2019年8月21日水曜日

新幹線で怒られた



 私は人と喋るのが好きで、妻ともよく喋るし、母親、兄弟、友人とも喋るのが好きである。場合によっては、飲み屋などで見ず知らずの人と仲良くなったり、タクシーの運転手と乗車中にずっと喋っている。子供の頃からのおしゃべり癖は治らない。

 二年ほど前、新幹線で東京から青森に帰るときに、車内で家内とずっと喋っていた。もちろんそんなに大きい声ではないのだが。しばらくすると前の座席に座っていた中年の女性がこちらに振り向き、人差し指を口に当ててシーと言って、私たちの会話をたしなめた。その後、気まずい雰囲気で家に帰るまでほとんど喋らない状態が続いた。

 大阪では、特に阪神電鉄沿線では車内で喋るのは当たり前と思っていただけに、新幹線の中で会話したらダメだとされ、ちょっとムッとしたが、ネットで同様な事例を探すと、むしろ現在ではシーという人の方が正しいようで、電車内で喋る人は非常識、マナー違反とされている。さらにはイヤホーンの音漏れ、コンピュータのキー入力音、スマホの操作音さえもマナー違反であるようだ。電車の中での騒音は、どんな小さな音でもマナー違反になるらしい。寝ている人からすれば、小さな音も気になるようで、電車内の一切の音は不快になるらしい。図書館では、本を閲覧中の人のために基本的には館内での会話は禁止されているが、電車内でも同様というわけである。

 それでは海外ではというと、韓国は物売りがくるし、アジア圏、あるいはヨーロッパ、アメリカでも大きな声でなければ車内での会話で怒られることはない。そのため東京の山手線で聞こえる声といえば、外国人観光客のよるものであることが多い。中国人、韓国人、欧米の人々も日本の電車内のマナーを知らないのか、平気で喋っている。流石に英語でたしなめる人は少ないが、それでも“シャラップ”と言って注意しろという声も多い。こうした発想の怖いところは、こうしたマナーをどんどん拡大できることである。地下鉄のような満員の車内での会話はもちろん、さらに新幹線や同じ感覚で言えば、レストランや喫茶店での会話も腹が立つであろうし、ディズニーランドやUFJでも人の会話が気になる人はいる。病院でもそうで、例えば家族であっても、大部屋であれば、気になる人はいよう。すなわち、人のいるところでの会話は全てダメということになる。

 イギリスの列車では、Quiet Coachという会話禁止の車両があるし、喫茶店でも読書するために会話禁止のところや私語厳禁の寿司屋やレストランもある。おそらく解決法はないと思うが、一人で会話する人はおらず、少なくとも会話するは二人以上である。レストラン、喫茶店、飛行機、長距離電車、バスなどは、予約の段階で、一人だけ、二人以上の客はまとめればよい。そうすれば、一人で静かに過ごしたい人は他人の声が聞こえないし、みんなんで喋って楽しく過ごすのも気を使わない。このような目で見ると、人の会話が気になるのは、一人だからで、ラッシュアワーの地下鉄などでは、ほぼ乗客は一人客で、それ故、珍しい二人以上の観光客の会話がうるさいと思う。一方、居酒屋やレストランなどでは基本的には二人以上で来るため、会話がOKとなる。それでも喫茶店は微妙で、スタバ〜のように一人客が多いところもある。実際に一人客と二人以上の客と席を別にしているところも多い。

 一人の客が多いところは会話禁止でしゃべりたくとも我慢してもらい、逆に二人以上の客の多いとところは会話がうるさくても我慢ということでどうだろうか。さらに境界のところでは、できれば席を分離するような方法をとってほしい。実際に一人客の多いレストランはカウンター中心になっており、ファミリー層が多いところは椅子席となっていて、椅子席では会話OK、カウンターは会話禁止ということになろう。ただ冒頭の新幹線(普通車)に話を戻すと、新幹線のシートはABの二席とCDEの三席となり、二人が座るのはこのABが圧倒的で、場合によってはDEとなる。それ故、音を遮断し、景色も見ないでひたすら眠りたい人は、C席が一番良い。ここは一番人気がなく、また隣に人が座ることも少ない。また一人でもA席に座りたいという方もいようが、隣に知らない人が座る確率が高く、またトイレに行く際には気を使う。新幹線内の会話が非常に気になるような方は、きればC席に予約すればいいだろう。もちろんグリーン車はほとんど一人客で、それも窓側に座っており、基本的には会話禁止なのだろう。

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