2019年1月27日日曜日

ねぽりんぱほりん



 NHKEテレで毎週水曜日の11時から放送される“ねほりんぱほりん”という番組がある(新作は毎月1週目と2週目)。この番組は放送限界と思えるほど内容が過激で、かっての週刊実話をはるかに凌ぐやばいものである。見たことがない人に説明すると、主として対談を中心とした人形劇で、山里亮太による“ねほりん”と、Youによる“ぱほりん”が、その日のテーマとなる人形、ブタ人形と対談する。ただ対談内容がやばく、HPから取り上げると、「元薬物中毒者」、「マッチングアプリにハマる人」、「買い物依存症の女」、「ネトゲ廃人」などで、前回は「あるコスプレイヤー 自分は捨てた!衝撃の闇深きコスプレ人生」というものだった。母子家庭で、幼稚園に行く頃から自分にはなぜ父親がいないと母を恨み、ほぼ小学校から不登校となり家でゲームとネットで過ごすようになり、その中からコスプレプレーヤーに目覚めるとまっしぐら、母親の首を絞めて殺そうとする。通常ならドキュメンタリタッチで、深刻な話であるが、この番組ではお下げ髪のロングヘアーのブタ人形と、メガネをかけた母親役のブタ人形で登場して話しているので、全くあっけらかんと番組中でケンカしている。最後は、ヤンマディーゼルの天気予報をパクったエンディング曲でお終いとなる。

 この番組の制作は、大古滋久氏。障害者が主体となった「バリバラ」もそうだが、教育テレビが過激である。どちらもさすがNHKだけに予算、制作費も民放より贅沢なのであろう、内容も濃い。以前は、本多勝一のNHK“受信料拒否の論理”という毒に侵され、少しNHKを批判的に見ていたが、むしろ本多勝一氏から批判されるのは勲章になるだろう。ちなみに大学生の頃、本多氏の本を片っ端から読んだが、今となっては本当に腹立たしい。そうした意味では、彼がNHKの報道の偏向性を批判するのは、自分のジャーナリズムのさらにひどい偏向とその影響(南京事件など)を考えると、甚だおかしい。

 話は逸れたが、「ねほりんぱほりん」の内容は、いずれもテーマにしても、各界の知識人で討論させると深刻な話になろう。昨日放送してしていたのは再放送の「少年院の入っていた人」というテーマで、夫婦で少年院に入っていたカップルが登場した。内容はこれも深刻なものであるが、それでも結構笑わせるエピソードがあって、気持ちよく見られる。これが教育評論家の誰それさん、少年犯罪を専門にする誰それさん、弁護士の誰それさんといった対談では、全く面白くはないし、実際、綺麗ごとの話ばかりで中身のない陳腐な番組になっていただろう。かなり実際に少年院に入っていた人の本音を人形劇という匿名の形で聞くことができたし、それが番組の面白さに繋がっている。よく本人の話にモザイクを入れて、音声を変えて放送しているが、まるで犯罪者のようで、それならブタ人形に喋らせた方がよほど良い。またブタの人形がよくできていて、その動きもさすがにチロリン村からのNHKの十八番、人形劇の技術を継承していて、本物の人間が喋っているような感じがする。キャラやその人の経歴によって人形や着せる衣装も変えていて、かなり長期の制作日数がかかっていると思う。
 
 昔は、小学校生徒は午前11時に視覚教室に行き、そこで決められた教育番組を見た。むしろこの“ねほりんぱほりん”は高校生くらいの生徒に見させて、こうした生き方について議論するのも良いであろう。

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