2020年7月17日金曜日

弘前のコロナ感染騒ぎ

旧弘前図書館

トレース水彩画もだいぶ慣れてきた



 ここ数日、青森県は新型コロナウイルス関係のニュースで持ちきりである。まず今月の9日に茨城県在住の20歳代の女性が青森市内で38度の熱が出て10日にはPCR検査で新型コロナウイルスに感染したことがわかった。この女性はいわゆる店舗を構えない派遣型の風俗店(デリヘル)に勤務しており、73日に東京、新宿のホストクラブで遊び、そこで感染した。問題はここからで、関東での仕事が少ないため、彼女は東京から青森市に出稼ぎにやってきて、74日から8日までの5日間に30名の接客をした。この接客者の多くは青森市の客であったが、中には弘前市、黒石市の客もいたようで、県や市では濃厚接触者を血眼になって探した。

 この女性の源氏名と店名は、感染発表に数時間後には早くもツイッターや掲示板で判明し、瞬く間に青森県中に広がった。保健所ではデリヘリ店から客の電話番号を入手したが、18名については連絡が取れない。この段階で県民からは誰がこのデリヘリを利用し、いつ感染するかが話題の中心となった。そしてついに、昨日、青森県警の警察官が感染したことがわかった。この20歳代の警察官は78日にこの女性と濃厚接触し、15日には発熱と味覚異常により、救急搬送されてPCR検査を受けた。結果は陽性。この警察官は11日から13日には休みで自宅にいたが、14日からは出張で十和田市に行き、同僚4人の警察官と居酒屋、その後、スナックで飲んだ。居酒屋、スナックの客、すべてが濃厚接触者となった。さらに十和田署そのものを消毒し、そこの職員は自宅待機となった。こうした大騒ぎを起こした責任から、この警察官の今後の処分は相当、厳しいものだと思われる。

 この騒ぎの翌日、7月17日に起こったのが、今回の弘前市の青森銀行従業員の感染疑いである。お昼頃に弘前市にある青森銀行松森支店の従業員が昨日から体調不良で新型コロナウイルスが疑われるというニュースが報じられた。すわデリヘリ嬢から感染者か、あるいは先の警察官の恋人かと、ツイッター上で大騒ぎになった。通常、銀行の行員の体調が多少悪くなったからという理由で、まだ感染が確定しない時点で、支店を臨時休業にすることはないだろうし、またマスコミに銀行名で正式に報告することはない。銀行側では行員の話から、かなりの確率で感染していると判断したのだろう。すぐにPCR検査をしたところ、今日の6時頃には陰性という結果となった。大騒ぎした割に何もなくて拍子抜けであるが、何もなくて嬉しい。これまで一人の感染者の出ていない弘前市では、その第一号は恐ろしいほどパッシングを受ける。この行員ももし感染していたなら、もちろん銀行はやめなくてはいけないし、そうした風評は家族がいれば、そのまま付いて回る。子供がいれば幼稚園や小学校でも常にそうした噂がつく。これは恐ろしい。

 東京では感染の疑いがある人のことでこんなに大騒ぎはしないだろうが、昨日の警察官では東奥日報の一面を飾り、地元ニュースでもトップニュースであった。今回の銀行員の感染に関してもお昼のニュースのトップで、ツイッターやラインでも一斉に広まった。弘前市の人口は十七万人でそんなに小さい街ではなく、住んでみての感想としてはそれほど田舎とは思わないが、こうした事件があるとその噂の伝達速度は驚いてしまう。それこそあっという間に広がる感じである。おそらくこの銀行員も高校、中学、あるいは会社の同僚などの口コミからいずれ氏名もわかってしまうのだろう。そうした意味では田舎で住むのは怖いところがある。

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