2021年8月28日土曜日

看護師のお仕事

 



 健康診断で異常が見つかり、手術を受けて2週間ほどで何とか無事に退院できました。その間、診療所の方が休診となり、患者さんには色々とご迷惑をお掛けしました申し訳ございませんでした。

 

 入院中は、看護師さん含めて病院の医療スタッフには大変お世話になり、ありがとうございました、こうしたスタッフの献身的な仕事ぶりにはある意味大変感動しましたし、自分のことを振り返っても、何か嫌なことがあると、患者さんにそれを表したりする自分のことを未熟で、情けないと考えさせられました。患者は、心理的に本当に弱いもので、何かにすがりつきたくなります。そうした心理を優しく受け取り、ニコニコして対応するのが看護、医療スタッフに重要なことであり、そうした精神に達していない自分自身を反省するばかりです。もう少し患者サイドに立った治療を残りの人生、していきたいと思います。

 

 一方、コロナ騒動では、感染者の入院先などの報道が連日報じられていますが、実は今回入院して、それ以上の問題があることがわかりました。現在、コロナのために入院中の面会は一切禁止されています。患者への感染リスクを考えると当然のことと思われます。ただ問題なのは、入院患者の多くは高齢者で、痴呆や歩行困難者も多くいます。これまでであれば、こうした患者さんいついては、家族が付き添い、たとえばトイレに行く場合も、家族がベッドからトイレまで運び、トイレをさせたものです。また服の着替えから食事の世話まで、医療行為以外の生活支援の部分で、付き添い、あるいは見舞いの家族がやるパートは多いものです。ところがコロナ騒動のために、家族の付き添いがなくなるとどうなるかいうと、こうした生活支援もまた医療スタッフが行うことになります。それでなくても忙しい病棟管理の上にさらに多くの仕事が増えることになります。隣のおじいさんは痴呆があるのか、ずっとトイレ、トイレと叫んでおり、その都度、ナースコールをします。おそらくズボンを脱がせて、ベッド横のポータブルトイレに座らせ、トイレをさせるのですが、ここまで10分くらいかかるでしょう。そしてまた15分するとナースコールを鳴らすということの繰り返しです。この1人の患者さんに随分と時間を取られます。それでも看護師は怒ることはなく、きちんと声をかけて対応しており、すごいと思いました。


 こうした患者が、病棟全体でも結構いて、看護師さんの仕事量を確実に増やします。おそらく日本中の多くの病院でもこうした問題が発生しており、そこで働く看護師、医療スタッフのストレスと疲れはすごいことになっていると思われます。

 

 コロナ感染者の急増に伴う入院先、ベットの確保などが大きな問題となっていますが、一方ではこうした一般の入院病棟においても、付添人の禁止に伴う看護師の仕事量は確実に増えており、そこで働く看護師、特に病棟の夜勤勤務については、大きなストレスと肉体的な疲労があると思われ、少なくとも仕事は増えているのであるので、手当の増加は必要と思われる。


 コロナ感染は基礎疾患を持つ人では致死率が高まるが、その最たるものが入院患者であり、手術直後は最も弱っている状況であるし、内科的入院においても基礎疾患が深刻なために入院したのであるから、こうした入院患者では絶対にコロナ感染を起こしてはいけません。そのため全ての人がワクチンを受けて、コロナ騒動が完全に収束するまで、今の対応、病棟への付添人、面会の禁止はさらに続くであろうし、場合によっては永遠に収束しないかもしれません。


 こうした状況で、看護師の仕事の負担は相当大きく、付添人がしていた生活介護の仕事については、看護助手の仕事範囲を増やすなどで、もう少し対応できないでしょうか。欧米ではさらに一部の痴呆や歩行支援を必要とする患者さんについては、ワクチン接種証明、PCR検査で陰性であれば、術後の数日、家族による付き添いを許してもいいかもしれないと思います。これだけでも看護師の仕事の負担は随分減ります。


 看護師という仕事は、テレビドラマのような夢のある仕事ではなく、嘔吐物や尿、便の処理など、かなりきつい仕事もあるし、患者の深刻な悩み、さらに死など、ストレスの多い仕事です。それでも看護師がいなくなる、それこそ誰が患者の看護をすると考えると、社会生活上、これほど必要な仕事もありません。医師はその仕事の大変さに相当する高い収入を得ていますが、看護師の仕事内容を考えると、まだまだ看護師の収入は少なく、厚労省においても、少なくとも病棟担当の看護師の給料が増えるべき健康保険の点数増加は必要であると思います。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

広瀬先生

ブログの更新が無いなぁと思っていました。
入院なさってたのですね。

無事、退院よかったです。

暑さ、コロナと大変な毎日です。どうぞ、ご無理なさいませんように。

お気を付けになって、すっかりお元気になられることをお祈りしております。

ねこ吉

広瀬寿秀 さんのコメント...

自分では若いと思っても、調べると何か問題があるもので、今回も放っておくと突然死すると言われ手術することにしました。
術後の大変さは想像以上でした。心配していただき感謝します。