2024年9月1日日曜日

明鏡欄”雪で訪日客呼び込めば” 解説

 











ここに面白い図がある。雪の降る世界の地域を示したもので、北半球を中心に雪の降る国はたくさんあるものの、豪雪地域、最深積雪量が50cmを超える国となると、北米の一部、カナダ、北欧、ロシアの一部と日本(東北、北海道)に限られ、とりわけ多いのは、世界一の青森市、二位の札幌市、三位の富山市となっている。日本の北陸、東北、北海道が世界でも最も雪の降る地域であることは間違いない。雪が降るためには気温が低いと同時に、降水量自体が多いところでなくてはいけない。北半球の多くの地域は、気温は日本以上に低いが、降水量も低いために多量の雪が降らない。

 

逆に言えば、世界中の半分以上の国、アフリカ、東南アジア、インド、南米の国も人たちのほとんどは一生に一度も雪を見たことはない。人数で言えば、20億人以上の、さらにいうなら、スキー場以外で身長を超える雪を見た人はほとんどいないと思う。私たち、北国の人が羨ましく思う光景に、南国の海岸で、太陽を浴びて寝そべるシーンがあるが、そうした光景はハワイも含めて世界中の至る所にあり、それほど珍しい光景ではないが、逆に周りが背丈以上の雪に囲まれる地域は、ある意味、ピラミッド同様に絶景と見なされるところかもしれない。

 

先日、台湾―日本合作映画、「青春18×君へと続く道」という恋愛映画を見た。日台の有名俳優が出ていて、面白かったが、随所に日本の雪景色が出ていて、美しい。こうした雪景色に見慣れた青森人にとっても美しいと思う景色は台湾の人々からすれば、本当に一度は見たい景色だと思うし、ベトナム、タイ、インドネシア、インド、アフリカ、南米の人にとっても夢みたいな光景であるに違いない。雪の多く降る国、例えば、北欧のさらに北の地域、アメリカ北部、カナダにしろ、まず宿泊設備が少ない上、アクセスも悪く、観光地としても魅力に欠く。それに引き換え青森県で言うと、まず雪意外にも温泉がある、さらに冬の魚はうまい、酒もうまい、そして東京から飛行機で1時間というアクセルも良い上に、冬は宿泊客の少ない時期のため宿泊料も安い。またスキーやスノボなどの冬のスポーツをしてもよい。

 

これは最高の観光地の要件を満たしており、ベトナム、タイ、インドネシアなどの国も国民所得が高くなり、日本も観光旅行として行ける国となってきている。1980年代に日本人も初めて海外旅行としてまず選んだのが常夏の国、ハワイであったように、暑い国の人からすれば、彼らのハワイは、北海道であり、北東北なのである。一生の中で一度は、雪にダイビングしてみたいという夢を持つ人も多いと思う。

 

それでは、日本は雪という最大の観光資源をインバウンドに活かせているかというと、それほど効果的な宣伝がないために、うまくいっていない。「青春18×君へと続く道」の映画の中でも30年前の名作、「Love letter」が紹介されている。この中山美穂と豊川悦司が主演のラブストリー映画であるが、この映画をみて北海道に来る台湾、韓国、ベトナムの観光客はいまだに多い。おそらく「青春18×2 君へと続く道」も台湾、韓国、ベトナム、カンボジアなどでもヒットしており、今年の冬は聖地である福島県の只見にも多くの観光客が訪れるだろう。

 

個人的は、雪景色に囲まれた温泉に美女が浸かるシーン、できればベトナム、タイ、インドネシアの有名な女優さんがいいだろう。そして魚を中心とした料理を食べるシーン、友達同士で雪合戦、スキー場でのスノボー、カマクラでの餅を焼く、雪下ろし、まあこうした映像を中心に1分くらいにまとめ、各国のゴールデンタイムを中心にスポット広告を行う。同時に地下鉄の車両でもスポット広告を行う。また人気の番組スタッフに企画を出して、こちらでの費用は全てこちらが負担して、旅番組をしてもらう。YouTubeやインスタもいいのだが、やはり東南アジアではテレビを主体とした広告が大事ではなかろうか。台湾については、日本ブームが長く続いているので、青森空港を利用した魅力的な冬のパックを用意すればいいだろう。中国やベトナム、タイ、インドネシアなどの東南アジアについてはまだ北東北の認知力は低いので、テレビ、雑誌を中心としたCMを多く、そして長く流して欲しい。














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