下2枚は失敗だが、これはこれで面白い
ライカがインスタントカメラを出すというので早速、購入した。10年程前から矯正治療を終了した患者さんの笑顔の写真をインスタントカメラ(フジワイド版)で撮影して待合室の壁に貼っているが、そろそろ新しいものを買おうと思っていたからだ。
ライカというと私たちの世代にとっては憧れのメーカーで、カメラファンなら一度は持ってみたいカメラであるが、いかんせん高価で高嶺の花であった。またフィルムカメラ時代であれば、一生ものとして、それなりの価値があったが、今のようにデジタル全盛の時代になると、数年で性能が陳腐化して、せっかく奮発してライカのカメラを買っても数年で、安いカメラに負けるのも癪に障る。
今回出たライカのインスタントカメラはゾフォートという名で、ライカの製品としては最も安い。値段は32800円。発売されたばかりなので、あまり扱っているところは少なく、LOFTから購入した。注文して3日後に到着したが、さすがにおしゃれな箱に入っていて、期待が高まる。
フィルムはフジフィルムのチャキのものを使用しているが、今回は試しにライカ、ゾフォート用のフィルムを購入した。モノクロとカラーを購入。モノクロは10枚で1500円、カラーは20枚で2200円。一枚当たりモノクロが150円、カラーは110円で、デジカメに慣れたものとしては、ずいぶん高い。早速、フィルムを装填して、試写してみた。
チャキは縦写真を基本にしているが、ゾフィーは横写真が基本となる。ところがシャッターボタンの位置が、普通のカメラの電源ボタンに類似しているため、早速、2枚失敗した。電源をオフにしょうと、シャッターを切ってしまった。300円の出費である。トホホである。
画像はというと、ごく普通のインスタントカメラの像であり、やや期待はずれである。その後、インターネットで検索すると、ゾフィーのレンズはHektor 60mm、F12.7というものであったが、実はこれ、フジフィルムのinstax mini 90、ネオクラッシクのフジノンレンズと同じであり、他の性能も両者は全く同じである。つまりゾフォートはフジフィルム、ネオクラシックのOEMと見て間違いない。中身はネオクラシックで外観のみ変えただけである。ネオクラシックが実売価格で15000円くらいなので、ライカのマーク代で倍以上になったことになる。ライカCタイプも中身はパナソニック製であったし、古くはライツミノルタCLという機種もあり、安い機種については昔からライカはOEMで済ましてきたのだろう。
それでもフジのネオクラシックに比べると、デザインはよく、これはネオクラッシクで撮っても同じだろうが、モノクロ写真は味があって、明治時代の写真のようである。カラーに比べて完全なモノクロになるまでは思った以上に時間がかかる。デジタルのようにバシャバシャ撮ることはできないだろうが、写真日記や、ハガキに直接貼付けて旅先などから送るのもいいかもしれない。また自分のお気に入り写真を専用アルバムに貼ったり、ポストカードに入れて飾るのも楽しそうである。デジタルカメラが記録用、あるいは趣味用になったのに対して、インスタントカメラはその場の心象風景を切取り、俳句や短歌などをかき込んで、自分の本にするのもいいだろう。折角のおしゃれ気分に浸りたいなら、ライカというブランドは価値があるかもしれない。
フィルムは高いので、まだ6枚しか撮っていないが、今後はチャキ用のフィルムに替えて撮っていく。さすがにフィルム箱にまでライカのマークはいらない。カラーで一枚、60円、モノクロで90円くらいになる。これまで中高生の患者さんに、感想を書いてもらい壁に貼っていたが、これからは成人患者にも治療終了後に撮影して記念に渡そうと思う。
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