2018年4月7日土曜日

弘前市長選挙


 現在、弘前市は市長選挙真っ盛りで、三人の候補者が連日、選挙活動をしている。結果は明日わかるが、無選挙で選ばれるよりは、こうした数名の候補者の中から選ばれた方が緊張感があってよい。昨今、東京都知事ではないが、国会議員や大臣よりは地方自治体の首長の方に人気がある。大臣であっても、国家の予算編成に口を挟みにくいが、市長、町長はそうしたことができるし、また役人の人事権も掌握でき、かなりやりたいことができる体制となる。実際、弘前市でも前の市長が何もしない方だっただけに、今の市長の行動力があり、次々に新しい事業が起こしている。お隣の青森市やむつ市も、同様に若い市長となったとたん、だいぶ変わってきた。こうしたトップの影響力の強いのが地方自治体である。

 私も弘前市の公務員とつき合うことがある。皆さん優秀な方が多いが、一方、民間に比べて責任が及ぶことを極端にいやがる。数年前になるが、台北経済文化代表処から弘前紹介の資料をもらう依頼を知人からあった。代表処というと大使館の相当するところであり、弘前市としては最大限の協力をすべき相手である。ところが弘前市の観光課に行き、そうした経緯をしゃべると、若い職員は丁寧に対応していたが、奥の椅子に座っている上司はこちらの話に聞き耳を立てているが、全く席から立とうともしない。自分を売り込むいいチャンスだが、変なことに巻き込まれるのを嫌い、何もしない。何かして問題を起こすよりは、何もしない方が怒られない。同じことは、文化センターで講演をした時もあり、講演に対する係員の対応にかなり怒ったことがある。電話で何度も確認しているのに講演当日、全く準備ができていなかったのである。事務室で、電話をとった職員と担当の職員を並べて怒ったことが、その時の彼等の上司は後ろの席に座って全く立とうともしない。いずれも触らぬ神に祟りなしか。

 民間企業でも何もしない社員はいる。ただ何もしない社員が昇進することは少ない。企業は、成果をあげて会社の利益に貢献することを社員に求めるため、何もしないで利益をあげない社員は一部の職種を除き、お荷物となる。一方、市町村、県の職員には、利益をあげる必要はなく、具体的な成果を求める必要性も少ない。民間会社では、今年度の売り上げ予想をして、それを達成するための戦略をたて、社員に徹底するが、公務員では、市長などトップがビジョンを立てて、それを下が実行する構図となる。腰が重い公務員を立たせることは難しく、長年培われた役人根性、いかに平穏に仕事するか、を打破するためには、トップの強いリーダシップが求められる。公務員にとって、最もよい環境は、今までの仕事をそのまますることである。毎年の行事であっても、昨年と全く同じやり方でするのが一番楽である。それを今回は変えようと言い出すと、多くの反対意見が出て、つぶそうとするし、協力を得られない。新しいことをするのを極端にいやがる体質なのである。とくにこうした傾向は、古株の上司に強く、上が新しいことに興味なければ、若手はそれに染まる。こうした公務員の上に立つ市長も大変である。

 一方、市民においても、問題があれば積極的に発言すべきで、以前、弘前図書館に本のデジタル化のために、書籍を簡単にスキャンできるScanSnapという機種を寄贈しようとして、断られたことがある。それほど高いものではないが、その時はコピーする人手がいないので、有難い申し出だがと丁重に断られた。ただ最近、図書館でも本のデジタル化が進められ、その一環として、この機種を購入し、係員が隅の方で貴重本をコピーしている姿をみる。また文化センターでもプロジェクターが古くて、新しいコンピューターと接続できず、学会などを盛んに誘致しているのに、ハード面がおそまつであると訴えると、すべて新しい機種に変更された。理不尽なクレームでなければ、市の方も市民の声には反応する。東奥日報の明鏡欄や市役所への投書でもよいし、市会議員を通して市へ要求してもよい。意外にこうしたブログも誰かが見てくれて、どこかで意見が実現することもある。

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