フランス映画「ロシュフォールの恋人たち」は、私の好きな映画のひとつで、個人的にはミュージカル映画のベスト5に入っています。ベスト1はオードリーヘップバーン主演の「マイ・フェア・レディ」、ベスト2が「ロシュフォールの恋人たち」、ベスト3は「サウンド・オブ・ミュージック」、ベスト3は「シェルブールの雨傘」、ベスト5は「パリの恋人」と大体1960年代の作品が多いようです。
今回、「ロシュフォールの恋人たち」のデジタルマスター版が出ていましたので、アマゾンで買いました。DVD2枚組で、「25年目のロシュフォールの恋人たち」という公開25周年を記念した1992年の特典映像も入っていて、内容的に大変満足しました。
この映画が公開されたのは、1967年、もうすぐ50周年になりますが、そのファッション、曲、映像が今でも新しく感じるのは奇跡的と言えます。こうした古い映画、特にファッション性を全面に出した作品は陳腐化が早く、20年もすれば、相当に古く感じてしまうものです。ところがこの映画に登場するカトリーヌ・ドヌーブのファッションは今でも新鮮ですし、当時そのままの格好で東京の繁華街を歩いても違和感は少ないと思います。むしろ流行、流行と毎年、騒がれても案外変わらないなあと感じてしまいますが、あくまでこの作品に関してのことで、「シェルブールの雨傘」でもそうですが、フランス映画というのがミソなのでしょう。カトリーヌ・ドヌーブは絶世の美女として知られますが、細身がタイプの私は、「ロシュフォールの恋人たち」、「シェルブールの雨傘」の頃のドヌーブが一番好きです。オードリー、「暗殺の森」のドミニク・サンダもそうですが、背が高くて、華奢なタイプの女性にどうしても引かれるようです。
「ロシュフォールの恋人たち」は、ほぼパーフェクトな作品ですが、いたるところで喫煙シーンが見られ、それも全く内容に関係ないところで喫煙するのが残念な点です。当時のフランスでは当然のことだったのでしょうが、今の感覚からすれば、気になる点です。喫煙シーンを成人指定にする動きもあるようですが、本作品が成人指定にされることはありえないことです。他にはお祭りのシーンでバスケットをアレンジした踊りがありましたが、フランス人はバスケットをしたことないのでしょうか、ドリブルがまるでへたで笑ってしまいました。急に歩行者が踊りだすシーンには、いくらミュージカルとは言え、笑ってしまいがちですが、何度か見るうちにダンスの共演という点からみごとなものとして見入ってしまします。特にジーン・ケリーのダンスはすごい。
今回、見て気づいたのは、水兵役の役者さん、どこかで見た顔だなあと思っていましたが、あの名作「ニューシネマパラダイス」の大人役の役者さんでしたし、「双子姉妹の歌」では”ヌードになれば二人は腰に同じほくろがある”と歌っていましたが、最後のお祭りで歌うシーンできっちり大きなほくろが姉妹の腰のあたりにありました。細かい設定です。またロシュフォールという町はなんとカラフルな町と思っていましたが、特典映像で、撮影に4か月かかり、町中のドアや壁、さらに店の内装もカラフルに塗り直したようです。撮影期間中、人口25000人の町はまるでお祭りのような状態で、25年経っても、エキストラに出た人々にとっては記憶に残る出来事でした。
感動を生む、人生を考えさせる映画もいいのですが、こうした純粋に明るく、楽しい映画もいいものですので、もしまだご覧になっていなければ、是非見てほしい作品です。最近はフランスもテロや移民問題で揺れていますが、最もフランスらしい時代の作品とも言えるでしょう。これは是非とも大画面で見たい作品で、弘前でも夏の暑い日に野外、弘前公園、レンガ倉庫、学校の校庭などで上映して欲しいものです。恋人同士が持ち込みのジュースを飲みながら、こうした恋愛映画を寝転んで見る。考えただけで楽しそうです。また「双子姉妹の歌」の津軽弁バージョンを期待しています。
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