海上自衛隊の悲願であった24DDH、「いずも」が今日進水した。新造艦としては世界で最初の航空母艦「鳳翔」(「風立ちぬ」にも出ていました)以来、日本海軍は、改造空母を合わせると40隻も作った空母王国だっただけに、戦後、68年目にようやく空母を持つにいたった。正式な名前はヘリコプター搭載護衛艦というあいもわからない名であるが、これは誰がみても、軽空母、ヘリコプター空母である。全長は248mで、「加賀」が全長248.6mなのでほぼ同サイズである。幅は「いずも」が38m、「加賀」は32.5mなのでいずもの方が若干広い。排水量はいずもが19500トン、加賀は26900トン、速力はいずもが30ノット、加賀は28.3ノットである。エンジンはいずもがガスタービン112000馬力、加賀は蒸気タービン125000馬力で、性能的にも近似している。
加賀は常用72機、補用18機の最大90機の飛行機を積めたが、いずもはヘリコプター14機が最大とされているが、甲板にも配置すればもう少し積めそうだし、F35Bであれば、同数の14機程度は積めると思われる。最近、就航した中国海軍の空母「遼寧」は43000トン、長さ305m、幅73mと二周り大きい船体であるが、最大速力が最大のなぞで、高出力エンジンをどこまで完成しているかはわからず、速力も19ノットから29ノットと幅がある。この空母は練習艦であるため、現在、建造中の空母からが正式空母となる。
日本の場合、外洋に進出して、威嚇行動を起こす必要がないため、これ以上の大きさの中型空母は予算的に厳しく、「いずも」型軽空母はあと1隻、来年竣工予定で、2隻体勢となる。オスプレイは「ひゅうが」にも先の日米演習で着艦訓練が行われたが、ぜひとも「いずも」にもオスプレイは欲しいものである。ヘリコプター以上に活躍の場所は多いと思われる。零戦の価格は、現在価格にして約1〜2億円と推測されているので、加賀搭載の72機でF35Bの一機分にも足らない。「いずも」の建造費が1200億円程度だが、仮にF35Bが一機200億円とすれば、6機分にあたり、今や船より航空機の方が高いのである。オスプレイにしても70億円以上で、船体より上物が高いのが今の時代である。それでも災害救助の観点からは、オスプレイの価値ははかりしれない。
一番新しい、「いずも」の進水式の動画を貼付けるが、それにしても大きい。20年前であれば、このような空母の建造は考えられなかったが、中国、北朝鮮の軍事的脅威が、こういう状況に至った。ある意味、日中の軍人、軍事産業関係者はとも実際の戦争はしたくないが、できれば、防衛問題が話題となり、軍事費の増大を勝ち取りたいのが本音であろう。
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