2019年6月6日木曜日

アルヴァ・アアルト展

コッホネン邸
 



アアルト展で買ったピクチャスタンド

 青森県立美術館で開催中のアルヴァ・アアルト展を見に行ってきた。アアルトはフィンランドを代表する偉大な建築家、デザイナーであり、現在でも多くのファンが世界中におり、私もその一人である。彼のデザインした家具の多くは今でもアルティックという会社で販売され、日本では昔から京都の二葉家具で扱っており、何度かこの店に行ったことがある。ただ流石に高くて、アアルトの家具は一つも持っていない。特に曲げ木(積層合板曲げ加工)で作られたイージチェアーは座り心地もよく、かなり買うか迷ったが、結局は、天童木工のブルーノ・マットソンのハイバックチェアーにした。北欧家具でおなじみのイケアは、アアルトのデザインをかなりパクっており、有名な“スツール60”もそっくりを1000円以下の値段で売っている。ただ無印良品はキチンと許可を取って、安全のために3脚を4脚にして販売している。値段はあまり変わらない。イージチェアーの402406については、イケアがその十分の一以下の価格で同じような物を出しており、座り心地もいいので、パーソナルチェアーでは一番よく売れている。一番安いのであれば5000円以下で買える。

 アアルトの建築、特に個人住宅は、奇抜さをあまり衒わない、非常に住みやすい家となっている。えてすると、有名建築家の建てた家は、あまりに奇抜で、住むのに難儀する場合が多いが、アアルトの作品はどれも見ただけで、住みやそうである。その中でもとりわけ、好きなのは、コッコネン邸で、森の中にある90坪くらいの平屋の家であるが、このまま同じような家を今、作っても満足するだろう。リビング、台所、キッチンが連続しており、リビングの裏に二つのベッドルームと風呂、トイレがある。入口から入ると渦巻き状にリビング、台所と続き、一番奥が夫婦寝室と子供部屋となる。そして回遊型となっている。またリビングの横には天井の高いミュージックルームがあり、書斎とピアノが置かれている。ここでは音楽会を催していたのだろう。また別棟にはフィンランドらしくサウナとその前にプールがある。本宅には他にはキッチン横には召使い部屋があるが、中心部のリビング、台所、キッチン、トイレ・風呂とベッドルームだけであれば、多分50坪程度であり、内外装もそれほど高い素材を使っていないので、現在でも十分に通用する。さらにいうとベッドルーム横にトイレ・風呂があるのは非常に使いやすいし、キッチン、トイレ、風呂を一箇所にまとめたのは水周りの関係からも良い。またそれぞれの部屋は曲線、でこぼこで囲まれているために、連続していながら、独立しており、リビングからはピアノ室や台所が少しだけ見えるようになっている。特にリビングが素晴らしく、前には大きな窓があり、外にも出られるようになっている。

 東京などの都会ではなかなか土地が高くて、平屋の家を建てるのは難しいが、地方では土地も安く、老後のことを考えると、コルビジェが母のために作ったヴィラ・ル・ラクやこのコッコネン邸など平屋の名作などに憧れる。

 アアルト展では、展覧会グッズを販売しており、通常は必ず展覧会カタログを購入するが、今回ばかりはあまり面白くないので、曲木を利用したピクチャースタンドを購入した。どこのものかわからないが、ちょっとしたアアルト気分である。

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