2024年1月12日金曜日

引退後の生活

 

大きさは約5c,。1/30スケールです




この4年ほど日本矯正歯科学会の新しい専門医制度に関わってきた。すでに症例審査、ペーパー試験にも合格し、残すは日本歯科専門医機構の講習だけとなった。昨年の11月の日本歯科専門医機構の2022年度までの2単位の講習を受け、今年の初めに2023年度の2単位の講習を受けて、書類を今月末に提出して、合格となる、当然、私もこのスケジュールでの合格を目指し、年末にネットで講習会を聴こうと思ったが、見れず、よく調べると講習会の登録はしたものの、お金を払うのを忘れていた。最近のネットでの講習会はほとんどネット支払いになっているので、すっかり支払ったと思っていたが、銀行振込だったのである。気づいた時にはもはや登録の期限はすぎ、今年度の2単位をとっても足りず、結局、今年はライセンスは取れないことになった。

 

流石に落ち込み、家内に話すと「2年後に閉院すると言って新規患者をとっていないので、いまさらに専門医の資格をとって何の意味あるの」と言われた。なるほど、いまさら矯正歯科の専門医を取得してもすでにホームページも閉鎖しているし、新規患者もお断りしている現状では全く意味はない。ましてや今年度ではなく、次年度以降となるとますます無意味のものとなる。それでもこれまでの苦労、10症例を選んで莫大な手間をかけて提出したり、記憶力が劣った状態での40年振りのペーパーテストや、何度も横浜に行ったり、その時間と金が無駄になるのが何となく悔しい。

 

知人に言わせれば、矯正歯科なら閉院してもバイトなどで稼げると言われるが、バイトをすれば、そこでの患者を最後まで診るとことになリ、結局はやめられなくなり、引退したことにならない。医院のみ残し、台湾にあった検査専門の歯科医院にして、一般歯科から紹介された患者のセファロ、パントモ、平行模型などをとり、トレースして診断、治療計画をして、一般歯科医に送付するような仕事はできないか考えた。一症例あたり5万円くらいなら歯科医院もこちらもメリットがあると考えた。ところが友人に話したところ、そんな無責任なことはやめた方が良い、診断、治療計画を立てても、一般歯科の先生はきちんと治療できないのだから結局は患者のためにならないという声が多かった。つまり引退したなら、変なことを考えずにすっぱりと矯正歯科医を辞めよということである。

 

私から歯科医のキャリアをとれば、何が残るか。友人は、先生は文筆業があるからいいのではというが、これまで5冊本を出版したが、黒字が出たのは1冊だけであとは赤字、とても文筆業などをセカンドライフにできない。せいぜい、趣味で死ぬまでにあと2冊くらい出版できれば御の字である。それ以外の趣味で、毎日、数時間は過ごせ、できれば月に5万円くらいになることはないか。これはこれから2年間の宿題である。歯科医院には結構、クラフトを作る機材が多くあるし、さらに矯正歯科医はワイヤーを曲げたり、それを蝋着する技術を有するので何か、それを利用した趣味兼小遣い稼ぎはできないかと考えた。

 

以前、フランスのThe Model Cyclistのツールドフランスの自転車フィギュアを買ったことがある。大体1/35サイズで、大きさは約5cmくらいの亜鉛合金でできていて、手作りで彩色されて可愛い。5体ほど買って受付に飾っているが、自転車好きの人にはたまらない。大きさもこれくらいが飾りやすいので、1/35サイズの自転車、それもロードレーサーを作れないものか考えた。上手くいけば、これを作製してネットで売れればと考えた。

 

早速、治療の合間を利用して設計に入った。まず自転車のフレームの制作である。実際にクロモリ製のロードレーサーのフレームチューブ径は35-40mmくらいなので、0.9mmのサンプラチナ線をメインに使うことにした。三角形に曲げた0.9mm線を銀ロウで接着した。本来は小型のジグがあれば、もっと綺麗に組めるが、今回は試作なので、フリーハンドで蝋着していった。蝋着部を研磨すると本物のアルミのフレームと同じような仕上がりになった。ドロップハンドルも0.8mm線で曲げて、本体に蝋着した。ペダルは少し径の小さい0.5mmサンプラ線を蝋着した。さらにタイヤも実際のロードレースでは25mm28mmの径のタイヤなので、これも0.9mm線を円形に曲げて、スポークは一番細い0.4mm線を蝋着した。バードピークプライヤで曲げていったので綺麗な円形にはなっていない。既成のものを探した方がよかろう。サドルは、モリタのスプリントレジンで大まかに形態を作って光重合で固め、茶色に塗った。

 

2時間ほどで完成したが、どうも今ひとつで、とても売れるような代物ではない。細部がどうも納得しない。さらに各部の固定に銀ロウを使っているが、仕上げが汚く、材料費がかかりすぎる。かなりの工夫が必要である。さらにサーフェイサーを吹いてから塗装するのか、無塗装の方がいいのかそれも検討を要する。




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