2010年1月17日日曜日

北欧陶器 Alev Ebüzziya Siesbye




 北欧陶器については、最近はお休みです。インターネットではちょくちょく検索はしていますが、これはと思うものはなく、先に紹介した作品以降買ったのは、デンマークの作家グナー・ニールンドのボウルくらいでしょうか。このボウルはラージとスモールがあり、カラーも何種類かはありますが、代表的なブルーのラージのものが安くでていましたので、オークションで買いました。ニールンドの代表的な作品で、そういった意味ではあまり面白みのないものですが、それでもこの色は魅かれます。

 北欧陶器も最近のものは、あまりにデザイン化されすぎて、暖かみを感じられませんが、1950-60年代のものはいかにも北欧といった感じで好きです。最近の作家の中で、一番注目しているのは、トルコ出身、デンマークの作家で今はパリに在住しているAlev Ebüzziya Siesbyeという作家です。底の部分が極端に狭く、あたかも空中に浮かんでいるようなフォルムでいながら力強さを持っています。カラーもデンマークのパルシュスをイメージさせるような深い色合いで、何だか、イスラム教のモスクをイメージさせます。モスクというと丸い形をした、イスラムタイルを貼った秋空のような青をイメージしますが、彼女の作品も同様な感触があり、母国トルコの影響と北欧の伝統が融合されたものをとも言えます。昭和天皇がデンマークに行かれた折にお土産として渡されたようです。サマルカンドと言えば、モスクの美しさ、特にサマルカンドブルーと呼ばれる美しい青色の塔が有名ですが、このドームを陶器で再現したのが、彼女の作品ではないでしょうか。あの壮大な寺院を彼女は陶器という形で表現したのかもしれません。

 彼女のインタビューの中
(http://www.arslonga.jp/monthly/interview/interv007.html)で日本について次のように発言しています。「コペンハーゲン装飾美術館長のランセン氏が「僕がすべての(デンマーク人)陶芸家達に日本へ行くことを禁じたいのは、彼らが日本から戻ってきた時に、まったく日本人化してしまうからなんです」と話したことがありますが、私はまったくその通りだと思います。」

 日本ほど陶芸が愛されている国はありません。お茶の文化によるのかもしれませんが、古くから多くの作家がいるのは、それなりに売れるからです。西洋の国ではお客様用の食器はあっても、せいぜい何種類くらいで、日本の家庭ほど多くの、種々雑多の食器はありません。手に持った感触、見た目の良さで、気に入ったものがあれば、買ってみますし、日常生活にも使っていきます。また陶器に対する愛着も大きく、中国、韓国の名品の多くは日本にあります。陶器は実際に触れて鑑賞できる唯一の芸術品であり、日本人の性格に合ったものなのでしょう。

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