2012年7月8日日曜日

アメリカからのお客様



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 アメリカからホウメイさんという方がわざわざ弘前までに来るというので、先週の木曜日と金曜日の午前中、弘前の観光名所を案内しました。ホウメイさんは、生まれは中国、育ちは台湾、そして台湾大学卒業後はアメリカに渡り、30年以上、今はオハイオ州、シンシナティー美術館の東洋美術の学芸員をしています。Decoded Message: The Symbolic Language of Chinese Animal Paintingという大著を書かれた方で、中国美術が専門ですが、須藤かくのことで知り合いました。今回の目的は、所蔵する安土桃山時代の源氏物語の屏風の鑑定と修復の相談のためで、東京と京都に来ました。その間をぬって、2泊で弘前まで来ていただきました。うれしく思います。


 到着日は時差の関係でお疲れのようでしたので、夕食後にそのままホテルで、次の日は朝8時半からまず、最勝院に行きました。ここでの観光のポイントは墓所の奥まったところにあるキリスト信徒の墓です。日本式の墓石の横に聖書の言葉が書かれており、珍しいと思います。翠明荘で昼食予定ですので、高谷家についてはここで説明しておきます。その後、弘前高校、隣の小さなお寺を見ながら、新寺町を歩いて貞昌寺に行きました。ここでのお目当てはもちろん、山田兄弟の碑です。台湾でも孫文、蒋介石によって揮毫された碑が同時に二つもあるのは見たことないようです。ついでの住職にお願いして、庭も見ましたが、本当にすばらしい庭で、靴を脱いでサンダルで入るようになっています。貞昌寺からはタクシーで一区画、今度は茂森の山観に行きます。ここはあまり観光スポットにはなっていませんが、隠れたスポットで案内するとみなさん喜びます。町の中に急に山深い森が現れるのにびっくりしますし、西国48か所巡りのミニチュア版もなかなかのものです。ここから禅林街に抜けるのがキーで、またまた景色が変わります。蘭庭院に降りてきます。ここには前もって連絡していましたので、栄螺堂のカギを借りて、中を見てきました。私も初めてで、まるで何かの見世物小屋のようで、大変いい経験ができました。ただ帰りに靴下を見るとベンガラの赤色がべったりついていて、スリッパを持っていくべきだったと後悔しました。ここから長勝寺に向かいます。ここにも前もって連絡していたので、係の方がそれは丁寧な説明をしていただき、大変ありがとうございました。また貴重な情報も得ることができました。禅林街を出て、次に藤田記念庭園に行きました。弘前博物館の方と11時ころに約束していましたので、庭の方は見ずに、洋館のテラスで少しお茶休憩をしてから、城内の弘前市立博物館に向かいました。ここも前もって連絡していたので、ホウメイさんと一緒に初めて事務所の方に行き、所蔵物の一部を見せていただきました。これも役得でしょう。お城の中を通り、文化センター隣の翠明荘で昼食、その後、津軽藩ネプタ村に行き、津軽三味線、ねぷた、工芸品製作を見学しました。ここも、まあありきたりですが、観光客には外せないところです。その後、仲町の武家屋敷を見学し、その後、再び西堀から弘前城天守閣をみて、文化センターのところからタクシーに乗り、一旦ホテルで休んでもらい、その後6時半から弘前パークホテル「響き」で歓迎パーティーを友人達と行いました。8時ころからは場所を変え、自宅でワインを飲み、あまり知識はないのですが、東洋美術のことを議論しました。こうした美術のプロに贈るプレゼントは悩みますが、私の好きな下澤木鉢郎の小品の版画「冬景色」、下澤の豆本「津軽」、コギン刺しの名刺入れを差し上げました。大変喜んでもらいました。今日はここまで。多少ハードスケジュールです。

 次の日は、青森市に行こうと考えていたのですが、弘前をもっと知りたいというありがたい希望がありましたので、弘前コンベンション協会の「津軽の奥日光・岩木山神社と高照神社めぐり」に申込みました。ひとり7500円ですが、「おおやま」の昼食、これは2500円しますが、昼食込みの値段で、半日タクシー貸し切りを考えると安いと思います。まず石場家住宅、これははずせません。革秀寺、ここでは為信廟に入ることができました。そして岩木山神社は狛犬の形がおもしろく楽しめました。また高照神社の宝物は質が高く、専門家のホウメイさんもびっくりしていました。特に絵馬についてはすばらしいと連発していましたが、コンディションについて大変心配していました。これは新しい展示館ができるようですので、今後は問題ないでしょう。あいにく天気は曇りで、スキー場まで行けば、少しぐらい岩木山を見られるかもと思いましたが、無理でした。そして観光館に行ってもらい、旧図書館、宣教師館などを見て、おおやまで食事をしました。ここの昼食は本当においしく満足しました。切符の手配もあるので、ここで分かれました。

 今回、観光客として久々に弘前を観光しましたが、どこも人々は親切で、世間で言われるほど弘前のホスピタリティーは低くなく、ホテル、タクシーの対応も含めて弘前の町は大変、美しく、やさしく、是非とも次回は娘と一緒に来たいと言っていました。外国人にとっても本当に魅力的な町であることを確認しました。

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