経営コンサルタントのショーン・マクアードル川上さんの学歴詐称が炎上している。アメリカのテンプル大学とパリ第一大学で学んだ後、ハーバードのビジネススクールでMBAを取得したとしていたが、これがすべて詐称であることが判明した。その結果、すべてを失った。テレビ、ラジオの仕事以外にも本職の経営コンサルタントの仕事もなかろう。
通常、雇用の場合、本人の持ってきた履歴書を信じるしかなく、わざわざ大学に問い合わせたり、卒業証のコピーの提出をすることはない。ばれることを考えると、履歴書に経歴を詐称するのは、躊躇われる。ましては今回のようにブログなどで自分の経歴、学歴を示すことは相当危険であり、怖いものしらずなのだろう。
ある本の著者(女性)の経歴をみると、東北大学医学部に入学するも医者に向かないと中退し、渡米してオハイオ州立大学の工学部航空力学科に入学し、さらにカリフォルニア州立大学で航空力学の修士、心理学の学部と修士を学ぶ。その間にFBIのインターシップを受けた。学部、修士卒業後は、航空会社に乗務員として勤務した。仕事の合間に小型飛行機とヘリコプターの免許を取得。祖母の経歴もすごい。戦前に東京帝国大学医学部を卒業後、陸軍軍医として南洋で勤務(女の軍医?)。終戦後は、ベルリン大学医学部の教職につき、さらに北京大学で勤務した.母親は東京のある医学部に入学したが、祖母がベルリンに行ったため、一旦休学し、日本に帰国後、医学部に戻るが、途中で米国の航空会社の客室乗務員となり、その後は宇宙の関する勉強がしたいと大学院で宇宙工学を学び直し、今は宇宙工学関連の研究員をしている。
著者、母、祖母ともかなり怪し気な経歴で、私などここまで読んで、うさん臭いと考えたが、読売新聞、女性セブンの記者、あるいは人権団体のメンバーなどはすべてこの経歴を信じ、今は大学教官である。少し知識のある人であれば、戦前、東京帝国大学医学部卒業の女性医師はいないこと、旧陸軍には女性軍医はいないことから、かなり眉唾の話と思うだろうし、航空力学の修士まで出たひとは何で客室乗務員になるのか(アメリカではこうした高学歴の人がなる職業ではない)、疑問に思うだろう。旧知の地元の新聞記者も取材をしようとしていたが、うさん臭いため、やめるように言った。著書のレビューも評価が高く、市町村などでの講演も多い。
こうした経歴を詐称する人も問題であるが、それをそのまま信じる方もあまりに多い。批判精神がない。ショーン川上のケースでも、コンサルタントとして売り出した大和証券、著書を発行したり、コメンテーターとして採用した朝日新聞、朝日放送などもひどいもので、とりわけ天下の朝日新聞の調査能力は週刊文春に遥かに劣っていることが判明したわけで、これでは慰安婦問題、南京事件でもだまされるはずである。マスメディアの最も重要な要素は批判精神であり、採用試験にもこうした要素をみる試験をしたらどうだろう。
4 件のコメント:
朝日新聞の従軍慰安婦強制連行記事、南京大虐殺記事に関しては、朝日が騙されたというよりも、朝日が「意図的に捏造記事を書いた」のではないかと思われますが・・・。
朝日新聞は従軍慰安婦問題については、吉田清治らのウソを見抜けなかったし、南京虐殺についても本多勝一は中国政府の情報をそのまま流しました。どちらもきちんとした批判精神があれば、真実がわかったはずです。私は大学生時代、朝日新聞の中国礼讃記事に影響され、文革に熱狂しました。当時から文革の実体を知るひとはいましたが、朝日新聞はまんまと中国政府の手先となり、結果的には日本人を騙しました。朝日新聞は、従軍慰安婦、南京虐殺でも真実とは違うとわかってからも「意図的に捏造記事を書いた」のは、そうだと思います。問題は簡単に騙される体質にあると思います。「田中角栄こそが対中売国者である」(鬼塚英昭著)は、飛躍がある内容ですが、真実を実証的に追い求めた佐藤慎一郎先生の紹介があり、おもしろく読めました。
従軍慰安婦捏造を書いた植村隆、南京大虐殺捏造の本田勝一、というのがどういう人物か調べれば、騙されたのか、記者本人(朝日新聞自体かも知れませんが)の強い意思で意図的に捏造したのか理解できると思います。植村隆の妻、及び、妻の母、というのを調べてみては如何でしょうか?
「本田勝一本多勝一」です。失礼しました。
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