2010年8月24日火曜日
長井充ピアノコンサート
先週の日曜日に家内と一緒に長井充さんのピアノコンサートに行ってきました。いつもよく行くレストランの入口にたまたま長井さんのピアノコンサートのパンフレットがあり、入場も無料ということでしたので、早速、近くの日弘楽器で整理券をもらってきました。
クラッシックのコンサートに行くのは本当に久しぶりでした。会場は弘前学院大学の礼拝堂で、こじんまりした建物でしたが、100人を越えるひとでいっぱいでした。
長井さんは1934年生まれの76歳、大阪音楽大学の創始者の孫として、3、4歳ころから英才教育を施され、東京音楽大学に進まれました。大学3年生の時に指が全く動かないというピアニストとしては致命的な病気になられましたが、奇跡的に神の聖霊の力により回復されたとのことです。長い間、武蔵野音楽大学で教職につかれ、コンサートデビューは70歳を越えてからだそうです。
会場には赤ちゃんや小さな子供もいて、子供のことですから、演奏中も騒ぐこともあり、危惧しましたが、長井さんは一向に構わない様子でした。むしろそういった雰囲気を楽しむように自分の音楽を淡々と演奏していました。
曲名は、素人を対象にしているため、よく知られた曲を演奏していましたが、非常にリラックスした演奏で、派手さはないが、本当に感動しました。本人曰く、若い時より手が動くようになったと冗談でもなく語っていましたが、本当でしょうか。最近のピアニストは譜面を正確に機械のように引くため、演奏自体はすごいと思ってもそれほど感動もありません。長井さんのピアノは、ショー的な要素が少なく、それだけこういった小規模な会場の雰囲気もあり、心にしみ込む感じがします。観客からのリクエストにも答えてくれ、それを演奏していただきました。最後まで大変家庭的な雰囲気で演奏会は終わりました。とくにベートベンの月光は、ドラマティックな演奏ではありませんが、何だか涙がでました。
受付で長井さんのCDを買って、家でも聞きましたが、それほど感動はなく、やはりライブ、それも小さな会場で聞くのがいい演奏家なのでしょう。同じようなことは他のひとも言っていました。たまにはライブの演奏も聞きにいくべきだと感じた次第です。
こういった演奏会を企画し、実行するのは大変だったと思います。関係者の方々にいい演奏が聞けて大変感謝します。
YoutubeにElly Neyというドイツのベートベンピアニストの月光の3番がありました(http://www.youtube.com/watch?v=5z-NlloM7TE)。82歳の時の演奏です。ほとんどスコアーがあってないような演奏ですが、妙に心に残ります。画家もそうですが、若い時のようには華麗な演奏はできなくとも、芸術家は年齢に沿った演奏ができるのでしょう。当たり前のことですが、細密な絵がよくて、大雑把な絵はよくないというのは芸術とは全く関係ないことです。あるブログに長井充さんはピアノをもっていない日本で唯一のピアニストで、アパートで古いキーボードで練習していると紹介していましたが、まさかそれはないでしょう。
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2 件のコメント:
はじめまして。
テクニックという呼び方をするなら素晴らしいテクニックという表現でしょうけど、結局、作曲者の魂と直接交流されているような演奏だなあと感じます。作曲者の魂と長井先生の魂の融合なのでしょう。
年末にコンサートがあり、小学生の娘といってきます。
涙が出る、感動するというのは、頭で考えて出るものでは、ありません。長井さんの演奏は、そんな心、魂にふれるもののようです。娘さんと楽しんでください。
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