2007年12月23日日曜日

編集のお仕事


 どの学会でもそうですが、学会誌を発行することが、学会の大きな仕事のひとつです。大学勤務時代は九州のある地方会雑誌の編集委員を長らくしていました。その後、開業してからはずっと東北の地方会雑誌の編集委員をしています。さらに以前編集理事をしていた日本臨床矯正歯科医会雑誌と別の全国的な学会誌の査読も行っています。

 日本臨床矯正歯科医会雑誌では、編集理事でしたので、編集のすべてを経験しました。通常、まず原稿集めから仕事が始まります。開業医の多い学会では、先生方も仕事が忙しく、なかなか原稿を書いていただけません。そこで学会などでこれはと思った研究をピックアップして発表者に論文作成をお願いするのです。何回も催促してようやく、原稿をいただくと、編集委員会を開催して、次は査読者を探します。2ないし3名のその分野に詳しい先生を選び、無記名にして原稿を送り、査読してもらいます。結構きびしい意見を書いてくる先生も多く、無理いって書いてもらった著者にきびしい査読結果を送るのは、なかなか難しいもので、中には怒られたりします。締め切りにも追われながら、ようやく訂正原稿がくると再び編集委員会で討議して印刷所に送ります。場合によってはページ数が多くて、大幅に減らしてもらうこともあり、一度な著者のところまで行って、半分にしてもらったこともあります。印刷所では活字を組み、著者に校正をしてもらい、OKとなって印刷に入ります。材料屋の広告集めも大変ですが、1冊の雑誌になると本当にうれしく思います。

印刷所の仕事も何度か見学に行きましたが、今やほとんどコンピューターでなされます。原稿の入力や編集はすべてパソコンで行い、アルミの版に出力され、それを印刷機にセットして、すっていきます。あっという間に印刷されてきます。まるで大型のプリンターのような感覚です。

 最近の学会誌では英文号もありますが、どういう訳がここ数編、英文論文の査読をまかされます。特に英語が得意でもないのに、どうしてわたしのところに英文論文が送られてくるか不思議です。さらに最近では、すべて所定のメールでやり取りされる上、査読結果も英文で書かなくてはいけません。どうみても日本人の書いた論文なのになぜ英文で査読しないといけないかわかりません。通常の論文の倍以上の手間がかかります。ネーティブから見れば、とんでもない英語です。著者には大変申し訳ないと思っています。

 他人の論文を読み、批判することは簡単ですが、実際論文を書くのは大変なことです。まして開業しながら論文を書くのは時間的にも非常に難しいと思います。大学時代は年に2編以上は書こうと志していましたが、開業してからは2、3年にひとつくらいになってしまいました。来年こそは是非1編は書いてみたいと思います。

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