知人の女の方が、7、8年も不妊治療を受けていた。体外受精も5、6回行い、妊娠するも、その度に流産する。この理由として、胎児を異物として排除する仕組みが働くようである。そのため、異物として認識しないように、夫のリンパ球を注射するような治療や、さらに妊娠中に流産しないようにガンマグロブリン療法という保険外の治療を受けていた。費用も100万円以上かかったが、それでも何度もの妊娠、流産を乗り越えて、何とか出産でき、本当に良かった。
一方、たった一回の過ちで妊娠し、経済的な理由で人工妊娠中絶を受ける若者が後を絶たない。
こういった事柄を考えると、動物としての男女には相性があるように思われる。動物としての一番大きな義務であり、本能は子孫を残すことである。そうしないと種族自体が滅びてしまう。人間も同様に子孫を残すことが、動物としての人間の大きな使命となる。昔は家を残すことが最も重要であったので、結婚しても子ができない場合は、離縁されることがあった。子孫が絶えると、家がつぶれてしまうからである。仮に子供ができても女の子であれば、家を継ぐことができないので、男子の出産が望まれた。それでも女子でも子供がいれば、養子をもらって家を継いだし、子供が早く亡くなったり、新たな嫁をもらっても子供がない場合は、親類から養子をもらった。
不妊症の割合はほぼ7人に一人、体外受精児の割合も近年には30人に一人になっている。不妊治療の発達も日本の人口減少を食い止める大きな手段となっている。不妊の原因としては、色々あるが、特に男女とも検査をしても異常がない場合も多い。こういったカップルは妊娠という点では相性が悪いということになる。お互い、好き同士になって結婚しても体の相性が悪いとも言えるのかもしれない。これを遺伝子的な説明をすると、流産をするa遺伝子があるとすると、男がAa遺伝子を持ち、女がAa遺伝子をもつ場合、妊娠した胎児がaa遺伝子の場合、流産することになり、Aa遺伝子の場合は成育する。AA遺伝子同士の男女の場合はかなり流産の可能性は低くなることになる。こういった単純な遺伝子の話ではないと思うが、これが血液型に当てはめると、男子ではO型が、女子ではAB型がもっとよく、逆に男子AB型、女子O型が最も出産しにくい組み合わせとなり、実際に妻の血液型がO型の場合の妊娠率は40%、AB型の場合は70%、夫の血液型がO型の場合は55%、AB型の場合は45%となる。組み合わせをみると、妻の血液型がAB型の場合、夫の血液型がA、B、AB型とも70%くらいの高い妊娠率を示すのに対して、夫の血液型がAB型の場合、妻の血液型がO型の場合は12.5%と一気に下がる(国井クリニック、ブログより)。こういった妊娠率と血液型が関係するように、流産率も何らかの遺伝子が関係するのであろう。
ただし、これはあくまで出産を目安とした男女の相性で、それよりもっと大事なのは心の相性であるのは言うまでもない。性格的な相性を見つけるには、握手がいいということを聞いたことがある。相手の手を握り、その感触、暖かみが、フィットする人とは相性がいいというのである。確かに男女とも握手をすると、何となく、自分とフィットするか、わかるような気がする。
0 件のコメント:
コメントを投稿