2024年1月26日金曜日

1/30  ミニチュア自転車 ロードバイク 矯正用機材を使って






 





以前のブログで、引退後は何をしようか、ということで矯正用機材を用いたミニチュアロードバイクを挙げた。一般歯科医と違い矯正歯科医は、単に治療手技が違うだけでなく、技工もかなり違う。例えば、矯正歯科では、金属同士をつなげる蝋着という手法が一般的で、リンガルアーチという矯正装置を作る場合、あるいは指様弾線をくっつける場合も銀ロウによる蝋着が必要だし、とりわけマルチブラケット装置においては、ワイヤーにフックをつける場合に、この手技を使う。これは一般歯科医では滅多に使う手技ではないし、また技工士も矯正装置を扱わない限りあまり使わない。

 

そこでこうした手法を多用したものとしてワイヤーによるミニチュアロードバイクの製作を思いついた。一般的なロードバイクの全長は180cmくらいだが、飾るとなるとあまり大きいサイズは置き場所に困る、といってあまり小さいと細かすぎて作れない。そこで矯正治療でよく持ちいられるワイヤー、私はサンキンのサンプラチナ線、0.9mm0.8mm0.5mm0.4mmを多用し、在庫も多いのでこれを材料として使うことにした。ロードバイク、特にクロモリのチューブサイズは35-40mmくらいなので0.9mm線で作るとなりと1/40くらいとなるが、ミリタリープラモデルでよくある1/35サイズとすることにした。

 

ネットで、好きな、今回はイタリアのレニャーノの古いバイクの写真を引っ張ってきて、それが1/30の全長6cmくらいになるように印刷した。その大きさに沿って、0.9mm0.8mmあるいは0.5mm線で屈曲し、銀ロウで固定した。ワイヤーの曲げや、蝋着はお手のものであるが、設計すると一部、非常に難しい箇所がある。銀ロウで蝋着する場合、蝋着ポイントが近いと、隣の蝋着部分が溶けてしまう。前輪のスポークと本体を繋ぐ点が三箇所の蝋着ポイントとなり、それも近接している。さらに三角チューブとの平行性なども必要なってくる。これをフリーハンドで蝋着していく。何度も何度もやり直してようやくある程度の角度が決まるが、よく見ると歪んでいる。

 

また前輪、後輪については約20mmのサイズとなるが、0.9mm線を曲げて完全な円形にするのは難しく、既製の20mm のメタルリングを使うと今度は断面が円形でない。そこにスポーク,できるだけ細い線として0.4mm線を使い、スポットウエルダーで固定したが、細すぎて、ちぎれるため0.5mm線を使った。全て銀ロウで固定していったが、既製の歯車を本体につけるのは難しく、ここだけ瞬間性接着剤で固定した。維持が弱いようならここも銀ロウで止めたい。

 

最初は前輪、後輪、ペダル共に可動性にしようと、1.2mmの真鍮チューブを購入し、そこに0.8mm線を入れて回転できるようにと考えたが、この真鍮チューブが柔らかすぎて変形し、銀ロウで固定することもできない。熱を加えるとすぐに柔らかくなってしまう。接着剤を使えば、真鍮チューブを使えるが、接着剤には耐久性が低いので、ここは回転できなくても銀ロウでガッチリ固定したい。前回の作品に比べて、ギア、ブレーキ、前輪のスポークも両側にしたし、フレームも塗装したので、少しよくなった気がする。それでもどうもホイールの形が気に入らないし、できれば、ギアにチェンもつけたところである。1/30であれば、タミヤのドイツ陸軍、自転車行軍セットが販売され、それのエッチングキットも売っているが、エッチング部品はどうも取れやすく使う気になれない。チェーンをどうするか、今検討しているところである。

 

あと2030台くらい作れば、かなり製品としては確立するので、希望があれば、売りたいと思っている。まだまだ売り物にはならない。あと二年くらいは試作を繰り返したい。




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