2015年9月22日火曜日

ヤフオクでスーツを買う



 私の場合は、サラリーマンと違い、スーツを着る機会は非常に少ない。以前は学会に行く時は、必ずスーツを来ていたが、最近ではラフな格好で来る人も多いため、演者でなければジャケットで行くことが多い。また週一回、弘前ロータリークラブの例会に参加するが、これも夏場はクールビズでノーネクタイ、他の季節もジャケットで行くことが多い。そのため、持っているスーツは夏用と春秋用の2着のみである。夏用はブルックスブラザースの定番モデルで、もう一つはイタリアのカンタレリというメーカーのものである。この二つのスーツでここ数年過ごしてきた。

 ところがこのカンタレリのスーツが最近、袖口が時計にこすれて痛んできた。尼崎のナカガワという店で15年以上前にカンタレリの紺のジャケットを買ったが、既製品にしては肩周りが驚く程軽く、ジャケットは裁断により着心地がずいぶん違うと初めて知った。他のジャケットに比べても、カンタレリが一番、着心地がよい。そこで奮発して、といってもバーゲンで大幅な値引きがあっと時だが、カンタレリのスーツを、10年前にナカガワで買った。このスーツは、生地がイタリアのロロ・ピアーノなのはいいが、スーパー120という細い糸で織ったもので、すぐに皺になる。一回、着るとアイロンが必要で、あまりいい生地も困ったものである。4年前にロータリークラブの会長になった時に、着る機会も多くなると思い、スーツの新調を考えた。もちろんカンタレリのスーツを購入しようと考え、ナカガワに久しぶりに行くと、すでにカンタレリの扱いはやめ、ベルベストというブランドにかわっていた。このスーツも非常に着心地がよく、一瞬心が動いたが、値札もみると20万円以上し、さすがに諦めた。

 その後、暇つぶしにヤフーオークションで“ベルベスト スーツ”で検索していると、新品のスーツが1万円とのこと、早速、入礼すると、出品時間が迫るにつれ、金額が上がってくる。出品者が値を上げるやり方と感じ、落札は諦めた。先日、オークションで“カンタレリ 50”で検索していると、39800円で新品が出品されていた。色は黒、サイズは50、パンツのウェストは6と、前に買ったスーツとはサイズは一致するがウェストが7から6と大きい。ちなみにイタリアサイズのウェストは(50—6)×2の88cmということになる。2cm大きくなったサイズで、最近太っているのでまあいいかと入札した。

 入札者は私だけだったので、この値段で落札したが、39800円といっても、スーツだけは合わなければ、無価値である。どぶに捨てたことになるため、到着して試着するまでは随分緊張した。定価は184000円、生地はフラッテリ・タリア・デルフィノというロロ・ピアーナに並ぶ高級生地メーカーのものである。当たり前と言えば当たり前だが、前に買ったスーツとサイズは全く同じで、袖が3cmほど長いのも同じである。私の足は標準よりかなり短い方だが、腕の長さは標準で、日本製で袖を縮めたとこはないが、イタリア製では必ず3cmは長い。ナカガワで買ったジャケット、スーツは袖部分で縮めてもらったが、弘前の洋服直しの店にいくと、袖部分の修正は2.5cmまでと言われ、仕方なく袖部分の切羽と呼ばれる袖周りのボタン飾りをつぶすことにした。ズボンの丈直しと一緒で5000円、計45000円の買い物となったが、出来上がりを見ると、ほとんど修正跡もわからず、満足している。

 ヤフオクではこれまで、色々なものを買ったが、スーツだけはオークションで買うべきものではない。肩幅、丈などピッタリ合う方が珍しく、同じサイズでもメーカー、モデルにより全く違う。以前、ジャケットを買うときも、いろんなメーカー試着したが、同じサイズでも微妙に違い、サイズを上げたり、下げたり、丈、袖を直す必要もでてくる。さらにスーツの場合、ズボンも含まれるので、合わない確率は2倍となる。それだけに交換のできないオークションでスーツを買うのは、かなり勇気がいる。安い店では、同じ金額で、同じ生地を使ってオーダースーツが作れるようだが、着心地はどうだろうか。ダメなジャケットは重くて、本当に肩がこる。

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