2015年8月17日月曜日

ダブル・エル・チノ





 最初にジーンズを履いたのはよく覚えている。小学校5年生の時で、尼崎の三和商店街近くのミリタリーショップへ母と一緒に行って、買った。当時はまだベトナム戦争まっただ中で、この店も米軍の放出品が中心で、店の片隅にジーンズが置かれていた。日本製は一切なく、確かリーバイスとリーの2点であった。子供用といっても種類はなく、その時に買ったのはリーのライダースというストレートなジーンズで、それ以後もリーのジーンズが好きで、中高校生のころはほとんど、このジーンズであった。大学生になると、本流のリーバイスも日本で手に入りやすくなり、501など古典的なジーンズを履くようになった。さすがに臨床実習をする大学六年生になると、ジーンズで患者をみるのはできないので、リーバイス社の別会社であるDockersのチノパンを履くようになった。当時、プロゴルファーの中でも、ゴルフ用のズボンを履かず、このドッカーズのチノパンを好む選手が多く、タイガーウッズも愛用した。股上が深く、動きやすいチノパンで、その後もずっと愛用してきたが、唯一の欠点は生地が弱く、すぐに糸がほつれてきて、破れる。破れては買うということを繰り返し、20本近いチノパンをはきつぶしたが、その後、ドッカーズ自体が日本から撤退してしまった。しばらくは在庫をオークションなどで買ってきたが、どうしょうもなくなり、ラングラー、エドウィンなどの他社のチノパンも試したが、結局はLLビーンのドレスチノが最もよいと判断し、ここ5年くらいはこれを中心に履いている。LLビーンのチノパンはきっちり作っており、生地も強く、気にいっているが、それでも軍用の要素が少なく、最近のミリタリーブームに影響され、昨年、ヒノヤのBuzz Rickson’s Early Mikitary Chino1945年モデルを注文した。アメリカ軍のオリジナルチノに近いもので、生地は素晴らしく、洗濯してもほのかな光沢は失われない。股上もまあまあ深いが、ジッパーでなくボタン止めにしたのがいけない。トイレにいく度に難儀する。

 そこで、今度もまたLLビーンに注文してドレスチノとダブルエルチノを注文した。ダブルエルチノパンツはLLビーンを代表するもので、定番商品となって、人気も高い。数年前に安くなったので、2本ほど注文したが、耐久性は抜群であるが、生地の光沢がすぐになくなり、けば立つ。ドレスチノに比べて、ここがウィークポイントである。定価でダブルエルチノが6900円、ドレスチノが9900円、3000円違うが、ドレスチノを選ぶ。冬はこのダブルエルチノの裏地付きをここ10年ほど履いているが、どうも最近買ったダブルエルチノは裏地付きのものや以前のものとは生地が違う。撥水性に優れ、ノーアイロンで、光沢も変化ない。非常にすばらしく、ドレスチノにかなり近づいてきた。定番とはいえ、少しずつ改良している。

 チノパンばかり履いて30年、耐久性をもう少しチェックしないといけないが、おそらくLLビーンのダブルエルチノパンツが、値段の割に最もよい商品といえよう。チノパンは上にポロシャツを着てもいいし、シャツにネクタイ、紺ブレの組み合わせもよい。応用範囲が広く、普段はチノパンの上に診療着を着て治療している。買ったばかりを写せばよかったが、洗濯4回目の写真である。生地が柔らかくなり、いい感じである。古くなると、家内に頼んで、短パンにしてもらい、夏はこれを履いている。


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