2024年10月17日木曜日

東京のホテルが高い


 

徳島、ホテルリッジのバスルーム

ニューオータニ 一泊15000円くらいだった


ニューオータニ バスルーム

昔から旅行に行くときはできればいいホテルに泊まりたいと、全国のまあまあのホテルに泊まってきた。

 

東京でいえば、フォーシーズン椿山荘、帝国ホテル、メトロポリタン丸の内、ニューオータニ、ヒルトンホテルなど、大阪ではリッツカールトン、ヒルトンホテル、京都ではハイアットリージェンシー、軽井沢では星のや軽井沢、徳島ではホテルリッジなどなどである。このうち、軽井沢は娘の結婚式のために泊まったものの、食事なし二名二泊で20万円かかり、相当にびっくりした記憶がある。それ以外の全てのホテルはJTBの交通機関と一体になった格安パック旅行で、飛行機、電車代がいくらかははっきりしないが、それでも一泊一人2万円以上のところはなかった。多くは1万円代で、唯一、徳島、鳴門市のホテルリッジは夕食、朝食付きだったので一人3万円くらいはした。

 

ところが最近では、どこに行くのも、特に東京のホテルがあまりに高くて驚いてしまう。インバウンドによるものか知らないが、感覚としては2倍以上になっている。先にあげた東京のフォーシーズン椿山荘で平均宿泊料金は54000円、帝国ホテルで76000円、メトロポリタン丸の内で39000円、ニューオータニで40000円、ヒルトンホテル70000円、大阪のリッツカールトンが53000円、京都のハイアットリージェンシーが83000円、軽井沢の星のや軽井沢は300000円くらい、ホテルリッジは100000円くらいとなる。昔、10年以上前に比べると2倍どころか3、あるいは4倍くらいの値段になっている。

 

中級以下のホテルについても、値上がりしているが、せいぜい2倍ほどでそれも平日はそれほど高くないところが多いだけに、高級ホテルの値上がりが異常である。家内と旅行する場合が多いが、一泊、二人で10万円以上はとても無理である。二人で3万円以下の安いホテルに泊まり、美味しい夕食を食べた方がよほどマシである。

 

おそらくさまざまな要因がホテル代の高騰に繋がっているのだろう。まず円安の影響が強い。高級ホテルは元々、海外からの旅行客が多いため、例えば、一泊一人200ドルとしていたとしよう。以前のように一ドル110円の場合は22000円だったのが、一ドル150円になるだけで30000円となる。さらに十年前くらいから宿泊費は変動料金となり、ホテル側で好きな価格をつけられるようになると、まず金曜日、土曜日など週末や休日価格が平日価格の2倍くらいとなり、さらにインバウンドの影響で外国人客が異常に増えたので、平日価格も上昇した。また人件費の高騰に伴い、価格はさらに高くなり、そして昨今、アマン東京、ブルガリホテル東京など一泊20万円以上の、最高級ホテルが作られ、他の高級ホテルも軒並み宿泊料金が上がり、今の状態となっている。

 

さらに言うと、こうしたホテル料金の高騰は地方まで波及してきており、特に地方でも外国人旅行者の多いホテルは強気な料金設定をしている。例えば、青森でもランプの宿で有名な青荷温泉、鯵ヶ沢のグランメール鯵ヶ沢、弘前駅前のアートホテルも高くなっている。それでもまあしれたもので、値上がりと言っても十年前の1.5倍くらいで、まだ可愛いものであるが、それでも一泊一名で1万円くらいはかかるようになった。

 

同様に東京のフレンチ、日本料理、寿司などの高級店の価格も高くなっている。海外の話を聞いていると、昼食でも2-3000円くらいは普通とのことで、彼らからすれば日本の料理はバカみたいに安いのだろう。そうしたこともあり、2、3万円の寿司は高くないのである。単純に海外の物価高、賃金上昇、為替によるものであり、もし20年前の一ドル80円くらいであった時であれば、アメリカの昼食は1000円くらいで、それほど高くない反面、日本に来て寿司の値段が300ドルもすれば流石にアメリカ人も食べないであろう。

 

ドルー円の為替は、二年間までは長い間、1ドル110円前後であった。20年前は1ドル80円くらいであった。今は大体1ドル150円前後で推移しており、2年前のおよそ4割、20年前の2倍になっている。こうした変化は、安倍元首相の時代から始まり、実体経済に比べての円の価値の低さのために、輸入は好調、株価は上昇した。その皺寄せが今のところインバウンドの影響を受けているホテル、飲食店の極端な料金高騰を招いている。当然、一般物価の高騰とそれに伴う給与の上昇が次の段階にくる。これからの物価の上昇は、ある程度は覚悟しておかなくてはいけないが、高級ホテルのような十年ほどで宿泊料金が数倍になるような物価の急速な上昇は避けて欲しいし、もう少し実体経済に沿った円相場、おそらく一ドル110円程度の為替に戻って欲しい。ドル為替で言えば、中国人民元は20年前までは固定で1ドル、8.27人民元であったが、今は7.25-13%)、2年前は6.37(-23%)と、日本円ほどの変動はなく、円―人民元の為替は12年前は0.077であったのが、今は0.045くらいと半分くらいになっており、中国人にとっても日本は安い国になっている。ユーロについてもほぼドルと連動しており、為替だけで言えば日本だけが安い構造となっているが、なぜかここ2年は全く是正されていない。ドル/円の為替については、誰も予測できない。

 







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