2007年4月17日火曜日
Q&A 矯正歯科治療をどこで学ぶのでしょうか
矯正歯科は歯科の中でも非常に専門職が強い分野です。1900年ころには先にでましたアングル先生が矯正歯科の専門学校をカリフォルニア州に作りました。その後は主として歯科大学の中に2年あるいは3年のコースが作られました。アメリカでは4年制の一般大学を卒業後に、4年の歯科大学を卒業してから矯正歯科の2、3年のコースに入ります。その後、勤務医を経て開業するようです。ただ一般的にはストレートにいくことは珍しく、4年制大学卒業後に一旦就職して金をためてから歯科大学に、歯科大学卒業後も一般歯科で稼いでから矯正歯科のコースといった回り道をするようです。かなり授業料がかかるようです。
日本では6年間の歯科大学卒業後に、1年間の研修医を経て、大学の矯正歯科学講座に入局します。国立大学では大学院大学になっているため、まず4年間の大学院に入ることになります。研究のかたわら臨床もして患者さんを見ますが、通常矯正治療は2年以上かかり、さらに保定期間の2年はみるため、これだけでは臨床経験が少ないことになります。さらに数年、医員や助手として大学に残りながら臨床経験を重ね、認定医の試験を受けることになります。かっては認定医の試験はそれほど難しくはなかったのですが、今では自験例の中から特定の症例を審査した上、合格となります。一応、大学などの指導機関で5年以上としていますが、現実的には7,8年はかかるようです。これで矯正歯科医を名乗れます。さらに昨年から認定医の上に専門医というものができ、カテゴリーの異なる10症例を提出してきびしい審査を経て、専門医となります。10症例とは言え、かなり練られたカテゴリーのため矯正専門で10年以上、500症例以上の治験がないと資料が揃わないと思われます。
アメリカやヨーロッパでは専門医制度(ボード)が確立していますが、日本でもようやく本格的な専門医制度がスタートしました。今後は、アジアボードに発展することを期待しています。
写真はフィギュアスケートの韓国の星、キム・ユナさんで、ばっちり矯正器具が入っています。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿