2020年1月9日木曜日

お金持ちのための弘前旅行 1


最高級キャンビングカー

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 以前、このブログでは金のかからない弘前旅行について書いた。それでは今度はお金持ち、特に外国から来るお金持ち観光客のために弘前旅行について考えてみた。

 昔、アメリカのモルガン・スタンレー家の人が、夫婦で青森県平川市にあるアップルランドに来たことがある。何でも会社のブレーンの一人が平川の出身であったことから、ここを提案したようだ。羽田空港までは自家用ジェット、そこからは完全のお忍びで、通常の羽田—青森空港路線を使って青森に来て、アップルランドに泊まった。一番良い部屋といっても二食付きで10000円くらいで、大した部屋はないし、特別な食事を出したわけでもない。奥さんはアメリカの元上院議員、資産数兆円のこの夫婦にとっては、経験したこともないほどチープな宿であったが、どうしたことか非常に気に入り、その後ももう一度、来たようだ。彼らにとっては、最高の贅沢の延長にほぼ最低の贅沢につながった。贅沢になれた彼らにすれば、こうした庶民的な宿は目新しかったのだろう。モルガンさんと呼ばれた彼らがその後、アップルランドを訪れたかはわからないが、超金持ちにはこうした側面がある。ただ今回はこうした特殊なケースではなく、例えば中国のお金持ちで金にはリミットがないような場合を想定する。

1.     宿
 弘前市で一番高い宿は、駅前のアートシティーホテルのジュニアスイートで朝食付きで一人15000円くらいで、これでは安すぎる。周辺も含めると大鰐の界 津軽星野リゾートのこぎんの間が二食つきで一人42000円くらいになる。また弘前市郊外の小沢にある洋風屋敷、アグリインホリデーも食事なしで一人2万円くらいである。いずれも大金持ちの人々にとっては、それほどトキメキも持たないであろう。むしろわざわざ弘前に来て高い料金を払って泊まるとなると、ここでしか味わえない、特別な宿が求められる。一つは藤田記念庭園の和館がある。かなり広い館で、そこからの庭園の眺めは最高である。ただ宿泊用に整備されていないので、風呂はなく、冷暖房も心配である。同様に藤田庭園の洋館も二階にベットを持っていけば宿泊は可能ではあるが、風呂もなく、金持ちが泊まるようなところではない。十和田湖であれば、昭和天皇も宿泊した十和田ホテルやさらにはこうした金持ち層もターゲットにしている星野リゾートの奥入瀬渓流ホテルの特別室などがあり、いずれも一泊3万円くらいで、景色も雄大で良いのだが、弘前の宿には該当しない。

 結論としては、弘前には海外からの金持ちが泊まる宿はないということである。最初に述べたモルガン家の人は別格として、こうした海外からの金持ちが泊まる最高級の宿となると、おそらく京都の俵屋旅館のような日本旅館で最高のサービスが受けられるところとなろう。以前、泊まったことのある倉敷市にも景観地区にこうした高級日本旅館があったが、弘前には明治12年にできた石場旅館にしろ高級旅館はない。天守閣のお城に泊まれるようなところも現れたと聞くが、弘前城の天守閣は無理である。むしろ世界最高級のキャンピングカーを本丸に持っていき、そこを貸し切りにして泊まるのであれば、可能であろう。桜祭りの期間、本丸の開園時間は7:00-21:00なので21:00-7:00まで個人の貸し切りにしてキャンピングカーとテントで、かなり高級な宿泊施設を本丸に作ることは可能である。これは贅沢である。この応用として贅沢なシャワー室とトイレのみがあるキャンピングカーがあれば、仲町の武家屋敷、先に述べた藤田庭園の洋館、和館などにも宿泊は可能である。あとは今年にはリニューアルされる弘前偕行社も宿泊候補に挙げられる。結婚式やパーティーの会場であるが、何とか宿泊はできるかもしれない。明治の洋館の雰囲気を味わえる。リニューアルされているので、冷暖房は問題ないし、トイレもOK、ないのはベッドと風呂(シャワー)くらいか。料理は、イタリア料理店のサスィーノなどからデリバリーサービスもできるかもしれない。
 
 今月号の家庭画報に“家庭画報の旅”として「東北随一の史跡と桜を巡る」があった。東京から新幹線を使い、角館の旅館“角館山荘 侘桜”と先に述べた“界 星野リゾート 津軽”に泊まる3日間コースで、費用は238000円と268000円。帰りのみグリーン車仕様にしては高いが、申し込まれる方はいるのであろう。

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