2022年2月4日金曜日

輸送船おおすみ


海上自衛隊の輸送船「おおすみ」が、火山の大規模噴火による甚大な被害のあったトンガに向け、飲料水や高圧洗浄機などの救援品を積み、1/20に出発した。現地には2週間後に着くとされ、親日国トンガの支援を行う。

 

この輸送艦おおすみは、戦後の自衛隊艦船の中でも際立った活躍をしている名鑑と行ってもよく、まず、1999年の起こったトルコ地震の支援として、仮設住宅を運び、2002年には東チモールへPKO部隊を、さらに2002年にはイラク復興支援のために車両運送、2011年の東日本大震災では揚陸艇による物資輸送、2013年に台風被害のあった伊豆大島、そしてフィリピンに援助物質を運んだ。また2016年の熊本地震でも災害派遣を行い、特によく知られるのは、災害時における艦内のお風呂提供である。災害のためになかなかお風呂に入れない被災者にとってしばらくぶりに入れるお風呂は格別で、人気がある。

 

輸送船、おおすみは就航以来、ほとんどの災害時に派遣される働き者で、その運搬能力ととともに、港が災害によって使えない場合でも、装備されているエアークッション揚陸艇と大型ヘリコプターで、物資の運搬ができるのが強みである。現在、おおすみ型として「しもきた」、「くにさき」の3艦があり、いずれも災害時の物資輸送の切り札となっている。

 

おおすみが計画された当時、そのフラットな甲板は空母を思わせ、野党から日本が空母を持つのかと批判され。当初は真ん中にデッキがあり、その前後に甲板のある計画図が出回った。さすがに全通飛行甲板でないと使いにくいため、実際の建造はデッキが右にある空母型のものとなった。就航後、すぐにトルコ地震の災害救助に派遣されるなど、その活躍が認められ、次第に野党による批判もへり、のちに、より大型の全通飛行甲板の「ひゅうが」型、「いずも」型の発展につながった意味でも「おおすみ」の功績は大きい。

 

最新艦の「いずも」は、「おおすみ」に比べて排水量で約2倍、全長は248m178mの二回り大きい船で、速力もいずもは30ノット、おおすみは22ノットとかなり早いが、それでも元々、「いずも」は空母に近い、護衛艦であるのに対して、「おおすみ」は強襲揚陸艇に近い輸送艦となっている。災害派遣においては輸送艦の方が使いやすく、否応なく、「おおすみ」の派遣が多くなる。ただ災害派遣では、一刻も早い初期活動が求められ、22ノットの低速は欠点となり、もう少し早い速度が欲しいところである。そうした意味では、新日本海フェリーのフェリーをチャーター運用している「はくおう」は、大型で、速力も29.4ノットと早く、最近では「ダイヤモンドプリンセス」のコロナウイルスの活動拠点として活用された他、熊本地震災害派遣や自衛隊訓練のために使われた。また元々は長距離フェリーであったため、宿泊設備も完備しているが、基本的には港設備が必要として、ヘリコプター運用にも問題がある。


 こうした点を見ると、今後の災害援助活動、あるいは韓国など近接諸国からの在留邦人の救出などを考えると、新しい輸送船が欲しいところである。実績から「おおすみ」型の全通甲板の大型の空母型のものが望まれるが、アメリカのサンアントニオ級揚陸艦のような半分甲板形式もあるかもしれない。速度は30ノット近くの高速が求められる一方、従来の「いずも」、「ひりゅが」ほどの防御、攻撃能力は必要とせず、強襲揚陸艇に近い輸送船を建造費が安くて、乗組員の少ない船が良い。今後も活用が期待される艦艇で、是非とも充実してほしい。


 

1 件のコメント:

idalnafziger さんのコメント...
このコメントはブログの管理者によって削除されました。