。何より、こども新聞といい、ヒ素問題にしても国のことを真摯に憂うるバングラデシュ人がいることが、心強いし、この国の未来に期待したい。
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