2011年10月6日木曜日
私の英語
英語。私はこの言葉だけは苦い思い出が多い。中学のころから、どうも英語は苦手で、成績もずっと悪かった。六甲中学、高校では英語の教師は、スペイン人のディアス先生とボストン生まれのハンコック先生、ペンネ先生であったが、いつも「君はどうしてそんな発音しかできないか」と言われ続け、どうもローマ字読みする癖があるようだ。生まれながら語学の才能にはほど遠いようである。
同級生のNくんもひどく、今は埼玉大学の教授をしているが、彼も黒板ふきEraserをイラセルと呼ぶほどであった。ある時、彼が「you come to here」を「ユウ カム ツ ヘル」と発音し、神父でもあるディアス先生が「おまえは私を地獄(hell)に来いというのか」と激怒していたが、笑えなかった。私も同様な発音をしていたからだ。後日、彼が英作家ジェフリー・アーチャの奥さんが日本に来た時、通訳をしていたと聞いた時には驚いた。
大学卒業後に矯正科に入ると、英文専門雑誌を読む必要性がでてきたが、これは専門用語だらけで、慣れれば1、2年で何とか読めるようになった。10年ほど前に三沢の米軍基地を訪問したことがあったが、そこで勤務している矯正歯科医と話していると、もう一人の一般歯科医はおまえらの言っていることはさっぱりわからんと嘆いていた。当然、矯正歯科医同士の会話はほぼ80%くらい専門用語と新しい矯正器材の話であり、一般のひとが聞いても全くわからないであろう。後で、そこに勤務する日本人衛生士からほとんど完璧に会話していましたねと言われたが、それは専門だからこそで、それ以外は中学生並みであろう。
そこで奮起して10年前から友人の歯科医師とアメリカ人、毎週火曜日の夜にお酒を飲みながら英会話を習っている。内容は政治、経済から学術書までありとあらゆる分野に関する会話だが、これが一向に上達しない。というのも、英語の予習、復習を一切せず、毎週辞書を片手に参加しているだけで、全く勉強していないからだ。それでも辞書を引き引き、どんな内容でも何とか会話する自信はできた。ようやく苦手な英語が少し克服された瞬間である。
ところが昨年、アメリカのボストンから来た高校生を4か月預かっていた。それも来た当初の4か月であり、全く日本語ができない。よっしゃ、得意?の英語でと会話したところ、これが全くといっていいほど解らない。こちらの言っていることは理解されているが、言っていることが聞き取れない。どうやらこれまでの3人のアメリカ人教師は日本人に合わせて簡単に、ゆっくりとしゃべっていることに気づいた。これにはすっかり自信をなくしてしまった。後日、アメリカ人教師に尋ねると、自分でも若者言葉をきちんと聞かないとわかりにくいよと慰めてもらった。よく考えると、この高校生は典型的な今風の若者で、彼のブログを読むと文法的には全くでたらめで、Getを本当に多用するし、どうやらボストン訛りがある。3年ほど前にサウスダコタの女の子を預かったときは割合わかったことから、中西部の方が訛りは少ないし、男より女の子の方が聞き取りやすいと考えた。しばらくすると少し、わかるようになったものの、その頃には彼の日本語の方が上達していた。
「銅メダル英語をめざせ 発想を変えれば今すぐ話せる」(林則行著 光文社新書)は、こういった私には本当にそうだそうだと頷くことが多い本だった。いい本です。著者は書く、読む、話す、聞くのうち、最も簡単なのは話すであり、難しいのは聞くであると言っている。全くその通りで、話すのは内容がきちんとあれば、何とか通じるが、聞く方は本当に難しい。話すのは自分のペースでしゃべれ、内容が重視されるため、極端に言えば前述したアメリカ人矯正医との会話のように単語の羅列だけで会話が成り立つが、聞く方はその人独特のテンポや表現があり、難しい。私の場合は、男より女の人の方が聞きやすいし、若い人より年配の人、ネーティブよりそうでない人(過去の経験からすれば、クロアチア人、イタリア人、ドイツ人、韓国人、インド人)方が聞きやすい。ただどうも中国人の英語は変に流暢でわかりにくい。
それでも外国人には、それほど抵抗はなくなったため、未だ拙い英語ながら、弘前に来た観光客には何とか話そうと心がけている。
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2 件のコメント:
おはようございます。
主人もlisteningには苦労をしているようです。仕事で英語で発表することもあるようですが、質問に即座に答えるのが苦手のようです。最近、友人からLiving Languageというソフトが安くてとても勉強になると教えていただきましたが、まだ試していません。。。
Les parapluies de Cherbourgの歌詞の字幕がスペイン語なのが少し残念でしたが、Catherine Deneuveは本当に綺麗です。最近の映画「隠された日記、母たち、娘たち」を観たいと思っています。
えんぴつ
商社にいる友人も、仕事の会話は大体内容が決まっていて問題がないのだが、パーティーでの会話が苦手だと言っていました。花の好きなご夫人と会話するとなると花の名前を知らないといけませんので。
60年代のファッション素敵ですね。ドヌーブのトレンチコート、今でも十分通用します。
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