2021年1月10日日曜日

アメリカ人はバカ?


 昔から、胡散臭い話をすぐに信じる人がいて、例えばノストラダムスの大預言で1999年に地球は滅亡するという話を信じて、宗教に走った人もいた。よく考えれば、西暦はキリストが生まれたとされる年を元年として作られたもので、イスラム暦では1421年、皇紀2659年など、世紀末思想は西暦でなければほとんど意味を持たないものであり、これだけでも馬鹿げた予想とわかる。

 

 現在では、こうした嘘のニュースを信じる人は1999年当時より確実に増えており、その原因はフェイスブック、ツイッターなどSNSの普及とヤフーニュースのように最適化が図られ、個人の興味のあるニュースばかりが出てくる事による。具体的に言えば、アメリカ大統領トランプ支持派が見るニュースは、全て選挙は不正で、無効であるというものしかない。こうした人に限って、マスコミは信用できないと、新聞、本は読まないし、テレビは見ない。ひたすらSNSでまことしやかに流れる言動を信じる。

 

 今回のアメリカ大統領選挙で、まず流されたのは選挙会場でトランプ票をバイデン票に差し替える映像である。選挙用紙を納めたトランクから用紙を出しただけの映像なのだが、全く違った解釈が行われた。普通に考えるなら、これほど大胆な選挙不正が行われるはずがない。その後、連邦最高裁判所でバイデンの当選が否決されるとフエイクニュースが流れ、選挙不正が却下されても、裁判官に問題があるとなっている。さらに、これは重要な隠蔽工作だというのが、バイデンの当選に決定的な影響を与えるデーターがあるドイツ、ハンブルグのCIAが運営しているサーバー会社にアメリカ特殊部隊が攻撃して死傷者が出たというニュースがあった。これもその後、全くフェイクニュースであることがわかった。現在、1月の中頃、そろそろトランプ大統領の命令で戒厳令が施行され、バイデン一味を逮捕するというニュースが出ているが、これも全くの嘘っぱちであろう。

 

 2005年、アメリカの台風、カトリーナがフロリダに上陸し、甚大な被害があった。その折、黒人たちが商店に乱入し、そこに置かれた商品を次々強奪したが、その映像を見て、ある白人は黒人はああいうことをすると怒っていたが。私にはアメリカ議会になだれ込むトランプ派の白人もそれほど変わらないように思えた。私の周囲のアメリカ人の多くは反トランプ派であったが(多分、インテリが多いので)、実はアメリカの白人の70%が今回の選挙ではトランプに投票したようで、このことは反トランプの白人は例外的で、多くのアメリカ人白人は、連邦議会に侵入した暴徒と同じであると考えたほうがが良い。終戦後、アメリカ人は優しい、紳士であるというGHQの宣伝のせいか、こうした武力的、人種差別、強権的なアメリカ人の姿はずっと日本人の心から消えていたが、今回のアメリカ議会の侵入の映像は、単に民主主義に反するという綺麗ごとではなく、イスラム圏内で嫌われるアメリカ人の醜い側面を見た思いがする。そうした意味ではトランプ大統領はアメリカ国内に大きな対立を作ったことは間違いない。

 

 どうも日本では明治時代から白人を礼賛する空気があるが、ことアメリカ人に関していえば、西部開拓時代にインディアンを皆殺しにする、平気で日本で原爆を落とす、世界で一番戦争を起こす、トランプを大統領にする“愚かなアメリカ人 stupid American”ということがよくわかった。

 

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