2007年4月13日金曜日
東奥義塾外人教師館
本多庸一2でも紹介した弘前市立観光館内にある東奥義塾外人教師館は、数年前まではがらんどうで中には歴代教師などの資料があるだけでした。2、3年前から一階には喫茶店がその他の部屋にも当時を再現した調度品が飾られるようになりました。ロータリークラブの知人に聞くと、アンティークショップから当時の家具などを取り揃えてもらったようで、実際に教師館で使っていたものではありません。二階に上がると大きなリビングがありますが、ふと絨毯をみると、なんとMarasaliの絨毯があり、びっくりしました。Marasariは現在のアデルバイジャンにある村で、イラン国境側の南の内陸に位置します。ここの絨毯は、コーカサス絨毯のなかのShirvanに属するものです。小型なものが多く(!50cm程度)、ミフラブと呼ばれるデザインのなかに花やボテ模様で埋め尽くされています。コーカサスの絨毯は欧米では非常に人気があり、私も好きで2枚ほどもっています。ソ連により1910-20年に支配されるまでこの地の絨毯の生産は村単位でデザインが異なり、見分けがつきます。1920年以降はソ連の国営化により、この華麗な地場絨毯産業は消滅しました。そのため、現存するコーカサス絨毯は少なくとも80年以上はたち、多くのものはいわゆるアンティークと呼ばれる100年以上のものです。ちなみの教師館にあるMarasaliの絨毯は19世紀後半くらいのものと思われます。かなりコンディションが悪く、パイルはほとんどすり切れています。フルパイルのものであれば数万ドルはすると思いますが、この状態では価値はほとんどないでしょう。でも100年以上前の絨毯が捨てられもせず、このような場所で余生を送るのも幸せなのかもしれません。一階の喫茶店もいいところですので、一度紅茶でも飲んでみてください。
Marasaliの絨毯については、このサイトを参考にしてください。http://www.spongobongo.com/0heq9963.htm
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