2007年12月2日日曜日

ブナコ 1




ブナコは今脚光を浴びています。ブナコは、ブナ材の薄いテープを巻き締め、鉢や皿などに成形したもので、歴史的にはそれほど古いものではありません。1958年に青森県工業試験場の城倉可成と工芸家石郷岡啓之助によって開発されたものです。リンゴ酢の研究開発に使われていたブナ材単板を筒状に巻いた道具がヒントになったそうです。木材でありながら自由な成形ができること、最近ではエコの点からも評価されているそうです。開発当初からかなり色々な試作がなされていたようで、写真上のようなブラケット(照明)もすでに20-30年前には作られていたようです。現行のもの(写真下)に比べて全体的にボリュームが大きいようですが、実に斬新なデザインです。ただ当時はそれほどデザインに対する関心は薄く、この商品も試作に終わった可能性があります(実はネットオークションで買ったのですが)。おそらく望月好夫さんの製作と思われます。その他にはペンダントなどの照明器具や椅子、鉢などかなりおもしろいデザインのものが当時作られていましたが、市場ニーズが少なく、商品化されなかったようです。ようやく最近になり市場が追いつき、ブナコ人気につながったものと思います。
弘前市内の繁華街、土手町にようやくブナコのショールームが12/1にオープンしました。早速、本日見てきましたが、おしゃれな空間にブナコの作品がたくさん展示されていました。ビームスやカッシーナのオリジナルブナコも展示されていましたが、その中でかなり大振りなダストボックス(高さ50cmくらい)が目につきました。オープン祝いの花を置くため上下逆にして花置きとして飾られていましたが、前にベターホームズにいた店員さんが私のことを知っていて、わざわざ見せてくれました。内面を赤、青、無色に塗った3種類があり、洗濯物や本、ドライフラワーなどを入れるものとして使えそうです。北欧ぽいかんじで本当に部屋のアクセントになります。まだ試作段階のようですが、東京や欧米で人気がでそうな商品です。
またブナコ商品の裏にブナコのマークが入るようになりました(made in aomori)。民芸運動の影響で、これまでは一切マークは入っていませんでした。以前にもベターホームズの店長に海外に売り出すためには是非ブランド名を入れるべきだと進言しましたが、実現されうれしく思っています。さらにいうとブナコのコレクターが現れるようになるためには、一部限定商品には商品番号や作者名も記すのもいいと思います。私の好きな北欧の陶器には裏にSaxboといった会社名、55といった商品名、Staeher-Nielsenといった作者名が入っており、コレクターに愛されています。
世界に発信できる商品は弘前にはまだまだあると思います。ブナコがさらに世界に羽ばたく日を期待しています。

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