2019年6月2日日曜日

ロレックス人気がすごい

デイジャスト2と1002  精度は変わらない

 私は20歳になった時に、母が知人に頼んで香港でロレックスの時計を買ってもらった。オイスターパーペチュアルの日付のないタイプのもので、型番を調べると1002というものである。1976年製のロレックス1002となる。娘の旦那にあげようかと思い、写真だけで数社が無料査定するというHPがあったので、写真と一緒に申し込んでみた。

 購入して40年以上経っており、78年前に近くの時計屋にオーバホールし、その後、45年前にベッド横の机から寝ぼけて床に落とし、リューズが故障、風貌もヒビが入った。リューズのみは国産の汎用に変えたが、風防はそのままである。ただ精度は極めてよく、一日で数秒、月でも早くなったり、遅くなったりで、1分以内の精度である。全く時計の機能としては十分である。

 最初の会社の回答は、5万円くらいというもので、40年前の中古、それもダメージがあるにしてはいい値段と思っていたが、その後、次の会社が10万円、残りの会社は15万円くらいという査定であった。おそらく実物を査定すれば、もう少し買取り値段は下がるが、それにしても高い価格である。多分、部品が十分にある大手の中古サイトであれば、自社でリューズと風防を変え、オーバホールして売り出すのであろう。最初の回答があった後も、電話で何度も是非、現物を見たいので送ってくださいという勧誘があった。中古、それもスポーツタイプでないものでも、ロレックスの時計そのものが品薄なのだろう。それほど人気があるのだろう。

 こうした人気は新品でもそうで、今やスポーツタイプの新品は定価で買うことができなくなった。2015年に大阪の高島屋でデイジャスト2を買ったが、その頃でも流石にデイトナやサブマリーナは店頭になかったものの、エクスプローラーやミルガウスはあった。ところが新品価格にプレミアムがつくと、ロレックス社は生産量をそのままで、何と、新品定価を値上げした。定価2000円の有名日本酒がネットでプレミム価格が4000円になると、定価を3000円に変えるようなものである。ところが数が少ないのに人気があるために、さらにプレミアム価格が上がり、もはやスポーツタイプ自体が手の届かない価格となってきた。そのためスポーツタイプ以外の時計、例えばデイジャスト2の後継機種、デイジャスト41も値上がりしている(性能はよくなったが)。

 ロレックス人気のために、もはや新品の時計は迂闊に買える価格ではなくなったし、単純な時計好きが買うという場合だけでなく、これだけ値上がりが期待できるなら、投機で買う人も出よう。もし私が1976年に香港でサブマリーナを購入していたなら(1008より安かった)、今ではコンデションが良ければ200-300万円する。同様にミルガウスも10倍くらいになっている。スポーツタイプのロレックスが新旧を問わず、バカみたいな価格となり、その高騰がすごい。

 ロレックス人気は地方にも波及してきて、弘前のブランド買取店でもロレックス、古いものでも買取りますというパンフレットを張っている。何も知らない客が40年以上前のサブマリーナを売りに来ることもあり、それを買取り、それを200万円で転売することもできるので、これまでの買取り品である金やバッグなどよりよほど美味しい。サブマリーナにしても2030年前なら街の質屋の店頭にかなり安く並べられていたが、今はそんなことは絶対にない。土地や金のバブルははじけてしまったが、今、最も熱い市場がロレックス売買市場であろう。

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