2024年8月12日月曜日

北欧家具の値段が高騰している


娘がマンションを買うというので、花嫁道具に何ももたせなかったので(ふるう!)、家具を買ってやることにした。そこで最近の家具はどれくらいしているか調べてみた。今の家を建てたのが25年ほど前。家にあるほとんどの家具はその当時に買った。まだそれほど家具については詳しくなかったが、家具は一生物だから高くても、いいものを買おうと考えた。まずダイニングの椅子は、ハンスウェグナーのYチェアとアルネヤコブソンのセブンチェアーにした。ダイニングテーブルはそれに合うものとして、厚みが50mm以上あるかなりガッチリした天板のテーブルにした。いずれも代官町にあったベターホームズという店で買った。ソファーはアクタスからムスタングというドイツ製のものを買った。台所のペンダントはヤマギワが扱っていたハンス・シュミットのデンマーク製のものにし、本を読むためのスタンドはイタリアのミケレー・ルッキのデザインのものにした。その後、天童木工のブルーのマットソンデザインのハイバックチェアーを購入して、あとはベッドなどとなる。

 

手元にモダンリビング別冊のインテリア・カタログ・家具(1998)、とインテリア・カタログ・照明(1998)という本がある。26年前の本であるが、この本に載っている当時の家具の価格と現在の家具の価格を見ると驚くほど家具の値段は上昇している。まず1998年当時のドルー円の為替を見てみると、だいたい120円から140円くらいで今よりはやや円高であった。

 

まずY-チェアは、1998年当時、ピーチ材で65000円であったが、今は100100円で、おおよそ1.5倍であるが、思ったほど上昇していない。またセブンチェアは37000円が94380円でこれは2倍以上上昇している。またブルーのマットソンのハイパックチェアーはオットマン付きで199000円が312400円で、これは約1.5倍になっている。ミケーレ・ルッキのスタンドは49200円のものが184800円と、これは3倍以上になっている。全体的に輸入家具の価格は、為替差以上に上がっているが、家具によって上昇率が違う。今、人気のあるペンダント照明、ポールヘニングセンのPH51998年当時の価格は59800円であったが、今は159500円と家具同様にかなり上昇している。

 

最近、特に人気が出ているポール・ケアホルムのPK20の革張りは647000円が2219800円、同じくPK22231000円が657800円と信じられないくらいの値段となっている。同じくアルネ・ヤコブソンのスワンは229000円(布)、エッグチェアーは417000円が、それぞれ657800円と1163800円と3倍近い価格となっている。

 

それに比べると、国産の家具の値上がりをそれほどではなく、例えば、天童木工の名作、低座椅子は48000円が85800円、バタフライ椅子は35000円が57200円で、消費税の上昇を考えると、それほど上がっていない。

 

外国製品の上昇、それもいわゆる名作椅子の価格がかなり上がっている。さらにいうとYチェアーのような人気のある家具については中古でもヤフーオークションで5万円以上で取引されており、20年以上使っても価格はそれほど下がっていない。1998年平均年収は465万円、2022年の平均年収は458万円で、ほぼ変わっていない。輸送費、人件費、材料材など、全てが高騰していて、輸入家具が高くなるのはわかるが、流石に1998年に比べて3倍以上になる理由はなく、これまで以上に名作家具を買うのが難しくなっている。大多数の人がイケヤ、ニトリなどの格安店で家具を購入し、少数の家具好きの人々が高い金を出して購入する流れがこれからも続きそうである。一方、ブランド家具については、中古でもかなり高く売れるし、子供にあげても喜ばれるために、無理して買っても損はしない。

 

個人的に、まず銀座三越で展覧会があった「ていねいに美しく暮らす北欧デザイン」で展示されていたハンス・ブラッドルッドのScandiaという美しい椅子をお勧めする。二年前に、新品を10万円くらいで購入したが、今は185130円でかなり値上がりしている。さらにヤフオクで新古ものが4万円くらいで売っており、一年前に1脚買ったが、展示品未使用で新品と変わらない。箱だけの違いである。ノルウエイという家具では有名な国でないせいか、ここ1年売れ残っている。送料を入れても安い。またイタリアのアルテミデのスタンドライトも、かれこれ25年使っているが非常にいい品で、新品は小さなものでも10万円以上するが、これもヤフオクでは15000円くらいなので、読書灯としてはお勧めできる。できれば大型の3つ折りのものを安く落札できればなお良い。昔は古くなると捨てられていた家具も、今では修理するところも増えているし、中古家具の売買も盛んであり、できるなら高くてもブランド家具の方が、こうした流れに適している(売りやすいという点で)。

25年前に買ったハンスシュミットのペンダントライト(24800円)が最近のオークションでも23510円で落札されているのをみると、新品価格の急激な価格高騰により、中古価格も値上がりしている。




 

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