2020年4月5日日曜日

人間の品性 安物買いの銭失い

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ニコンF4でこんな写真が撮れました(カラーで撮影したのに)



 自分でも呆れるくらい、品性の低い男だと思っている。歯科医の家に育ち、これまで人生であまり金に困ったことはないが、人間の品性が低いせいか、どうも安売りに弱い。小学五年生の頃、三和商店街の近くにあったみどり電気で、展示品に限り全品半額という企画があった。AMだけでなくFM、短波も聞けるソニーのラジオが欲しく、それまで貯めたこづかい全額を持って、電気屋に走った。半額で確か6000円くらいであったが、500円くらい足らず、店員に30分ほど泣きついて有り金全部で購入した記憶がある。安く買ったというのが一番嬉しかった。

 大学に入り、スキーをやろうと、仙台のスポーツ店を回った。何と80%引きのスキー靴がある。カベールというメーカーで最上級者向けのものが8000円くらいで売っていた。全傾がきつくてお店の人にも初心者には向いていませんといわれたにも関わらず、安さに負けて買ってしまった。慣れるのに相当苦労した。

 最近でこそ、安売りもそれほど珍しいものではなくなったが、昔はセール期間以外、安売りすることは少なく、三宮の地下街でも年に2回のセールが行われ、全製品が安くなった。そのためお客さんは前日までに試着し、セール当日になると開店と同時に購入するパターンであった。セールの期間は人でごった返すのが毎年のことであった。

 最近では、ヤフーオークションが安売りの場となっており、ここでの購入が多い。ある時、憧れのニコンのF450mmレンズ付きで1万円くらいで売っていたので、即購入した。フィルムカメラなので、すぐに動作確認はできず、36枚撮りポジフィルムで撮影し、現像所に送ったところ、半分以上の露出が狂っていた。露出計に問題あるようで、アイフォンに簡易露出計アプリを入れ、それで露出を測り、マニュアルで撮影していたが面倒なので使っていない。またイタリアのカンタレリというメーカーのスーツが80%引きで出ていたので、これも購入した。スーツというのは通販やオークションで購入するのは最も向いていないもので、サイズ合わせが難しい。それでも同じメーカーのスーツ、ジャケットを持っていたので、大丈夫と思い、購入した。届いたスーツを着ると、丈が相当長く、結局修繕費に相当費用がかかった。こうした安売りに負けて購入し、失敗することが後を絶たない。これはどうも人間の品性に問題があるように思える。

 大阪人の変な癖に、知人に安く買ったことを自慢する癖がある。大阪以外でこんなことをすると、それこそバカにされるが、大阪ではすごいねえと逆に褒められ、羨ましがられる。この背景には、大阪の商売人根性があり、商売の基本は安く仕入れて、高く売ることであり、安く買うことができる才覚があるということになる。昔は安く買うには、店員と交渉することであり、交渉テクニックで安く買うことができる。昔、インドのニューデリーの中心街コンノートプレースで、キャッツアイを安く購入するために30分くらい粘り、最後は日本の平凡パンチをおまけにして半額くらいの値段で買った。帰国後、ネックレスにしようと宝石店に持っていくと、これは人工宝石であると言われ、安く買った値段よりさらに安いものであった。インド商人の方が一枚上だった。物を買った以上にこうした記憶が後まで残る。

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