2024年10月11日金曜日

ジジイのファッション


若い頃は、顔は悪い、スタイルも悪い、さらに金もなかったが、結構おしゃれであった。家内との若い頃の写真を見てみると、綿パン(チノパン)、ボタンダウン、レジメンタルタイ、紺ブレ、コインローファーといった鉄壁のアイビースタイルであった。情報はメンズクラブとポパイという2つの雑誌を毎月購入し、金を貯めては仙台の三峰というアイビーファッションの店に通っていた。大学四年生頃になると、アイビーでもプレッピーというアメリカ西海岸の少しカジャルなファッションが好きで、次第にチノパン、ジーンズ(リーバイス501)、ブルックスブラザーズのボタンダウンシャツ、ラコステのポロシャツ、靴はアディダスのスタンススミスをよく履いた。冬になると、ネルシャツ、ダウンベスト、60/40パーカーに、ワークブーツ(レッドウィングは買えなかった)という感じで、赤のタウチュのデイパックに教科書を入れて、片倉?のロードレーサーで通学していた。ほとんど雑誌ポパイで紹介されていたファッションのモノマネである。

 

大学を卒業してから、小児歯科の医局に入ったものの、アパートから徒歩10分、その後、鹿児島に移っても大学まで徒歩10分、宮崎では徒歩5分、その後、開業して自宅を建てると家から診療所まで徒歩8分と、ほとんど通勤になっていない。大阪や東京のような家から職場まで電車で通勤するとなると、きちんとした格好をするだろうが、家から職場まで5-10分となるとほぼ室内着のまま行き、私の場合はそこで白衣を羽織る。

 

数年前までは20年間ほど、弘前ロータリークラブに所属して、週一回の例会や各種の大会に行くときは、きちんとネクタイしたものだが、退会してからは、ネクタイをすることもほとんどなくなった。最近では、おしゃれというよりは、ますます体に楽な、動きやすいものばかり選ぶようになり、たまに外出、あるいは旅行に行くときも、こうした格好をするようになった。

 

まず靴については、若干外反母趾の傾向があるので、幅広のもの、それも歩きやすいスニーカばかりである。特にニューバランスの9904Eという幅広のものを10年以上前から使っている。2足を交代に履いているが、流石に雪道は無理で、雪の降る12月から4月くらいまではスノーブーツとなる。いろんなスノーブーツを履いているが、滑らない靴というのはなく、最近はコロンビアのブーツを履いているが、宣伝ほどは滑らないことはない。パンツは、LLビーンの裏地付きのダブルエルチノパンが一番暖かい。下着は普通の半袖Tシャツに、パタゴニアのベースレイヤー、キャプリン、ミッドウエイトかサーマルウエイト、sさらにその上に、パタゴニアのR1,R2,R3を羽織る。アウターは、最近はアークテリックスのベータジャケットというのを着ているが、さらに寒くなると、エディバウアー、LLビーン、ナンガのダウンパーカーあるいはワイルドシングスのモンスターパーカを着ている。これでほぼ毎日のルーティンとなる。

 

若い頃は、毎日同じ服を着るのに抵抗があったが、最近は、普通のネルシャツやボタンダウンシャツ、あるいはセーター、ジャケット、コートも着ることはここ10年ほどは、ほとんだなくなった。同じようなカジュアルウエアーをひたすら着回している。多少高くても、例えば、最初のパタゴニアR2はすでに20年近く使っており、まだまだ着れそうである。服を着なくなる理由のほとんどは、流行遅れ、サイズが合わないなどであり、また着ると疲れる服も嫌である。楽な服、楽な服と追い求めていくと、どうもアウトドアの服になっていくようである。本格的なものになるほど、山登りに必要な軽量で、動きやすく、暖かい、あるいは汗を吸いやすい、臭いがしない、など、年寄りの要求に適っている。ここ20年の年寄りのファッションで昔と違うのは、リュックを背負い、スニーカーを履いている老人が多くなったことである。これは若者ファッションであったが、リュックで両手が使える、スニーカーの方が歩きやるいという老人の率直な気持ちの表れである。



 

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